Identity Manager 製品をアップグレードするには、次のいずれかの方法を使用できます。
Identity Manager インストーラプログラムを使用します (「Identity Manager インストーラの使用法」を参照)。
Identity Manager の手動アップグレードプロセスを使用します (「手動によるアップグレード」を参照)。
両方の方法の結果は同じです。
一部の環境では、手動アップグレード手順が望ましい場合があります。たとえば、次のとおりです。
繰り返し可能なアップグレード手順の一部として、アップグレードをフルに自動化する場合
本稼働環境へのアクセスが制限されている場合やコンソールを起動できない場合
Identity Manager 製品のアップグレードにより、Identity Manager リポジトリオブジェクト、および .jsp ファイル、Identity Manager 製品の JAR、他社製の JAR などファイルシステムの一部のアーティファクトが変更されることがあります。.
Identity Manager 製品をアップグレードするときには、次の点に注意してください。
インストールメディアから実際に使用する場所にファイルをコピーする場合、idm.war と install.class のファイルを同じディレクトリに入れる必要があります。
アップグレード時には、Identity Manager サーバーを 1 台のみ使用して update.xml をインポートし、Identity Manager サーバーを 1台のみ稼働します。
アップグレード中にほかの Identity Manager サーバーを起動する場合は、それらのサーバーを停止して再起動してから、使用可能な状態にする必要があります。
アプリケーションサーバーが、UNIX® システムを実行するマシンにインストールされている場合は、ディレクトリを $WSHOME/bin ディレクトリに変更し、次のコマンドを実行して、このディレクトリ内のスクリプトを実行可能にします。
chmod -R +x *
UNIX 環境では、次のいずれかの位置に install ディレクトリがあること、およびそのディレクトリに書き込む権限があることを確認します。
/var/opt/sun/install
/var/sadm/install
以前インストール済みのホットフィックスは $WSHOME/ patches/HotfixName ディレクトリにアーカイブされています。
アップグレードプログラムには、アップグレード前処理ステップ、アップグレードステップ、アップグレード後処理ステップの3つのステップがあります。アップグレード後処理ステップは個別の Java 仮想マシンで実行され、このステップのデフォルトのヒープサイズは 1024 Mバイトです。アップグレード時にメモリ不足の例外が発生する場合は、この値を高く設定してください。カスタム値を設定するには、—Xmx <heap size> の書式を使用して、 JAVA_OPTS 環境変数を設定します。「heap size」は、2048m のような値です。たとえば、-Xmx2048m のように指定します。
Identity Manager のインストールおよびアップグレードのプログラムを使用して、開発環境をアップグレードします。
インストーラを起動するには、次のいずれかの方法を使用します。
GUI インストーラを使用するには、 install.bat ( Windows) または install (UNIX) を実行します。
インストーラの開始画面が表示されます。
nodisplay モードでインストーラを起動するには、ソフトウェアのあるディレクトリに移動して、次のコマンドを入力します。
インストーラの開始テキストが表示され、次に GUI インストーラと同じ順序で、インストール情報を収集するための質問リストが表示されます。
ディスプレイ装置がない場合は、インストーラはデフォルトで nodisplay オプションを使用します。
インストーラは、ソフトウェアの旧バージョンを新バージョンの後にインストールしません。この場合、エラーメッセージが表示され、インストーラは終了します。
開始画面の「次へ」をクリックします。
「Install or Upgrade?」画面の「アップグレードする」を選択して、「次へ」をクリックします。
「インストールディレクトリを選択します」画面で、Identity Manager の旧バージョンがあるディレクトリを選択して、「次へ」をクリックします。
インストーラにアップグレード前処理とアップグレード後処理の進捗バーが表示され、その後「インストール構成の確認」画面に進みます。
インストールの詳細については、「詳細」をクリックしてログファイルを表示し、その後「閉じる」をクリックしてインストーラを終了します。
アプリケーションサーバーの作業ディレクトリからコンパイル済みの Identity Manager ファイルをすべて削除します。
一部の環境では、Identity Manager のインストールおよびアップグレードのプログラムを使用せずに、手動でアップグレードを実行する場合があります。
JAVA_HOME 環境変数を必ず設定してください。
JAVA_HOME ディレクトリの bin ディレクトリを、必ずパスに入れてください。
以前インストール済みのホットフィックスは、 $WSHOME/patches/HotfixName ディレクトリにアーカイブされます。
この節の操作方法は、Identity Manager を Tomcat アプリケーションサーバーにインストールする場合のものです。使用しているアプリケーションサーバーにより、多少異なるコマンドの使用が必要な場合があります。
アプリケーションサーバーに固有の操作方法については、『Sun Identity Manager 8.1 Installation』のパート II「Installing Identity Manager」の該当する章を参照してください。
サポートする Windows プラットフォームで Identity Manager を手動でアップグレードするには、次の手順を実行します。
アプリケーションサーバーと Gateway を停止します。.
Identity Manager のデータベースを更新します。
次のコマンドを入力して、環境を設定します。
set ISPATH=Path-to-install-software set WSHOME=Path-to-Identity-Manager-Installation OR Staging-Directory set TEMP=Path-to-Temporary-Directory |
Identity Manager のインストールディレクトリへのパスにスペースがある場合は、次の例に示すように、WSHOME 環境変数を二重引用符 (") で囲まずに指定する必要があります。
パスにスペースがない場合でも、パスを指定するときには、末尾にバックスラッシュ (\) を使用しないでください。
set WSHOME=c:\Program Files\Apache Group\Tomcat 6.0\idm |
または
set WSHOME=c:\Progra~1\Apache~1\Tomcat~1\idm |
次のパスの指定は正しくありません。
set WSHOME="c:\Program Files\Apache Group\Tomcat 6.0\idm" |
mkdir %TEMP% cd /d %TEMP% jar -xvf %ISPATH%\IDM.WAR\ WEB-INF\lib\idm.jar WEB-INF\lib\idmcommon.jar set TMPLIBPTH=%TEMP%\WEB-INF\lib set CLASSPATH=%TMPLIBPTH%\idm.jar;\ %TMPLIBPTH%\idmcommon.jar; java -classpath %CLASSPATH% -Dwaveset.home=%WSHOME%\ com.waveset.install.UpgradePreProcess |
ソフトウェアをインストールします。
cd %WSHOME% jar -xvf %ISPATH%\IDM.WAR |
java -classpath %CLASSPATH% -Dwaveset.home=%WSHOME% com.waveset.install.UpgradePostProcess |
アップグレードの後処理ステップは、個別の Java 仮想マシンで実行されます。このステップのデフォルトのヒープサイズは 1024 Mバイトです。 このステップでメモリ不足の例外が発生する場合は、ヒープサイズの最大値を高く設定してください。カスタム値を設定するには、—Xmx <heap size> の書式を使用して、JAVA_OPTS 環境変数を設定します。「heap size」は、2048m のような値です。たとえば、-Xmx2048m のように指定します。
インストーラは、デフォルトの Configurator アカウントの名前が変更されていたり、アカウントが削除されていたり、無効になっていたりするインストール環境に対してもアップグレードインストールをサポートしています。
アップグレードの後処理で、 update.xml をインポートするために、インストーラはユーザー名とパスワードの入力を要求します。ユーザー名またはパスワードが正しく入力されない場合、正しいユーザー名またはパスワードを入力するように要求されます (最大 3 回)。このエラーは、インストーラのテキストボックスに表示されます。
手動インストールの場合、 -U username -P password のフラグを指定して、認証情報を UpgradePostProcess 手続きに渡す必要があります。
ステージングディレクトリにインストールした場合は、アプリケーションサーバーへの配備用 .war ファイルを作成します。
アプリケーションサーバーの作業ディレクトリから Identity Manager のファイルを削除します。
サポートする UNIX プラットフォームで Identity Manager を手動でアップグレードするには、次のステップを実行します。
アプリケーションサーバーと Gateway を停止します。.
Identity Manager のデータベースを更新します。
export ISPATH=Path-to-Install-Software export WSHOME=Path-to-Identity-Manager-Installation-or-Staging Directory export TEMP=Path-to-Temporary-Directory |
mkdir $TEMP cd $TEMP jar -xvf $ISPATH/idm.war \ WEB-INF/lib/idm.jar WEB-INF/lib/idmcommon.jar CLASSPATH=$TEMP/WEB-INF/lib/idm.jar:\ $TEMP/WEB-INF/lib/idmcommon.jar: java -classpath $CLASSPATH -Dwaveset.home=$WSHOME \ com.waveset.install.UpgradePreProcess |
ソフトウェアをインストールします。
cd $WSHOME jar -xvf $ISPATH/idm.war |
java -classpath $CLASSPATH -Dwaveset.home=$WSHOME com.waveset.install.UpgradePostProcess |
アップグレードの後処理ステップは、個別の Java 仮想マシンで実行されます。このステップのデフォルトのヒープサイズは 1024 Mバイトです。 このステップでメモリ不足の例外が発生する場合は、ヒープサイズの最大値を高く設定してください。カスタム値を設定するには、—Xmx <heap size> の書式を使用して、JAVA_OPTS 環境変数を設定します。「heap size」は、2048m のような値です。たとえば、-Xmx2048m のように指定します。
インストーラは、デフォルトの Configurator アカウントの名前が変更されていたり、アカウントが削除されていたり、無効になっていたりするインストール環境に対してもアップグレードインストールをサポートしています。
アップグレードの後処理で、 update.xml をインポートするために、インストーラはユーザー名とパスワードの入力を要求します。ユーザー名またはパスワードが正しく入力されない場合、正しいユーザー名またはパスワードを入力するように要求されます (最大 3 回)。このエラーは、インストーラのテキストボックスに表示されます。
手動インストールの場合、 -U username -P password のフラグを指定して、認証情報を UpgradePostProcess 手続きに渡す必要があります。
ディレクトリを $WSHOME/bin/solaris または $WSHOME/bin/linux に変更し、そのディレクトリ内のファイルを実行できるように、それらのファイルのアクセス権を設定します。
ステージングディレクトリにインストールした場合は、アプリケーションサーバーへの配備用 .war ファイルを作成します。
アプリケーションサーバーの作業ディレクトリから Identity Manager のファイルを削除します。
アップグレード時に問題が発生した場合は、$WSHOME/patches/ logs ディレクトリにあるアップグレードのログファイルをチェックします。ログファイルの名前は、アップグレードのタイムスタンプとステージに基づきます。