Sun Identity Manager 8.1 ビジネス管理者ガイド

データエクスポータの維持

この節では、データエクスポータの状態を追跡する方法を説明します。この情報は、次のトピックで構成されています。

データエクスポータの監視

エクスポータが設定されて動作可能になったら、継続的な動作の確認のためにエクスポータの監視を行うことを選択できます。エクスポータには、エクスポータがどのように動作しているかを判断する場合に役立つ JMX Beans がいくつか用意されています。これらの JMX Beans には、エクスポータの平均読み取り/書き込みレート、内部メモリーキューの現在/最大のサイズ、および持続的なキューのサイズについての統計情報が含まれます。エクスポータでは、エクスポート中に監査レコードも作成されます。 各データタイプの 1 サイクルごとに 1 つのレコードが作成されます。監査レコードには、そのタイプのレコードがエクスポートされた数や、エクスポートの所要時間が含まれます。

データエクスポータには、エクスポータの監視を行う次の JMX 管理 Beans が用意されています。

表 16–2 JMX 管理 Beans

Beans の名前  

説明  

DataExporter 

現在キューにあるエクスポートの数と、キューの上限についての情報を格納しています。 

DataQueue 

現在キューにありキャッシュされているエクスポートの数と、キャッシュへの到着レートについての情報を格納しています。 

ExporterTask 

Identity Manager からのエクスポートの読み取り数、ウェアハウスに対する書き込み数、読み取りと書き込みのレート (レコード数/秒)、およびエラーの数についての情報を格納しています。 

通常の Identity Manager の操作中にエクスポートレコードをキューテーブルに入れるように、データエクスポータを設定できます。キューは、場合によっては多数のレコードに応じて拡張し、サーバーの再起動後も保持する必要があるため、Identity Manager リポジトリ内のテーブルによって保持されます。一般的にリポジトリへの書き込みは、通常の Identity Manager 操作の速度を低下させるため、レコードがリポジトリ内で持続可能になるまで、キューは少量のメモリーキャッシュを使用してメモリー内にレコードをバッファーします。

DataQueue MBean 属性は、1 台の Identity Manager サーバー上でメモリーのキューに入れられたレコードの最大数を表示するように計画できます。バランスのとれたシステムでは、メモリーキャッシュ内のレコード数が少なく、数がすばやくゼロに向かうはずです。この数が大きくなったり (数千単位)、数秒以内にゼロに戻らなかったりすることが観察される場合、リポジトリの書き込みパフォーマンスを調査する必要があります。

ExportTask MBeans には、2 種類のエラー数の情報が含まれています。 1 つが読み取り、もう 1 つが書き込みのエラーです。これらの数はゼロであるべきですが、特に書き込み中には、エラーが発生することがある理由がいくつか存在します。もっともよくある書き込みエラーは、エクスポートされたデータがウェアハウスのテーブル列内に入らないことから発生します。 これは一般的に、文字列のオーバーフローです。エクスポートされる文字列データにはサイズの限度がないものがあります。 この場合、エクスポートテーブル列に上限が設定されている必要があります。

監視ログ

Identity Manager には、「監査ログ」および「システムログ」というサイズ制限のない 2 セットのオブジェクトがあります。データエクスポータは、ログテーブルに関連するメンテナンスの問題のいくつかに対処しています。

監査ログ

Identity Manager は不変の監査レコードを監査ログに書き込み、実行する操作の監査証跡の履歴として提供します。Identity Manager はこれらのレコードを特定のレポートで使用します。また、レコードのデータは管理者インタフェースに表示できます。しかし、監査ログは限度なく拡大しますが、あまり速くない速度で拡大するため、配備担当者はいつ監査ログの切り捨てを行うかを判断する必要があります。データエクスポータの前に、切り捨てに先立ってレコードを保持したい場合は、リポジトリからテーブルをダンプする必要があります。データエクスポータが有効にされていて、ログレコードをエクスポートするよう設定されている場合、古いレコードはウェアハウスに保持され、Identity Manager が必要に応じて監査テーブルを切り捨てることがあります。

システムログ

システムログは、監査ログと同じ不変のプロパティーを持っていますが、通常、監査ログと同じ頻度では生成されません。データエクスポータはシステムログをエクスポートしません。システムログを切り捨てて古いレコードを保持するには、リポジトリ内のテーブルをダンプする必要があります。