Sun Studio 12: パフォーマンスアナライザ

パフォーマンスアナライザの起動

パフォーマンスアナライザを起動するには、コマンド行に次のように入力します。


% analyzer [control-options] [experiment-list]

または、IDE の「エクスプローラ」を使って、実験に移動し、これを開きます。experiment-list コマンド引数には、実験名、実験グループ名、またはその両方を空白で区切って指定します。

複数の実験または実験グループをコマンド行に指定できます。その中に派生実験を持つ実験を指定すると、すべての派生実験が自動的に読み込まれますが、派生実験のデータは表示されません。個々の派生実験を読み込むには、それぞれの実験を明示的に指定するか、実験グループを作成する必要があります。

実験グループを作成するには、collect ユーティリティーの -g 引数を使用できます。実験グループを手動で作成するには、最初の行が次のようなプレーンテキストファイルを作成します。

#analyzer experiment group

このあとの行に実験の名前を追加します。ファイルの拡張子は、erg である必要があります。

また、「アナライザ」ウィンドウの「ファイル」メニューを使って、実験や実験グループを追加することもできます。ファイル選択用ダイアログではディレクトリとして実験を開くことはできないため、派生プロセスについて記録された実験を開くには、「実験を開く」ダイアログボックスまたは「実験を追加」ダイアログボックスにファイル名を入力する必要があります。

ただし、複数の実験の表示では、読み込み方法に関係なく、すべての実験のデータが集計されます。

「実験を開く」ダイアログボックスまたは「実験を追加」ダイアログボックスのいずれかで名前をシングルクリックすることで、読み込む実験や実験グループをプレビューできます。

また、次のようにコマンド行から、実験を記録するためにパフォーマンスアナライザを起動することもできます。


% analyzer [Java-options] [control-options] target [target-arguments]

アナライザによってパフォーマンスツールの「収集」ウィンドウが開かれ、指定したターゲットとその引数、および実験を収集するための設定が表示されます。詳細は、「実験の記録」を参照してください。

アナライザオプション

これらのオプションはアナライザの動作を制御し、次の 3 つのグループに分類されます。

Java オプション

-j | --jdkhome jvm-path

アナライザを実行するための JVM ソフトウェアへのパスを指定します。-j オプションを指定しなかった場合、JVM へのパスを示す環境変数、JDK_HOMEJAVA_PATH をこの順序で調べることによってデフォルトのパスが最初に取得されます。どちらの環境変数も設定されていない場合、デフォルトパスは Sun Studio インストーラによって JavaTM 2 Software Development Kit がインストールされたパスになります。SDK がインストールされていない場合は、ユーザーの PATH 上に見つかった JVM が使用されます。デフォルトのパスをすべて無効にするには、-j オプションを使用します。

-J jvm-options

JVM オプションを指定します。

制御オプション

-f | --fontsize size

アナライザ GUI で使用するフォントサイズを指定します。

-v | --verbose

起動する前にバージョン情報と Java 実行時引数を出力します。

情報オプション

これらのオプションではパフォーマンスアナライザ GUI は起動されず、analyzer についての情報が標準出力に出力されます。次に示すオプションはそれぞれスタンドアロンのオプションで、ほかの analyzer オプションと組み合わせたり、target または experiment-list 引数と組み合わせることはできません。

-V | --version

バージョン情報を出力して終了します。

-? | --h | --help

使用方法に関する情報を出力して終了します。

アナライザのデフォルト設定

アナライザは、.er.rc というリソースファイルを使用して、起動時の各種設定のデフォルト値を決定します。システム全体のデフォルトファイル er.rc が最初に読み取られ、次にユーザーのホームディレクトリにある er.rc ファイル (存在する場合)、そして現在のディレクトリの er.rc ファイルが読み取られます。ホームディレクトリの .er.rc ファイル内のデフォルト値はシステムのデフォルト値よりも優先し、現在のディレクトリの .er.rc ファイル内のデフォルト値は、ユーザーのホームおよびシステムのデフォルト値よりも優先します。.er.rc ファイルは、アナライザと er_print ユーティリティーによって使用されます。ソースおよび逆アセンブリのコンパイラのコメントに適用する .er.rc 内の設定は、er_src ユーティリティーによっても使用されます。

.er.rc ファイルの詳細については、「アナライザのデフォルト設定」の節を参照してください。er_print コマンドを使用したデフォルト設定については、「デフォルト値を設定するコマンド」「パフォーマンスアナライザにのみデフォルト値を設定するコマンド」を参照してください。