Oracle Solaris Studio 12.2: C ユーザーガイド

B.2.157 -xvector[= a]

ベクタライブラリ関数の呼び出しの自動生成や、SIMD (Single Instruction Multiple Data) 命令の生成ができます。このオプションを使用するときは -fround=nearest を指定することによって、デフォルトの丸めモードを使用する必要があります。

a は、次の指定と同じです。

表 B–43 -xvector のフラグ

値  

意味  

[no%]lib

コンパイラは可能な場合はループ内の数学ライブラリへの呼び出しを、同等のベクトル数学ルーチンへの単一の呼び出しに変換します [しません]。大きなループカウントを持つループでは、これによりパフォーマンスが向上します。(Solaris のみ) 

[no%]simd

コンパイラはネイティブ x86 SSE SIMD 命令を使用して特定のループのパフォーマンスを向上させます [させません]。ストリーミング拡張機能は、x86 で最適化レベルが 3 かそれ以上に設定されている場合にデフォルトで使用されます。サブオプション no%simd を使用すると、この機能を無効にできます。

コンパイラは、ストリーミング拡張機能がターゲットのアーキテクチャーに存在する場合、つまりターゲットの ISA が SSE2 以上である場合にのみ SIMD を使用します。たとえば、最新のプラットフォームで -xtarget=woodcrest、—xarch=generic64、-xarch=sse2、-xarch=sse3、または -fast を指定して使用できます。ターゲットの ISA にストリーミング拡張機能がない場合、このサブオプションは無効です。

yes

これは非推奨であり、代わりに -xvector=lib を指定します。

no

これは非推奨であり、代わりに -xvector=none を指定します。

デフォルトは、x86 では -xvector=simd で、SPARC プラットフォームでは -xvector=%none です。サブオプションなしで -xvector を指定すると、コンパイラでは、x86 では -xvector=simd,lib、SPARC (Solaris) では -xvector=lib、および -xvector=simd (Linux) が使用されます。

—xvector オプションを指定するには、最適化レベルが —xO3 かそれ以上に設定されていることが必要です。最適化レベルが指定されていない場合や —xO3 よりも低い場合はコンパイルは続行されず、メッセージが表示されます。