この章では、Linux 版 Java Desktop System Release 2
のインストール手順について説明します。
この節では、Java Desktop System
インストールパッケージに含まれる CD を使って、Java Desktop System
をインストールする方法を説明します。
CD 1 を CD ドライブに挿入します。
システムが起動し、次のオプションが表示されます。
Boot from Hard disk (ハードディスクから起動)
Installation (インストール)
Installation — ACPI Disabled (インストール — ACPI 無効)
Installation — Safe Settings (インストール — 安全設定)
Manual Installation (手動インストール)
Rescue System (復旧システム)
Memory Test (メモリーテスト)
Java Desktop System
の新しいインストールを実行するには、矢印キーを使用してインストールオプションを強調表示し、Enter キーを押します。
Configurator
は「License Agreement」ダイアログを表示します。「Accept (同意する)」をクリックして、インストールを続けます。「Accept (同意する)」をクリックしないと、インストールを続けることはできません。
「言語選択」ダイアログから言語を選択し、「了解」をクリックします。
Configurator
はシステムを解析します。Linux がシステムにインストールされていない場合、Configurator
はハードウェアのインストール設定を表示します (手順 8 の例を参照)。
しかし、Linux がシステムにインストールされている場合、Configurator
は次のオプションを表示します。
「新規にインストールする」
このオプションは、Linux がシステムにインストールされていない場合、あるいは、現在インストールされている Linux のバージョンを変更する場合に選択します。
「既存のシステムの更新」
このオプションは、現在インストールされている Linux のバージョンを更新する場合に選択します。このオプションは、既存のシステム構成の設定を可能な限り保持します。
「インストールしたシステムの起動」
このオプションは、現在インストールされている Linux のバージョンが再起動できない場合に選択します。このオプションを使用して、手作業で再起動の問題を解決する事ができます。
「インストールを中止する」
インストールを中止するには、このオプションを選択します。
「新規にインストールする」を選択し、 「了解」をクリックします。
Configurator
は、次のソフトウェアオプションを表示します。
「デフォルトシステムに StarSuite をインストール - 日本、中国、韓国および台湾専用」
「デフォルトシステムで StarOffice をインストール - その他の国用」
適切なオプションを選択して、「了解」をクリックします。
次に、システムのインストール設定が表示されます。
次に例を示します。
モード — 新しくインストールする
キーボードレイアウト — 日本語
マウス — PS/2 マウス (Aux-port)
パーティション — パーティションをフォーマットする : /dev/hda6 9.3 GB、(/, reiser) および パーティションをフォーマットする : /dev/hda5 196 MB、(swap)
デフォルト設定を変更するために「パーティション」をクリックすると、Configurator
はハードディスクを検査し、次のオプションを表示します。
「提案をそのまま受け入れる」
「提案を変更して基本的なパーティションの設定をする」
「カスタム・パーティション設定をする」
「提案をそのまま受け入れる」を選択し、「次へ」をクリックします。
デュアルブートシステムを作成する場合、パーティションの設定は重要なインストール手順になります。詳細は、パーティション分割のガイドラインを参照してください。
ソフトウェア
「デフォルトシステムに StarSuite をインストール - 日本、中国、韓国および台湾専用」
「GNOME システム」
「StarSuite」
「ヘルプおよびサポートに関するドキュメント」
「グラフィック基本システム」
「ソフトウェア」をクリックすると、Configurator
は次のソフトウェアオプションを表示します。
「デフォルトシステムに StarSuite をインストール - 日本、中国、韓国および台湾専用」
「デフォルトシステムで StarOffice をインストール - その他の国用」
適切なオプションを選択して、「了解」をクリックします。
ブートローダー — 1.IDE 9.54 GB, dev/hda から起動する。
「ブートローダー」をクリックすると、Configurator
は次の起動オプションを表示します。
「GRUB を /dev/hda のマスターブートレコードにインストール」
「起動用フロッピーディスクの作成」
「GRUB を使用しません (他のブートマネージャーが必要です)」
GRUB を他のパーティションにインストールする : (P)/dev/hda
適切なオプションを選択して、「了解」をクリックします。
あるいは、Configurator
が示す起動オプションをそのまま使用します。
時間帯 —アジア / 東京
言語 — 日本語
「同意する」をクリックして、インストールを続けます。
インストールを続行する前にインストール設定を変更するには、「変更」をクリックします。
インストールを中止するには、「インストールを中止する」をクリックします。
「同意する」をクリックして、インストールを続けます。
インストールと今までの選択すべてを実行するには、「はい、インストールします」をクリックします。
Configurator
がハードディスクを準備していることを示すメッセージが表示されます。インストールが始まると、次のような区画を持つ画面が表示されます。
現在のパッケージ
インストールパッケージの名前、説明、サイズと共に、インストール済み部分のパーセントを示すステータスバーを表示します。
インストール
CD からのダウンロードが終了した割合 (%) とダウンロード完了までの予想時間を表示します。
インストールログ ( 抜粋 )
現在システムにインストール中のパッケージすべてに関する実行状況を表示します。CD 1 からパッケージがダウンロードされた後、Configurator
は、基本インストールが終了し、システムが再起動することを示すメッセージを表示します。
システムが再起動した後、CD 2 を挿入するよう求めるダイアログが表示されます。
CD 2 を挿入し、「了解」をクリックします。
CD 2 のパッケージをインストールするとき、CD 3 を挿入するように求めるダイアログが表示されます。
CD 3 を挿入し、「了解」をクリックします。
CD 3 からすべてのパッケージが正常にインストールされると、Configurator
は、システム管理者 root 用のパスワードの入力を求めるプロンプトを表示します。
必要なときに参照できるよう、パスワードを控えていてください。root としてログインする必要があるのは、システム管理を行うときだけです。
root のパスワードを入力します。
確認のためパスワードを再度入力して、「 次へ」をクリックします。
次に、新規ユーザーの追加を求めるプロンプトが表示されます。このオプションはネットワーク環境では任意入力です。
追加するユーザーの名前、名字、ログイン名、およびパスワードを入力して、「次へ」をクリックします。入力した内容で、ユーザーアカウントが新たに作成されます。
Configurator
は次のようにデスクトップ設定の初期化を開始します。
「テキストモードのみ」— グラフィカルデスクトップなし
「グラフィックデスクトップ環境」
「グラフィカルデスクトップ環境」を選択して、「了解」をクリックします。
ネットワークに接続されていないスタンドアロンインストールの場合、Configurator
はローカルのプリンタを検出しようとします。
ローカルプリンタがシステムに接続されている場合、「はい」をクリックします。接続されていない場合は、「検出をスキップする」をクリックします。
Configurator
はシステム構成を書き込み、次のハードウェアデバイスのインストール設定を表示します。
「ネットワーク・インターフェイス」
「プリンター」
「モデム」
「ISDN アダプター」
「サウンド」
インストール設定を変更するには、「変更」をクリックします。設定をそのまま使用する場合は、「次へ」をクリックします。
設定が正常に保存されたというメッセージが表示され、システムが自動的に再起動されます。
CD 3 を取り出します。
ログイン画面で、新規ユーザーに設定したユーザー名とパスワードでログインを行います。
これで、Java Desktop System
を使用できます。
以下のデスクトップオブジェクトが表示されます。
このコンピュータ
ドキュメント
ネットワークプレイス
このオブジェクトは、x86 版 Solaris オペレーティングシステム用 Java Desktop System Release 2 では使用できません。
ごみ箱
Java™ Desktop System について
StarSuite
ボトムエッジパネル
Linux 版 Java Desktop System の使用を始めるにあたってヘルプが必要な場合は、『Java Desktop System Release 2 ユーザーズガイド』を参照してください。
Linux がシステムにインストールされていることを検出した場合、 Configurator
は次のオプションを表示します。
「New installation (新規にインストールする)」
「Update an existing system (既存のシステムの更新)」
「Boot installed system (インストールしたシステムの起動)」
「Abort Installation (インストールを中止する)」
インストールされている Linux のバージョンを更新する場合、次の手順を実行します。
「Update an existing system (既存のシステムを更新)」を選択します。
このオプションは、既存のシステム構成の設定を可能な限り保持します。
既存のシステムのバックアップを作成する場合、「バックアップを作成します」を選択します。
「次へ」をクリックします。
必要な更新の種類を選択するように求めるプロンプトが表示されます。
既存のシステムを更新する手順については、CD からの Java Desktop System のインストール のオンライン指示を参照してください。
Linux 版 Java Desktop System のネットワークインストールを実行できます。およそ 2.5 GB の空き領域がある NFS 共有ディレクトリにアクセスできるか確認してください。
以下の手順例では、Linux 版 Java Desktop System の ISO イメージからネットワークインストールリポジトリを設定する方法について説明します。
root でログインして、NFS を配置するディレクトリを作成します。たとえば、mkdir /export/jdsimage を実行します。
/etc/exports に行を挿入して、NFS 上で /export/jdsimage ディレクトリを共有します。たとえば、/export/jdsimage (ro) と入力します。
/etc/init.d/nfs restart と入力して、NFS サーバーを再起動します。
ファイルのコピー中に一時的に ISO イメージをマウントするディレクトリを作成します。たとえば、mkdir /mnt/iso を実行します。
mount -o loop isofile.iso /mnt/iso
次のように、すべてのファイルをコピーします。
cd /mnt/iso
tar cf - . | cat | (cd /export/jdsimage && tar xbf 1 - )
次のように、ISO イメージのマウントを解除します。
cd /
umount /mnt/iso
すべての ISO イメージに対して、手順 5 を繰り返します。
ネットワークから Java Desktop System
をインストールする前に、次の準備が必要です。
マシンの IP アドレス
ネームサーバーの IP アドレス
NFS サーバーの IP アドレス
ネットワークサブネットマスク
インストールされているネットワークカードの種類
ブートディスク 3 枚
ネットワークインストールによるインストールを始める前に、3 枚のブートディスクが必要です。ブートディスクは、次の場所から入手できます。
Java Desktop System
インストールパッケージに含まれる CD1 と書かれたディスク
boot フォルダ内のネットワークインストールイメージ
bootdisk
modules1
modules3
必要に応じて、次のコマンドを使ってその他のディスクを作成します。
dd if=/export/suseimage/boot/bootdisk of=/dev/fd0
SCSI コントローラや USB ドライバなどのハードウェアに応じて、追加ディスクが必要になる場合があります。
Linux システム上の ISO イメージからネットワークインストールを実行する方法は次のとおりです。
bootdisk をドライブに挿入し、マシンを再起動します。
システムが起動し、次のオプションが表示されます。
Boot from Hard disk (ハードディスクから起動)
Installation (インストール)
Installation — ACPI Disabled (インストール — ACPI 無効)
Installation — Safe Settings (インストール — 安全設定)
Manual Installation (手動インストール)
Rescue System (復旧システム)
Memory Test (メモリーテスト)
メニューから 「Installation (インストール)」 を選択すると、modules1 の挿入を求めるプロンプトが表示されます。
bootdisk を取り出し、modules1 を挿入して、Return キーを押します。
次のプロンプトが表示されます。"Please make sure that modules1 is in your drive!"
「Back」->「English」->「Kernel modules (hardware drivers)」「Load network card modules」 を選択します。
modules3 の挿入を求めるプロンプトが表示されます。
modules1 を取り出し、modules3 を挿入して、Return キーを押します。
ネットワークカードを選択します。
パラメータの入力を求めるプロンプトが表示された場合、none と入力します。
数秒後、次のプロンプトが表示されます。Module <name> loaded successfully
「Back」->「Start Installation/system」->「Start Installation/update」->「Network」->「NFS」 を選択します。
DHCP パラメータの入力を求めるプロンプトが表示された場合、none と入力します。
マシンの IP アドレスを入力します。
サブネットマスクを入力します (例、255.255.255.0)。
サブネットのゲートウェイを入力します。
ネームサーバーの IP アドレスを入力します。
NFS サーバーの IP アドレスを入力します。NFS サーバーは、ネットワークインストールイメージを作成したマシンです。
前に NFS サーバーに作成したサブフォルダ /path/to/nfs/install/from を入力します (ISO イメージからのネットワークインストールリポジトリの設定 を参照)。
以降のオンラインインストールの指示に従って、Java Desktop System
ネットワークインストールの手順を完了します。
ディスクのパーティション分割に関する推奨ガイドラインについては、次の表を参照してください。
表 2–1 パーティション分割のガイドライン
パーティション |
サイズ |
タイプ |
記入欄 |
---|---|---|---|
/ |
5G バイト。最小 3G バイト |
プライマリ |
|
スワップ領域 |
RAM のサイズの倍。最小 128M バイト |
スワップ領域 |
必要に応じて、スワップパーティションのサイズを増減できます。 |
パーティションのサイズを変更するとき、Configurator
は次のオプションを表示します。
「提案をそのまま受け入れる」
「提案を変更して基本的なパーティションの設定をする」
「カスタム・パーティション設定をする」
パーティションのサイズを変更するには、次の手順を実行します。
「インストールの設定」ダイアログから、「パーティション」を選択し、「提案を変更して基本的なパーティションの設定をする」オプションを選択し、それから「次へ」をクリックします。
サイズを変更したいパーティションを強調表示して、 「サイズを変更する」をクリックします。
スライダを使って、Windows パーティションと Linux パーティションに割り当てる容量を設定し、「確認」 をクリックします。
Linux 用の最小の容量は 3024M バイトです。
「次へ」をクリックして、パーティションテーブルを保存し、「インストールの設定」画面に戻ります。
Configurator
が推奨したパーティションが Java Desktop System
インストールに合わない場合、カスタムパーティションテーブルを作成する必要があります。
カスタムパーティションテーブルを作成するには、次の手順を実行します。
保存する必要があるファイルは、すべてバックアップしてください。この手順を実行すると、既存の Windows パーティションが上書きされます。
「インストールの設定」ダイアログから「パーティション」を選択し、「カスタム・パーティション設定をする」オプションを選択し、「次へ」をクリックします。
「カスタム・パーティション - プロ用」オプションを選択し、次に「次へ」をクリックして「上級者向けのパーティション設定」ダイアログを表示します。
アプリケーションをインストールするディスクを指すデバイス、たとえば /dev/hda を選択し、 「削除」をクリックしてそのディスク上のすべてのパーティションを削除します。
「作成」をクリックして、新しいパーティションを作成し、「プライマリ」オプションを選択します。
ポップアップウィンドウで、「開始シリンダ」を 0 に、「最後のシリンダ」を + 5G バイトに、「マウントポイント」を / に設定します。
「作成」をクリックして、新しいパーティションを作成し、「拡張」オプションを選択します。
ポップアップウィンドウ内の値は、すべて正しい設定でなければなりません。たとえば、「開始シリンダ」の値は「hda1」の「終了シリンダ」の値より 1 多くなければなりません。「終了シリンダ」は /dev/hda の「終了シリンダ」と同じ値にすることができます。
ディスクの残った部分を含むように拡張パーティションを作成すると、他のすべてのパーティションは、その拡張パーティションの中に作成されます。
「作成」をクリックして、新しいパーティションを作成します。
「フォーマットする」オプションの下のメニューから「スワップ」を選択します。
「最後」フィールドに「+」構文を使用して、スワップパーティションのサイズを指定します。たとえば、RAM システムが 256M バイトで、スワップを 512M バイトに設定する場合、「+ 512」のように指定します。
「作成」をクリックして、新しいパーティションを作成します。ディスクの残り部分を含む新しいパーティションが構成されます。「マウントポイント」を /usr に設定します。
「次へ」をクリックして、パーティションテーブルを保存し、「インストールの設定」画面に戻ります。