Sun Studio 12: パフォーマンスアナライザ

メモリーオブジェクトリストを制御するコマンド

メモリーオブジェクトコマンドの適用対象となるのは、積極的なバックトラッキングが指定されたハードウェアカウンタの実験と、SPARC プラットフォームで使用できる -xhwcprof オプションを指定してコンパイルされたファイル内のオブジェクトだけです。詳細は、『Sun Studio 12: Fortran User’s Guide』『Sun Studio 12: C User’s Guide』、または『Sun Studio 12: C++ User’s Guide』を参照してください。

メモリーオブジェクトは、キャッシュ行、ページ、およびメモリーバンクなど、メモリーサブシステム内のコンポーネントです。このオブジェクトは、記録された仮想アドレスまたは物理アドレスから計算されたインデックスから決定されます。メモリーオブジェクトは、仮想ページおよび物理ページについて 8K バイト、64K バイト、512K バイト、および 4M バイトのサイズで事前定義されています。それ以外は、mobj_define コマンドで定義できます。

次のコマンドは、メモリーオブジェクトのリストを制御します。

memobj mobj_type

所定のタイプのメモリーオブジェクトと現在のメトリックのリストを出力します。メトリックはデータ空間のリストとして、ソートされ表示されます。名前 mobj_type を直接、コマンドとして使用することもできます。

mobj_list

memobj コマンド内で mobj_type に使用する、既知のタイプのメモリーオブジェクトのリストを出力します。

mobj_define mobj_type index_exp

新しいタイプのメモリーオブジェクトを、index_exp で指定されたオブジェクトへの VA/PA のマッピングを使用して定義します。式の構文については、「式の文法」に説明があります。

mobj_type は、定義済みであってはいけません。その名前は、全体が英数字または「_」文字から構成されている必要があり、1 文字目は英字である必要があります。

index_exp は、構文的に正しくなければいけません。構文的に正しくない場合はエラーが返され、定義は無視されます。

<Unknown> メモリーオブジェクトのインデックスは -1 です。また、新しいメモリーオブジェクトを定義するために使用する式は、<Unknown> の認識をサポートしている必要があります。たとえば、VADDR ベースのオブジェクトの場合、式は次の形式になっている必要があります。

VADDR>255?expression :-1

また、PADDR ベースのオブジェクトの場合、式は次の形式になっている必要があります。

PADDR>0?expression:-1