この章では、Sun N1 Service Provisioning System について説明します。また、製品ソフトウェアをインストールしたあとにプロビジョニングシステムを構成する方法についても説明します。
製品をインストールし、通信プロトコルを設定したら、プロビジョニングシステムを設定する必要があります。プロビジョニングシステムの設定では、次のような一般的な手順を実行します。
プロビジョニングシステムアプリケーションを開始します。
詳細については、「Sun N1 Service Provisioning System アプリケーションの起動」を参照してください。
ユーザーインタフェースを選択し、設定します。
「システムユーザーインタフェース」を参照してください。
ホストを構成します。
第 2 章「ホスト、ホストタイプ、ホストセット、およびホスト検索の管理」を参照してください。
必要に応じて、外部認証ログインモジュールを構成します。
付録 A 「認証方式」を参照してください。
ユーザーグループを作成します。
「ユーザーグループとユーザーアカウントの計画」を参照してください。
ユーザーアカウントを作成します。
「ユーザーアカウントの概要」を参照してください。
プロビジョニングシステムのワークスペース階層を設定します。
ワークスペースの設定については、第 6 章「フォルダの設定」を参照してください。
プラグインをインポートし、構成します。
第 5 章「プラグインの管理」を参照してください。
Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェアは、データセンターへのアプリケーションの配備、構成、および分析を自動化する、エンタープライズクラスのソフトウェアプラットフォームです。
プロビジョニングするソフトウェアは、以下に対してオブジェクト指向型のアプローチを使用します。
アプリケーションコンポーネント
アプリケーションコンポーネントに対して IT オペレータが実行する構成、配備、分析などのタスク
このオブジェクト指向型のアプローチでは、アプリケーションが実行されるごとに、自動的にそのアプリケーションに関する情報がすべて考慮されます。このような一貫性により、データセンターの運用をより正確に実施でき、エラーが削減されます。IT オペレータは、アプリケーション全体が必要とするものを把握することで、アプリケーションおよびデータセンターの運用を高度に制御できます。
プロビジョニングシステムでは、以下のタスクを実行できます。
ソフトウェアの配布、パッチ、アップグレードの自動化と管理
既存の配備プロセスのモデル化
ホストにインストールされているソフトウェアの識別
ホストの構成の比較
文書化された、一貫的な構成の監視と保守
ほかのプロビジョニングシステムアプリケーションについては、『Sun N1 Service Provisioning System 5.1 インストールガイド』の「N1 Service Provisioning System 5.1 アプリケーションの概要」を参照してください。
プロビジョニングシステムを構成する前に、マスターサーバー、リモートエージェント、およびローカルディストリビュータを起動しておく必要があります。
次の表は、 Solaris OS、Red Hat Linux、および IBM AIX システムで Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェアアプリケーションを起動するコマンドをまとめたものです。N1SPS-home は、アプリケーションのホームディレクトリです。
Bourne シェルを使用し、マスターサーバーやその他の Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェアアプリケーションを起動しないでください。Bourne シェルで cr_server start コマンドを使用してマスターサーバープロセスを起動し、マスターサーバーを起動したシェルで、後続のコマンドに対して ^C コマンドを発行すると、データベースとマスターサーバーのプロセスが停止します。
N1SPS5.1-home/server/bin/roxdb.out ファイルで、最近のエントリとして次のメッセージが表示されます。
DEBUG: fast shutdown request DEBUG: aborting any active transactions |
アプリケーション |
コマンドへのパス |
起動するコマンド |
---|---|---|
マスターサーバー |
N1SPS5.1-home/server/bin/ |
cr_server start |
ローカルディストリビュータ |
N1SPS5.1-home/ld/bin/ |
cr_ld start |
リモートエージェント |
N1SPS5.1-home/agent/bin/ |
cr_ra start |
CLI Client |
N1SPS5.1-home/cli/bin/ |
cr_cli CLI-command |
Jython バージョンの CLI Client |
N1SPS5.1-home/cli/bin/ |
cr_clij CLI-command |
Windows システムでは、「サービス」パネルでマスターサーバー、ローカルディストリビュータ、およびリモートエージェントを起動します。CLI Client は、DOS ウィンドウから起動します。
マスターサーバー、ローカルディストリビュータ、またはリモートエージェントを起動するには、「スタート」メニューをクリックし、「プログラム」、「管理ツール」、「サービス」の順にクリックします。「サービス」パネルで、このアプリケーションの名前を見つけ、起動します。
表 1–2 Windows マスターサーバー、ローカルディストリビュータ、およびリモートエージェントを起動するサービス名
アプリケーション |
起動するサービス名 |
---|---|
マスターサーバー |
Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェア Server Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェア PostgresSQL Server Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェア IPC Daemon Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェア Database Preparer |
ローカルディストリビュータ |
Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェア Distributor |
リモートエージェント |
Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェア Agent |
プロビジョニングシステムアプリケーションを起動したあと、3 つのインタフェースを使用してプロビジョニングシステムにアクセスできます。
プロビジョニングシステムへのプライマリインタフェースであり、マスターサーバーの組み込み Web サーバーを通じてマスターサーバーと相互作用します。オブジェクト指向型の設計になっているため、すばやくナビゲートすることができるほか、コマンドを使用しなくてもシステムを監視できます。自動化を使用することで、コンポーネントやプランの作成を簡単に行えます。一括移動手順など、一部の操作は、このインタフェースを使用してのみ実行可能です。
ブラウザインタフェースへのアクセス方法については、「ブラウザインタフェースを起動する」を参照してください。
CLI モードでは、シェルからマスターサーバーに対して、単一コマンドを発行できます。また、CLI を使用して、Jython 以外の言語でスクリプトを作成できます。
非対話型 CLI インタフェースへのアクセス方法と使用方法については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.1 コマンド行インタフェース(CLI) リファレンスマニュアル』を参照してください。
この CLI モードでは、CLI コマンドを高度なオブジェクト指向型スクリプトに埋め込めます。Jython Interpreter を使用すると、複数の CLI コマンドをマスターサーバーに送信できます。
CLI Jython インタフェースへのアクセス方法と使用方法については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.1 コマンド行インタフェース(CLI) リファレンスマニュアル』を参照してください。
マスターサーバーがインストールされ、稼動している必要があります。マスターサーバーの起動方法については、「Sun N1 Service Provisioning System アプリケーションの起動」を参照してください。
Web ブラウザで、マスターサーバーのホームページに移動します。
マスターサーバーの URL は、インストール手順の間に構成されます。使用しているマスターサーバーの Web アドレスが分からない場合は、Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェアをインストールし、構成した担当者に問い合わせてください。
デフォルトの場所は、http://masterserver-hostname:8080 です。
該当するフィールドにユーザー名とパスワードを入力します。
プロビジョニングシステムは admin という管理者アカウントでインストールされます。このアカウントのパスワードは、インストール時に構成されます。
admin ユーザーアカウントについては、「デフォルトユーザーアカウント」を参照してください。
「Log In」をクリックします。
マウスを使用せずにログインするには、パスワードを入力したあとに Tab キーを押します。Return キーを押して、ログインプロセスを開始します。
単一コマンド CLI インタフェースへのアクセス方法と使用方法については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.1 コマンド行インタフェース(CLI) リファレンスマニュアル』を参照してください。
CLI Client アプリケーションがインストールされているマシンで、実行するコマンドを入力します。
N1SPS-home/cli/bin/cr_cli -cmd subsystem.object.command -u user -p password |
コマンドの構文と出力形式については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.1 コマンド行インタフェース(CLI) リファレンスマニュアル』の第 1 章「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。
CLI Jython インタフェースへのアクセス方法と使用方法については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.1 コマンド行インタフェース(CLI) リファレンスマニュアル』を参照してください。