N1 Grid Service Provisioning System 5.0 リリースノート

実行時の問題

この節では、判明している実行時の問題について説明します。

「Check In Current」処理で、この処理をサポートしないコンポーネントについてのエラーが報告されない (5063014)

「Check In Current」処理を使用することで、ユーザーは Master Server リポジトリ内のコンポーネントのバージョンを最新状態に維持できます。Master Server は、ソースホスト上のバージョンに照らしてそのコンポーネントのバージョンを確認します。この確認は、前回のチェックイン時に収集されたコンポーネント位置についてのメタデータに基づいて行われます。

「Check In Current」処理は、すべてのコンポーネントタイプに対して行えるわけではありません。一般に、ブラウザインタフェースを使用してブラウズできるコンポーネントタイプは「Check In Current」処理が行えます。

「Check In Current」処理をまとめて行う場合、「Check In Current」処理をサポートしないコンポーネントタイプを選択すると、エラーが表示されないまま処理が完了します。サポートされていないコンポーネントタイプについては、「Progress」ダイアログボックスに結果が何も表示されないこともあれば、履歴データとして現れることもあります。

対処方法: 対応策はありません。

Red Hat Linux Advanced Server 3.0 で SSL を使用する場合にシステムがハングアップすることがある (5084676)

N1 Grid Service Provisioning System を Red Hat Linux Advanced Server 3.0 で稼働させている場合、Secure Socket Layer (SSL) 接続を使用するとシステムがハングアップすることがあります。

SSL は、/dev/random を使用して乱数を生成する SecureRandom を使用します。Red Hat Linux Advanced Server 3.0 には、/dev/random のエントロピ収集を妨げるというバグがあります。十分なエントロピが収集されないと /dev/random は乱数を生成しないため、/dev/random からランダムデータを読み取ろうとしてアプリケーションはハングアップします。

対処方法: 次に示す対応策の中から、どれか 1 つを選択してください。

「Plug-Ins」ページからファイルをインポートする際にエラーが発生する (5103015)

「Plug-Ins」ページのブラウザインタフェースから 40MB を超えるファイルのインポートを試みると、インポートは失敗します。

対処方法: 40MB を超えるプラグインファイルをインポートする場合は、CLI Client で plg.p.add コマンドを使用してください。手順については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 コマンド行インタフェース (CLI) リファレンスマニュアル』の第 11 章「plg:プラグインの CLI コマンド」を参照してください。

単純コンポーネントの全バージョンを一括して削除できない (6173519)

ブラウザインタフェースを使用して新しいファイルコンポーネントを作成し、そのコンポーネントに対して「Check In Current」処理を実行してバージョン 1.1 を作成した場合、両方のコンポーネントバージョンを同時に削除しようとすると、次のエラーメッセージが表示されます。


The 1.0 version of the object cannot be deleted as long as other versions
of the same object exist.

対処方法: 2 つのコンポーネントをまとめて削除せず、別々に削除してください。

通知規則のためにプランの実行速度が遅くなることがある (6176243)

基準がわずかしか存在しないか、あるいはまったく基準が含まれない通知規則を作成すると、プランの実行速度が遅いように見えることがあります。プランの実行が遅いのではく、プラン結果の表示が遅いという可能性があります。

対処方法: 通知規則を作成する場合は、できるだけ多くの基準を使用してください。通知規則の基準を増やすと、ネットワーク上でプロビジョニングシステムが送信する通知電子メールの数が減ります。通知電子メールの数が少なくなると、プラン結果の表示が妨げられる可能性が低くなります。

Master Server API の中にはアクセス許可を確認しないものがある (6199565)

Master Server 上で利用できる API の一部は、アクセス許可をまったくチェックしません。アクセス許可をチェックしない状態では、認証を受けていないユーザーがこれらのサービスを起動し、Master Server に害を及ぼす可能性があります。

対処方法: Master Server と CLI Client は、未承認アクセスを防止するように設定できます。Master Server と CLI Client では、次のセキュリティオプションを利用できます。

バックアップと復元で Master Server パスが異なると復元が失敗する (6201207)

バックアップファイルの作成に使用した Master Server パス以外のパスにインストールされた Master Server にデータを復元しようとすると、その復元は失敗します。次のメッセージが表示されます。


ERROR!  Failed to restore the database successfully.
The following fatal errors were encountered
ERROR:  stat failed on file 'N1SPS5.0-MS-home/': No such file or directory

N1SPS5.0-MS-home は、バックアップファイルの作成に使用された Master Server のホームディレクトリです。

対処方法: Master Server データを復元するサーバーで、バックアップの作成に使用した Master Server と同じディレクトリに Master Server をもう一度インストールしてください。