この章では、Sun Desktop Manager のサーバー側コンポーネントのインストール方法について説明します。
Desktop Manager は、Java Web Console 上で動作する Web ベースの管理ツールを提供します。このユーザーインタフェースにより、管理者が組織の階層をナビゲートしてデスクトップアプリケーションのポリシーを指定できます。このポリシーは、組織、役割、ユーザー、ドメイン、ホストなど、階層内の各項目に対して指定できます。Desktop Manager はいくつかの構成テンプレートを使用して、GNOME、Mozilla、StarSuite、Evolution などのさまざまなデスクトップアプリケーションに固有な設定を表示します。
Desktop Manager では、Java Web Console バージョン 2.2.5 以上がインストールされている必要があります。システムに有効なバージョンがインストールされていることを確認してください。有効なバージョンがインストールされているかどうかを確認するには、スーパーユーザー (root) になって、次のコマンドを実行します。
# smcwebserver status
Java Web Console 2.2.4 は SolarisTM 10 オペレーティングシステムに含まれますが、Desktop Manager にはバージョン 2.2.5 以上が必要です。バージョン 2.2.5 のコピーは、server/console ディレクトリ内の Desktop Manager アーカイブにあります。そのディレクトリ内にある ./setup を実行するとインストールできます。
Java Web Console がシステムにインストールされていない、またはインストールされているバージョンが Desktop Manager に有効でない場合は、第 4 章「Java Web Console」 の手順を参照して、Java Web Console を最初にインストールまたは更新してください。そのあとで、この章に戻り、Desktop Manager のインストールを続行してください。
Desktop Manager の zip アーカイブをダウンロードし、一時ディレクトリに内容を取り出します。
# unzip SunDesktopMgr-1.0.zip |
スーパーユーザー (root) になって、次のように設定スクリプトを実行します。
# cd SunDesktopMgr-1.0/<platform>/server/manager # ./setup |
設定スクリプトの出力でエラーを確認します。
インストールが正常に実行された場合、設定スクリプトは Java Web Console を自動的に再起動し、Web ブラウザで Desktop Manager にアクセスできるようになります。
次の URL をブラウザに入力します。
https://<hostname>.<domainname>:6789 |
ログイン画面で、既存の Unix ユーザーのユーザー名とパスワードを入力します。
Java Web Console が開きます。
コンソールアプリケーションの起動ページで、Desktop Manager のリンクをクリックします。
Desktop Manager を Java Web Console から削除するには、インストール用に作成した一時ディレクトリに移動して、スーパーユーザー (root) になり、次のコマンドを実行します。
# cd server/manager # ./setup -u |
Desktop Manager は、以前のバージョンの JavaTM Desktop System Configuration Manager (リリース 1.0 と 1.1) と互換性があります。ただし、注意する必要がある相違点がいくつかあります。
以前のバージョンの Configuration Manager では、プロファイルデータはすべて、指定した 1 台の LDAP サーバーに格納されました。この LDAP サーバーは、Configuration Manager インストール手順全体の一部として構成されました。これには、LDAP サーバーに対する認証をカプセル化する LDAP ログインモジュールの構成も含まれていました。
Desktop Manager では、必要な構成手順はすべてウィザードベースとなり、インストール中に何らかの構成を行う必要がなくなりました。Desktop Manager は、複数の構成リポジトリもサポートするようになりました。したがって、いくつもの異なる LDAP サーバーやファイルベースのリポジトリなどに格納されたポリシーデータを管理できます。特定の LDAP ログインモジュールを構成する必要はなくなりました。
異なるバージョン間での LDAP スキーマに変更はありません。以前のバージョンの Configuration Manager 用に LDAP サーバーをすでに構成している場合、Desktop Manager に切り換える際に必要な変更はありません。したがって、クライアント (Java Desktop System Configuration Manager 1.1. Agent) または LDAP 側を更新しないで、Desktop Manager を利用することができます。
Desktop Manager をインストールする前に、まず以前にシステムにインストールした Configuration Manager または Desktop Manager を削除してください。以前のインストールを削除するには、(スーパーユーザーとして) 次のコマンドを実行します。
# cd server/manager # ./setup -u |
Desktop Manager をインストールしたあとで、既存の LDAP サーバーを指す構成リポジトリを作成できます。
次の URL をブラウザに入力します。
https://<hostname>.<domainname>:6789 |
ログイン画面で、既存の Unix ユーザーのユーザー名とパスワードを入力します。
Java Web Console が開きます。
コンソールアプリケーションの起動ページで、SunTM Desktop Manager 1.0 のリンクをクリックします。
「新規作成」ボタンをクリックして構成リポジトリウィザードを起動します。
ウィザードに従って、LDAP ベースの構成リポジトリの構成に必要な手順を実行します。
ウィザードにより、既存のポリシーデータを新しい 2.0 形式に自動で移行できます。この移行は省略可能で、主に新しい SunTM Desktop Manager 1.0 エージェントの性能を向上するために使用できます。使用する環境において Java Desktop System Configuration Manager 1.1 エージェントをサポートする必要があるかぎり、この移行を実行しないでください。
症状: Java Web Console のインストールの最後に、登録されたアプリケーションがないためアプリケーションを起動できないことを示すメッセージが表示されます。
考えられる原因: Desktop Manager を含め、アプリケーションがインストールされていません。
解決方法: Desktop Manager をインストールしてから、Java Web Console を起動してください。
症状: http://<hostname>.<domainname>:6789 などの適切な URL を開こうとしたが、接続が拒否されたことを示すメッセージを受け取りました。
考えられる原因: サーバー上で Java Web Console が実行されていません。
解決方法: Java Web Console を起動するには、スーパーユーザーになって、次のコマンドを実行します。
#smcwebserver status #smcwebserver start |
症状: Java Web Console のログインページで、ユーザーとパスワードの組み合わせが拒否されます。
考えられる原因: 対応する UNIX ユーザーアカウントが存在しません。
解決方法: システム上で対応する UNIX ユーザー名とパスワードが構成されていることを確認してください。必要に応じて、テスト用にローカルの UNIX ユーザーアカウントを作成します。
症状: Java Web Console アプリケーションリストのページに、 Sun Desktop Manager のリンクが表示されません。
考えられる原因: Desktop Manager モジュールがインストールされていません。
解決方法: Desktop Manager が Java Web Console にインストールされているかどうかを確認するには、スーパーユーザーになって、次のコマンドを実行します。
# smreg list -a |
リストに com.sun.apoc.manager_<version> アプリケーションが含まれていない場合は、Desktop Manager をインストールする必要があります。
症状: Desktop Manager を起動したが、空白ページまたはエラーメッセージのみが表示されます。
考えられる原因: エラーが NoClassDefFoundError:sun/tools/javac/Main と表示される場合は、Java Web Console が間違ったバージョンの Java を使用しています。
解決方法: 現在の Java Web Console の Java 環境は、# smreg list -p コマンドを実行して、java.home プロパティーを調べることで確認できます。このプロパティーが有効な Java ホームを指している必要があり、そのホームは JDK である必要があります。この値の設定が正しくない場合は、次のコマンドを実行する必要があります。
# smreg add -p java.home=<JAVA_HOME> |
<JAVA_HOME> は、bin サブディレクトリに見られる javac など、有効なインストールを指す必要があります。
そのあとで、次のコマンドで Java Web Console を再起動する必要があります。
# smcwebserver restart |
症状: リポジトリ作成ウィザードで、「SSL の使用」チェックボックスを選択するなど、LDAP サーバーの詳細を入力したあとで、「次へ」を押すと、サーバーに接続できないことを示すメッセージが表示されます。
考えられる原因: 不正なポート番号が入力された、LDAP サーバーがそのポート上で SSL を使用する接続を待機するように構成されていない、または適切な証明書が Java Web Console キーストアにありません。
解決方法: 最初に、LDAP サーバーが、ウィザードで指定したポート上の SSL 接続要求を待機するように構成されていることを確認します。これが正しい場合、認証局または LDAP サーバー証明書のいずれかが、/etc/opt/webconsole/keystore に置かれている Java Web Console キーストアにあることを確認します。証明書は、keytool -import -file <certificate file> -keystore /etc/opt/webconsole/keystore コマンドで追加することができます。そのキーストアのデフォルトのパスワードは changeit です。その変更が Desktop Manager で表示されるようにするためには、smcwebserver restart コマンドを使用して、Java Web Console を再起動する必要があります。
症状: ファイルベースまたはハイブリットのバックエンドの作成中に、「ディレクトリに書き込めません。」エラーが表示されます。
考えられる原因: noaccess ユーザーには、正しいアクセス権がありません。
解決方法: noaccess ユーザーに書き込み権を割り当てます。