デフォルトでは、Siebel CRM アダプタでのアカウントプロビジョニングには Employee Siebel ビジネスオブジェクトの Employee Siebel ビジネスコンポーネントが使用されます。ただし、アカウントプロビジョニングにどの Siebel ビジネスオブジェクトのどの Siebel ビジネスコンポーネントを使用するかを、アダプタに設定できます。
異なるビジネスオブジェクトを使用するには、「アカウントビジネスオブジェクト」リソースパラメータを、それに応じた設定にします。
異なるビジネスコンポーネントを使用するには、「アカウントビジネスコンポーネント」リソースパラメータに目的のビジネスコンポーネントの名前を設定します。
指定したビジネスオブジェクトに含まれるビジネスコンポーネントを指定してください。
Siebel Tools Client を使用して、ビジネスコンポーネントを検査し、プロビジョニングに使用可能な属性を確認できます。デフォルトのスキーママップには、デフォルトの Employee ビジネスコンポーネントで利用できる一般的な属性がいくつか含まれています。
Siebel 環境を管理するために属性の追加、削除、または変更が必要になることがあります。特に、デフォルト以外のビジネスオブジェクトやビジネスコンポーネントを使用するようにアダプタを設定した場合は、その可能性が高くなります。
次の手順は、Siebel Tools クライアントを使用して、Identity Manager が Siebel 環境に対してプロビジョニングできる属性を検索する基本的な方法を示します。
Siebel Tools の Object Explorer を開きます。
「Business Component」アイコンをクリックします。
スクロールダウンするか、またはクエリーを作成して、目的のビジネスコンポーネントを選択します。
Object Explorer 内で「Fields」を選択します。
そのビジネスコンポーネントで使用可能なフィールドのリストが表示されます。
Object Explorer に表示されるフィールドの「Name」列の値は、通常、設定した Siebel CRM リソースのスキーママップ内の右側 (リソースユーザー属性) で使用されます。
一般に、これらのフィールドはどれでもある程度まで管理できます。ただし、複数値フィールドや選択リストフィールドを管理する場合は、次に示すように、異なる形式でスキーママップの右側に指定してください。
複数値フィールドの場合: 右側には field@@ keyAttr の形式を使用する必要があります。各表記の意味は次のとおりです。
field は、複数値フィールドの名前を表します。
keyAttr は、複数値リストの各項目を一意に識別するために使用する、関連付けられた複数値ビジネスコンポーネント内のフィールドの名前を表します。
例: Position@@Name
選択リストフィールドの場合: 右側には field!! keyAttr の形式を使用する必要があります。各表記の意味は次のとおりです。
field は、選択リストフィールドの名前を表します。
keyAttr は、選択リストの項目を一意に識別するために使用する、関連付けられた選択リストビジネスコンポーネント内のフィールドの名前を表します。
例: Employee Organization!!名前
複数値グループ (MVG) に、第一として指定された単一のメンバーがすでに含まれている場合、アダプタは次のアクションを実行します。
受信する MVG に、Identity Manager に現在定義されている値とは異なる単一の値が含まれている場合は、新しい値が挿入され、第一としてマークされます。このとき、以前の値は Identity Manager から削除されます。
第一以外の値が追加された場合、デフォルトでは、第一の値はそのまま変わりません。
現在 MVG に複数の値があり、そのうちの 1 つが第一として指定されている場合は、次のようになります。
第一以外の値がセットから削除された場合、現在の第一が第一のままになります。
MVG の値セットが新しい単一の値で置き換えられた場合は、新しい単一の値が挿入されて第一として指定されます。このとき、以前の値はすべて削除されます。
第一以外の値が追加された場合、デフォルトでは、第一の値はそのまま変わりません。
複数の値が存在する場合に第一マーカーを既存の値から新しい値に移動するには、スキーママップにアカウント属性を追加してください。この属性の名前は、「Primary MVG_Name”」の形式にする必要があります。MVG_Name は、Employee Organization Id や Position などの値です。したがって、その属性は、Primary Employee Organization Id や Primary Position のような名前になります。その後、ユーザーフォームで、Primary 属性に目的の値を設定します。
Siebel CRM アダプタの高度なナビゲーション機能を使用すると、子ビジネスコンポーネントを作成および更新できます。これは、Identity Manager に通常は実装されない高度な機能です。
高度なナビゲーション機能により、子ビジネスコンポーネントの作成および更新に必要な次の情報を任意で指定できます。
ビジネスオブジェクト名
親ビジネスコンポーネント名
親検索属性
ターゲットビジネスコンポーネント
ターゲット検索属性
インスコープ属性 (ビジネスコンポーネントで設定/更新対象となる属性)
オプションの協働動作 (co-action)
作成および更新動作時に、高度なナビゲーション規則を使用できます。この規則はほかの種類の動作には使用できません。
Siebel CRM アダプタの高度なナビゲーション機能を実装するには、次の作業を実行してください。
右側のリソースユーザー属性の名前が PARENT_COMP_ID となっているスキーママップに属性を追加します。
デバッグページを使用して、リソースの XML に次の ResourceAttribute を手動で追加します。
<ResourceAttribute name=’AdvancedNavRule’ displayName=’Advanced Nav Rule’ value=’MY_SIEBEL_NAV_RULE’> </ResourceAttribute>
MY_SIEBEL_NAV_RULE を有効な規則名に置き換えてください。
高度なナビゲーション規則を記述します。この規則には、次の 2 つの変数が存在するようにしてください。
resource.action。この値は create または update のいずれかにする必要があります。
resource.objectType。通常のアカウント保守の場合、この値は account になります。
この規則から、次の名前と値のペアが 1 つ以上含まれるマップを返す必要があります。
属性 |
定義 |
---|---|
busObj |
ビジネスオブジェクトの名前。 |
parentBusComp |
busObj の親ビジネスコンポーネントの名前。このビジネスコンポーネントの最初の修飾された (parentSearchAttr を参照) レコードに移動することで、ビジネスオブジェクトのコンテキストが更新されます。 |
parentSearchAttr |
parentBusComp で検索フィールドとして使用する属性。検索する値は、リソースユーザー属性名が PARENT_COMP_ID の属性に対する値として存在している必要があります。 |
busComp |
作成または更新するファイナルビジネスコンポーネントの名前。作成の場合、このビジネスコンポーネントの新規レコードがビジネスオブジェクト内に作成されます。更新の場合、このビジネスコンポーネントの最初の修飾された (searchAttr を参照) レコードに移動することで、更新するビジネスコンポーネントレコードが選択されます。 |
searchAttr |
busComp で検索フィールドとして使用する属性。検索する値はユーザーのアカウント ID です。 |
attributes |
設定または更新される busComp 内のフィールドセットを指定する文字列のリスト。このリストは、実行されるアクション用にリソースのスキーママップで定義された属性よりも優先されます。 |
coAction |
要求されたアクション (resource.action) が create の場合、作成後すぐに更新も実行するようにアダプタに指示するには、coAction の値に update を指定します。Create では設定できない必須フィールドがあり、そのために create を論理的に完了するには update も実行する必要がある場合、この指定が必要になることがあります。resource.action が create で、coAction が update に設定されていないかぎり、この属性は無視されます。 |
ナビゲーション規則の例については、$WSHOME/sample/rules/SiebelNavigationRule.xml を参照してください。