Logical Domains 1.2 管理ガイド

NIU ハイブリッド I/O の使用

仮想 I/O フレームワークは、機能およびパフォーマンスを向上させるために、「ハイブリッド」I/O モデルを実装しています。ハイブリッド I/O モデルでは、ダイレクト I/O および仮想化 I/O を組み合わせることで、仮想マシンへの柔軟な I/O リソース配備が可能になっています。これは、仮想マシンに対してダイレクト I/O の機能が十分に提供されない場合、または仮想マシンが持続的にあるいは一貫してダイレクト I/O を利用できない場合に特に便利です。この状況は、リソースの可用性または仮想マシンの移行が原因で発生する可能性があります。ハイブリッド I/O アーキテクチャーは、Sun UltraSPARC T2 ベースのプラットフォームでのチップに統合されたネットワーク I/O インタフェースであるネットワークインタフェースユニット (NIU) に適しています。これにより、ダイレクトメモリーアクセス (DMA) リソースを仮想ネットワークデバイスに動的に割り当てることができ、ドメイン内のアプリケーションのパフォーマンスが安定します。

NIU ハイブリッド I/O は、Sun UltraSPARC T2 ベースのプラットフォームで使用できます。この機能は、仮想ネットワーク (vnet) デバイスに提供されるオプションのハイブリッドモードによって有効になります。このモードでは、DMA ハードウェアリソースが、パフォーマンスを向上させるために、ゲストドメインの vnet デバイスに貸し出されます。ハイブリッドモードでは、ゲストドメインの vnet デバイスは、この DMA ハードウェアリソースを使用して、外部ネットワークとゲストドメインの間で、ユニキャストトラフィックを直接送受信することができます。同じシステム内の他のゲストドメインへのブロードキャストトラフィックおよびユニキャストトラフィックは、仮想 I/O 通信機構を使用して引き続き送信されます。

図 7–6 ハイブリッド仮想ネットワーク接続

この図は、文章で説明しているハイブリッド仮想ネットワーク接続を示しています。

ハイブリッドモードは、NIU ネットワークデバイスを使用するように構成された仮想スイッチ (vsw) に関連付けられた vnet デバイスだけに適用されます。共有可能な DMA ハードウェアリソースには制限があるため、DMA ハードウェアリソースの割り当てを受けられるのは、一度に、1 つの vsw あたり最大 3 つの vnet デバイスのみです。4 つ以上の vnet デバイスでハイブリッドモードを有効にすると、割り当ては先着順に行われます。1 つのシステムに 2 つの NIU ネットワークデバイスがあるため、DMA ハードウェアリソースが割り当てられている 2 つの異なる仮想スイッチで、合計 6 つの vnet デバイスが存在できます。

この機能を使用する場合の注意事項は、次のとおりです。

ProcedureNIU ネットワークデバイスで仮想スイッチを構成する

  1. たとえば、NIU ネットワークデバイスを使用して仮想スイッチを構成するには、次の手順を実行します。

    1. NIU ネットワークデバイスを調べます。


      # grep nxge /etc/path_to_inst
      "/niu@80/network@0" 0 "nxge"
      "/niu@80/network@1" 1 "nxge"
    2. 仮想スイッチを構成します。


      # ldm add-vsw net-dev=nxge0 primary-vsw0 primary
      

Procedureハイブリッドモードを有効にする

  1. たとえば、作成中に vnet デバイスのハイブリッドモードを有効にします。


    # ldm add-vnet mode=hybrid vnet01 primary-vsw0 ldom01
    

Procedureハイブリッドモードを無効にする

  1. たとえば、vnet デバイスのハイブリッドモードを無効にします。


    # ldm set-vnet mode= vnet01 ldom01