Desktop Manager は、「ツリー」 とも呼ばれる、4 つの異なる階層構造を取り扱います。Desktop Manager がどのように機能するかを理解するには、各種ツリーを区別することが重要です。
最初のツリーは「組織ツリー」 ( 図 5–1 のグレーの部分で、組織単位間の関係を表しています。このツリーの最初のレベルは組織自体を表します。その次のレベルは、たとえば部門や課を表すことができます。最後のレベルは、これらの部署のメンバーを表すことができます。
2 番目のツリーは「ドメインツリー」で、ドメインやホストなどのネットワーク要素間の関係を表しています。このツリーの最初のレベルは、ネットワーク全体を表します。その次のレベルは、たとえば各種サブネットを表し、最後のレベルはこれらのサブネット内の実際のホストを表します。
Desktop Manager では、上記の 2 つのツリーが現在 LDAP サーバーのコンテンツ (企業構造の代表的なリポジトリ) を解釈することによって取得されています。LDAP でツリー内の各場所は「要素」と呼ばれます。LDAP サーバー内のエントリは、Desktop Manager によって認識される要素、すなわち「組織」、「役割」、「ユーザー」、「ドメイン」、および 「ホスト」にマッピングされます。
3 番目のツリーは「構成ツリー」で、図 5–1 の青で表した部分です。構成ツリーは、バックエンドの構成設定を階層的にグループ化します。構成ツリーのトップレベルはコンポーネントです。コンポーネントは、1 つのソフトウェアコンポーネントを構成する構成設定で構成されています。コンポーネントの下にある要素はすべてノードかプロパティーです。ノードにはノードまたはプロパティーを含むことができます。プロパティーには構成設定が含まれています。構成設定のそれぞれはパスで表されます。たとえば、org.openoffice.Office.Common/ExternalMailer/Program は、「Common」コンポーネントの下の「External Mailer」ノードにある「Program」構成設定を表します。
組織ツリーとドメインツリーの各要素は独自の構成ツリーを持つことができるため、「ツリーのツリー」が 2 つ になります (構成ツリーが含まれた組織ツリーと、構成ツリーが含まれたドメインツリー)。
4 番目のツリーは「構成プロファイルツリー」で、図 5–1 の黄色の部分です。構成プロファイルツリーは、参照や編集がしやすいように構成設定を視覚的に分類するために使用します。これは、構成ツリーの階層から完全に独立した階層を定義して行います。構成プロファイルツリーに表示される実際の値は、構成ツリーの構成設定の場所を参照して取得されます。図 5–1 の矢印を参照してください。このようにすると、GUI とバックエンドのデータの異なる設計要件を分離できます。たとえば、構成設定の位置はバックエンドよりも GUI の方が早く変わります。
構成プロファイルツリーのトップレベルにはアプリケーションがあり、次のレベルはそのアプリケーションの各種モジュールやサブモジュール、最後のレベルは実際の構成設定に対応しています。多数のオプションを処理する StarSuite
TM や Mozilla
のような構成システムでも同様に表されます。たとえば、HomeUrl オプションは「設定」ダイアログの
Mozilla/Navigator/HomeUrl にあります。
このマニュアルで紹介する各種ツリーは、『Sun Desktop Manager 1.0 管理ガイド』 に含まれているものとは異なります。Desktop Manager を使用するうえで、構成ツリーと構成プロファイルツリーという 2 種類のツリーに関する知識は不要のため、管理者ガイドでは構成ツリーについては触れていません。