Sun Identity Manager の概要

アプリケーションサーバーの高可用性化

Identity Manager をアプリケーションサーバークラスタ内で実行すると、クラスタで提供される可用性や負荷分散を利用することができます。ただし、Identity Manager はクラスタ化で必要な J2EE 機能を使用しません。

Identity Manager は、Servlet API を通して利用できる HTTP セッションオブジェクトを使用します。このセッションオブジェクトは、ユーザーがログインしたりアクションを実行したときに、ユーザーのアクセスを追跡します。クラスタ環境では、セッション中にユーザーの要求を複数のノードに処理させることもできます。ただし、通常はこのような処理を推奨しません。ほとんどのインストールでは、同一セッションにおけるユーザーの要求は、すべて同じサーバーに送信するように設定されます。

クラスタを設定しなくても、Identity Manager を実行するアプリケーションサーバーに可用性や機能を追加することができます。このためには、Identity Manager を実行する複数のアプリケーションサーバーをインストールし、これらのアプリケーションサーバーを同じリポジトリに接続して、すべてのアプリケーションサーバーの前に「セッションアフィニティー」を設定したロードバランサを配置します。


注 –

セッションアフィニティーについては、「セッションアフィニティーとセッション持続性に関する FAQ」を参照してください。


Identity Manager は、スケジュールされた調整タスクなど、特定のタスクをバックグラウンドで実行します。これらのタスクはデータベースに格納され、任意の Identity Manager サーバーによって実行可能です。別のノードへのフェイルオーバーが必要な場合でも、Identity Manager はデータベースを使用して、常にこれらのタスクが最後まで実行されることを保証します。

アプリケーションサーバーノードでの Active Sync クラスタ化の設定

Waveset.properties ファイルの sources.hosts の設定は、複数インスタンス環境で Active Sync 要求の実行にどのホストを使用するかを制御します。この設定では、ソースアダプタを実行できるホストのリストを提供します。この設定に localhost または null を指定すると、ソースアダプタは Web ファームの任意のホストで実行できます (デフォルト)。リストに 1 つまたは複数のホストを指定すると、アダプタの実行をリストの内容に制限できます。特定のホストを使用するように、別のシステムから更新を受け取った場合は、sources.hosts 設定を使用してホスト名を記録します。

また、sources. resourceName.hosts という名前のプロパティーを定義して、リソースの Active Sync タスクをどこで実行するかを制御できます。resourceName は、指定するリソースオブジェクトの名前で置き換えてください。