このセクションでは、Sun N1 SPS 5.2 リリースの次の新機能について説明します。
Sun N1 SPS 5.2 リリースには、カスタムアプリケーションや他社製品を Sun N1 SPS 環境に統合できる公開 Java API が含まれます。公開 Java API によって、引数と結果が強く型付けされている、現在使用可能なコマンド行インタフェース (CLI) のコマンドを実行できます。この機能は、CLI と機能的に同等で、Sun N1 SPS インフラストラクチャーに直接アクセスしてマスターサーバーの照会と管理が可能です。
Sun N1 SPS 公開 Java API に含まれるクラスとメソッドについては、『Sun N1 Service Provisioning System JavaDoc』を参照してください。
Sun N1 SPS 5.2 リリースでは、OS Provisioning プラグインが更新されています。OS Provisioning プラグイン 3.0 は、次の点が変更されています。
RSC ベースのシステムのプロビジョニングのサポート – OS Provisioning プラグイン 3.0 では、SunFire v480 および v880 の各サーバーファミリなど RSC ベースのシステムのプロビジョニングがサポートされています。
OS プロビジョニングの追加サポート – OS Provisioning プラグイン 3.0 では、次のオペレーティングシステムのプロビジョニングがサポートされています。
SPARC システム版 Solaris 8
SUSE Linux Enterpise Server 9
RedHat AS Linux 4.0 (32 および 64 ビット)
Microsoft Windows Server 2003 Standard Edition (32 および 64 ビット)、Enterprise Edition (32 および 64 ビット)、および WebEdition (32 ビット)
詳細は、『Sun N1 Service Provisioning System ユーザーズガイド (OS Provisioning Plug-In 3.1)』を参照してください。
Sun N1 SPS 5.2 リリースでは、Sun N1 SPS のマスターサーバー、リモートエージェント、ローカルディストリビュータ、および CLI クライアントで RedHat Linux 3.0 (64 ビット) および 4.0 (32 および 64 ビット) がサポートされています。
Sun N1 SPS 5.2 リリースでの OS のサポートについては、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 インストールガイド』 を参照してください。
新しい node コマンドセットを使用して、コマンド行インタフェース (CLI) からリモートエージェントとローカルディストリビュータをアップグレードできます。マスターサーバーを Sun N1 SPS 5.2 リリースに移行したら、node.au.run コマンドを使用して特定のホスト、ホストセット、または Sun N1 SPS 環境内のすべてのリモートエージェントとローカルディストリビュータを自動的にアップグレードできます。性能を高めるには、少ない数のホストのサブセットごとに node.au.run コマンドを別個に並行して実行します。
詳細は、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 コマンド行インタフェース (CLI) リファレンスマニュアル』を参照してください。
Sun N1 SPS 5.2 のブラウザインタフェースが更新され、プロビジョニングのプランで発生する障害とエラーを一度に表示できるようになりました。「Plans Details Run」ページにプランの対象のすべてのホストのエラーと障害がすべて表示されるようになりました。このため、個々のホストの「Details」リンクを選択してプロビジョニングのステータスを確認する必要がなくなりました。
詳細は、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 システム管理者ガイド』および『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 プランとコンポーネントの開発者ガイド』を参照してください。
Sun N1 SPS 5.2 リリースでは、差分配備中の変化に関する詳細情報を確認できるようにリモートエージェントのログのメカニズムを設定できます。logger_config.xml ファイルの <logger> 要素を編集して次のイベントのログをとることができます。
新しいファイルが作成されたかどうか
既存のファイルが削除されたかどうか
ファイルが変更されなかったかどうか
ログの出力はリモートエージェントのホームディレクトリにある agent/bin/cr_agent.out ファイルで確認できます。
差分配備のログの設定については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 システム管理者ガイド』を参照してください。
Sun N1 SPS 5.2 リリースでは、変数セットの編集と管理用のブラウザインタフェースが次のように改善されています。
変数セットの一覧の表示 - コンポーネントの変数セットが以前のようなフラット表示ではなく、一覧表示されるようになり、ナビゲートや編集が容易になりました。この改善によって多数のページをスクロールする必要がなくなりました。
変数セットのファイルからのインポートとファイルへのエクスポート - コンポーネントの変数と値を定義したファイルから変数セットをインポートすることで、コンポーネントの変数セットを簡単に更新できるようになりました。また、変数セットをファイルにエクスポートすることで、その変数セットをほかのコンポーネントに使用することもできます。「Variable Settings Edit」画面からアクセスできる新しい「Import From File」と「Download」の各操作を使用して、変数セットをファイルからインポートするか、ファイルにエクスポートできます。
変数セットの複製 - デフォルトの変数セットとは異なる変数セットのコピーを作成し、このカスタムコピーを Sun N1 SPS 環境内のほかのオブジェクトと共有できるようになりました。「Component Variable Settings」ページの「Create Copy」リンクを使用して、現在の変数セットを複製し、変数セットの変数の値と名前を編集できます。その後、「Variable Set」ドロップダウンメニューからこのコピーを選択することで、変数セットのこのカスタムコピーをほかのオブジェクトに再利用できます。
これらの改善点については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 プランとコンポーネントの開発者ガイド』および『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 オペレーションとプロビジョニングガイド』を参照してください。
Sun N1 SPS 5.2 の XML スキーマは次のように改善されています。
<install>、<uninstall>、および <control> の各ブロックの <return> ステップと return 属性を使用して、特定の制御ブロックの実行を停止し、必要な場合は呼び出し元のステップに値を返すことができます。
<assign> ステップを使用して、以前に宣言されたローカル変数に新しい値を割り当てることができます。このステップを <install>、<uninstall>、および <control> の各ブロックとともに使用して、戻り値をローカル変数の値に割り当てることができます。
<execJava> ステップと <execNative> ステップの <assignError> と <assignOutput> の各子要素を使用して、標準出力または標準エラーストリームの値をローカル変数に割り当てることができます。
<execNative> ステップの <assignStatus> 子要素を使用して、ネイティブ OS コマンドのステータスコードをローカル変数に割り当てることができます。
これらの改善点については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 XML スキーマリファレンスガイド』を参照してください。
新しい cdb.ic コマンドセットを使用して、現在インストールされているコンポーネント間の関係を確認できます。次の 2 つの新しいコマンドを使用して、インストール済みコンポーネント間の依存関係を確認できます。
cdb.ic.ldo – このコマンドでは、指定するコンポーネントが依存するインストール済みコンポーネントを確認できます。
cdb.ic.lod – このコマンドでは、指定するコンポーネントに依存するインストール済みコンポーネントを確認できます。
これらのコマンドについては、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 コマンド行インタフェース (CLI) リファレンスマニュアル』を参照してください。
Sun N1 SPS 5.2 リリースでは、実行するプランまたは比較の実行履歴の削除を制限する方法が追加されました。次の 2 つの方法でユーザーによる実行履歴の削除を許可できます。
ユーザーを admin グループに割り当てる
特定のホストセットでフォルダの Delete Run History アクセス権を有効にする
詳細は、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 システム管理者ガイド』を参照してください。
これまでのリリースでは、SSL 認証を使用するリモートエージェントを追加したあとで、SSL キーストアを更新するには、マスターサーバーとローカルディストリビュータを再起動する必要がありました。このリリースでは、マスターサーバーとローカルディストリビュータが別の Sun N1 SPS アプリケーションに接続しようとするときにキーストアの変更が確認されるので、システムを再起動する必要がありません。
詳細は、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 インストールガイド』を参照してください。
プラグインにコンポーネントタイプを含めなくても、Sun N1 SPS のコンポーネントタイプを拡張し、N1 SPS 環境でこれらの拡張を検索できるようになりました。
コンポーネントタイプについては、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 XML スキーマリファレンスガイド』を参照してください。
Sun N1 SPS 5.2 リリースには、さまざまな他社製ののアプリケーションをプロビジョニングできるように、テストされ、サポートされている一連のアプリケーションモデルが含まれます。これらのモデル化されたコンポーネントとプランは、Sun N1 SPS ソフトウェアのプラグインとしてパッケージ化されています。
Sun N1 SPS 5.2 リリースには次のプラグインが含まれます。
BEA WebLogic 6 と WebLogic 7 Plug-in 2.0
BEA WebLogic 8 Plug-in 3.0
Linux Plug-in 2.0
OS Provisioning Plug-in 3.0
Oracle App Server 10g Plug-in 2.0
Oracle 9i と 10g Database Plug-in 3.0
Solaris Plug-in 4.0
Sun Java System App Server 8.1 Plug-in 3.0
Sun Java System Web Server 6.0 Plug-in 3.0
WebSphere 5.1 Plug-in 3.0
Windows 2000 Plug-in 3.0
プラグインを使用してこれらのアプリケーションをプロビジョニングする方法については、N1 Service Provisioning System 5.2 Plug-in Collection を参照してください。
Sun N1 SPS 5.2 リリースから、プラグインは Sun N1 SPS の DVD にあるネイティブ OS パッケージに含まれるようになりました。プラグインをパッケージで配布することで、Sun N1 SPS 環境内のプラグインのパッチの適用とバージョンの追跡が容易になります。
Sun N1 SPS のプラグインをマスターサーバーにインストールするには、まずシステムにパッケージを追加し、次にプラグインの Java アーカイブ (JAR) ファイルを Sun N1 SPS 環境にインポートします。
プラグインパッケージをマスターサーバーに追加する方法については、N1 Service Provisioning System 5.2 Plug-in Collection にある適切なプラグインのマニュアルを参照してください。
WebLogic 8 プラグイン 3.0 には、BEA WebLogic 8 ソフトウェアとカスタムアプリケーションを配備する方法を示すデモアプリケーションが含まれます。Avitek Medical Records デモアプリケーションは、プラグインを使用して次の作業を行う方法を示します。
WebLogic データベースのデータソースを設定する
WebLogic 管理対象サーバーの JMS と JDBC のリソースを構成する
管理対象サーバーにエンタープライズアプリケーション (EAR) を配備する
Avitek Medical Records デモアプリケーションについては、『Sun N1 Service Provisioning System ユーザーズガイド (BEA WebLogic 8 Plug-In 3.0)』を参照してください。
Oracle データベースプラグイン 3.0 は、次のように改善されています。
Start、Stop、および Verify の各コンポーネントプロシージャーを使用して、Oracle 9i または 10g データベースの起動、停止、およびステータスの確認が可能です。
Oracle 10g データベースプラグインは Oracle 9i データベースプラグインに依存しなくなりました。Oracle 9i データベースプラグインを同じシステムにインストールしなくても Oracle 10g データベースプラグインをインストールし、使用できます。
Oracle データベースプラグイン 3.0 については、『Sun N1 Service Provisioning System ユーザーズガイド (Oracle Database Plug-In 3.0)』を参照してください。
WebSphere 5.1 プラグイン 3.0 は、次のように改善されています。
配備マネージャーのターゲットを使用して既存のデータソースと JDBC 構成を検索し、エクスポートできます。
このプラグインを使用して、J2C 認証の別名を作成および削除できます。
WebSphere 5.1 プラグイン 3.0 には、WebSphere 5.1 ソフトウェアとサンプルのオンライン株式売買手数料アプリケーションを配備する方法を示すデモアプリケーションが含まれます。Trade3 デモアプリケーションを使用して次の作業を行うことができます。
エンタープライズアプリケーション (EAR) を取得する
アプリケーションのデータソースと JMS リソースを構成する
アプリケーションをアプリケーションサーバーに配備する
Trade3 アプリケーションは Sun N1 SPS 5.2 製品メディアには含まれません。WebSphere 5.1 プラグインのデモアプリケーションを使用するには、WebSphere の Web サイトから Trade3 アプリケーションをダウンロードする必要があります。
WebSphere 5.1 プラグインについては、『Sun N1 Service Provisioning System ユーザーズガイド (WebSphere Plug-In 3.0)』を参照してください。