この章では、GNOME デスクトップでのフォントの設定方法について説明します。
GNOME デスクトップは fontconfig フォント設定およびカスタマイズライブラリを使用します。fontconfig ライブラリでは、PostScript Type 1 フォントおよび TrueType フォントを含め、すべての種類のフォントを使用できます。
fontconfig ライブラリには、GNOME デスクトップシステムで使用できるすべてのフォントのリストがあります。このリストを作成するために、fontconfig は /etc/fonts/fonts.conf ファイルに一覧表示されるディレクトリを検索します。システムで使用できるすべてのフォントを表示するには、システム上のファイルマネージャ内で fonts:/// にアクセスします。
fontconfig ライブラリについては、次の URL を参照してください。
http://freedesktop.org/software/fontconfig
fontconfig ライブラリは、フォント全体または個別の文字が存在しない場合にフォントを置換します。存在しないフォントを表示する必要がある場合、fontconfig は別の類似フォントの表示を試みます。たとえば、Web ページが Verdana フォントの表示を要求していて、そのフォントがシステムにインストールされていない場合、fontconfig は、Helvetica などの類似フォントを表示します。類似フォントのリストは、/etc/fonts/fonts.conf ファイルに定義されています。
選択したフォントには存在しない文字を表示する必要がある場合、fontconfig は別の類似フォントの文字の表示を試みます。たとえば、テキストエディタ
アプリケーションのフォントとして Bitstream Vera Sans を選択したとします。Bitstream Vera フォントファミリにはキリル文字が含まれません。キリル文字が含まれた文書を開くと、テキストエディタ
はキリル文字を含む類似フォントを使用して文字を表示します。
fontconfig ライブラリは、serif、sans-serif、および monospace など、フォントの別名も定義します。フォントの別名の 1 つを選択すると、/etc/fonts/fonts.conf 内でその別名に定義されている最初のフォントが使用されます。
すべてのユーザーにフォントを追加するには、次の手順を実行します。
/etc/fonts/fonts.conf ファイル内のディレクトリの 1 つに、フォントファイルをコピーします。通常、フォントは /usr/share/fonts/ ディレクトリに格納されています。
fontconfig ライブラリは。フォントのリストを自動的に更新します。フォントのリストが更新されない場合は、次のコマンドを実行します。
# fc-cache
また、ディレクトリを特定して更新するには、次のコマンドを実行します。
# fc-cache directory-name
また、/etc/fonts/fonts.conf にあるディレクトリのみから更新し、更新済みディレクトリのリストを表示するには、次のコマンドを実行します。
# fc-cache --system-only -v
個別のユーザーにフォントを追加するには、次の手順を実行します。
ユーザーの $HOME/.fonts ディレクトリに、フォントファイルをコピーします。ファイルマネージャ内の fonts:/// の場所にフォントファイルをドラッグすると、フォントファイルが $HOME/.fonts ディレクトリにコピーされます。
fontconfig ライブラリは、フォントのリストを自動的に更新します。フォントのリストが更新されない場合は、次のコマンドを実行します。
# fc-cache directory-name
fc-cache コマンドで使用する他のオプションについては、前のセクションを参照してください。