Sun Java System Web Server 7.0 パフォーマンスのチューニング、サイジング、およびスケーリング

DNS キャッシュ情報

DNS キャッシュでは、IP アドレスと DNS 名がキャッシュされます。Web Server は、DNS キャッシュを使ってロギングや IP アドレスによるアクセス制御を行います。DNS キャッシュはデフォルトで有効になっています。次の例は、perfdump で表示される DNS キャッシュ情報を示したものです。

DNSCacheInfo:
------------------
enabled             yes
CacheEntries        4/1024
HitRatio            62854802/62862912 ( 99.99%)

AsyncDNS Data:
------------------
enabled             yes
NameLookups         0
AddrLookups         0
LookupsInProgress   0

次の例に、管理コンソールで表示される DNS キャッシュ情報を示します。

表 2–6 DNS キャッシュの統計

キャッシュヒットの合計 

62854802 

キャッシュミスの合計 

6110 

非同期検索の数 

検索中 

非同期検索が有効 

実行した非同期アドレス検索の数 

有効

DNS キャッシュが無効になっていると、このセクションの残りの部分が perfdump で表示されません。管理コンソールではページにゼロが表示されます。

チューニング

DNS キャッシュはデフォルトで有効になっています。管理コンソールで DNS キャッシュを有効または無効にするには、構成の「パフォーマンス」タブ ⇒「DNS」サブタブの、「DNS キャッシュ設定」の下で、「DNS キャッシュ」の「有効」ボックスを選択または選択解除します。コマンド行インタフェースでこれを有効または無効にするには、wadm set-dns-cache-prop を使って enabled プロパティーを設定します。

キャッシュエントリ数 (現在のキャッシュエントリ数/最大キャッシュエントリ数)

perfdump のこのセクションには、キャッシュエントリの現在の数と最大数が表示されます。管理コンソールでは、現在のキャッシュエントリ数は「キャッシュヒットの合計」として表示されます。単一のキャッシュエントリは、単一の IP アドレスまたは単一の DNS 名の検索を表します。キャッシュのサイズは、Web サイトに同時にアクセスするクライアントの最大数と同程度にするべきです。キャッシュサイズが大きすぎるとメモリーが浪費され、パフォーマンスも低下します。

チューニング

管理コンソールで DNS キャッシュの最大サイズを設定するには、構成の「パフォーマンス」タブ ⇒「DNS」サブタブの、「DNS キャッシュ設定」の下にある「最大キャッシュサイズ」フィールドを使用します。コマンド行インタフェースでこれを設定するには、wadm set-dns-cache-prop を使って max-entries プロパティーを設定します。デフォルトのキャッシュサイズは 1024 です。値の範囲は 2 〜 32768 です。

ヒット率 (キャッシュヒット数/キャッシュ検索数)

perfdump のヒット率には、キャッシュ検索数に対するキャッシュヒット数が表示されます。管理コンソールの統計に基づいてこの数値を計算するには、「キャッシュヒットの合計」と「キャッシュミスの合計」を足したもので、「キャッシュヒットの合計」を割ります。

この設定はチューニング不可能です。

非同期 DNS が有効/無効

Async DNS enabled/disabled には、サーバーがオペレーティングシステムの同期リゾルバの代わりに独自の非同期 DNS リゾルバを使用するかどうかが表示されます。非同期 DNS はデフォルトで無効になっています。これが無効になっていると、このセクションが perfdump で表示されません。管理コンソールでこれを有効にするには、構成の「パフォーマンス」タブ ⇒「DNS」タブの「DNS 検索設定」の下で、「非同期 DNS」を選択します。コマンド行インタフェースでこれを有効にするには、wadm set-dns-prop を使って async プロパティーを true に設定します。