Logical Domains 1.2 管理ガイド

仮想ディスクバックエンドオプション

仮想ディスクのバックエンドをエクスポートする際には、さまざまなオプションを指定できます。これらのオプションは、ldm add-vdsdev コマンドの options= 引数にコンマ区切りのリストとして指定します。有効なオプションは、roslice、および excl です。

読み取り専用 (ro) オプション

読み取り専用 (ro) オプションは、バックエンドが読み取り専用デバイスとしてエクスポートされることを指定します。その場合、ゲストドメインに割り当てられるこの仮想ディスクに対しては読み取り操作のアクセスのみが可能で、仮想ディスクへの書き込み操作は失敗します。

排他 (excl) オプション

排他 (excl) オプションは、サービスドメインのバックエンドを仮想ディスクとして別のドメインにエクスポートするときに、仮想ディスクサーバーによって排他的に開かれる必要があることを指定します。バックエンドが排他的に開かれると、サービスドメインのほかのアプリケーションがこのバックエンドにアクセスすることはできません。これによって、サービスドメインで動作するアプリケーションが、ゲストドメインでも使用されているバックエンドを誤って使用することはなくなります。


注 –

ドライバには excl オプションを受け入れないものもあるため、一部の仮想ディスクバックエンドを排他的に開くことが許可されません。excl オプションが物理ディスクおよびスライスで機能することはわかっていますが、このオプションはファイルでは機能しません。ディスクボリュームなどの擬似デバイスでは機能する場合と機能しない場合があります。バックエンドのドライバで排他的オープンが受け入れられない場合、バックエンドの excl オプションは無視され、バックエンドは排他的に開かれません。


excl オプションによって、サービスドメインで動作中のアプリケーションが、ゲストドメインにエクスポートされるバックエンドにアクセスできなくなるため、次の場合は excl オプションを設定しないでください。

デフォルトでは、バックエンドは排他的ではない状態で開かれます。このため、バックエンドが別のドメインにエクスポートされている間でも、サービスドメインで動作中のアプリケーションはこのバックエンドを使用できます。これは、Solaris 10 5/08 OS リリースから導入された新しい動作です。Solaris 10 5/08 OS より前のリリースでは、ディスクバックエンドは常に排他的に開かれ、バックエンドを排他的でない状態で開くことはできませんでした。

スライス (slice) オプション

通常、バックエンドは、その種類に応じてフルディスクまたは 1 つのスライスディスクのいずれかとしてエクスポートされます。slice オプションを指定すると、バックエンドは強制的に 1 つのスライスディスクとしてエクスポートされます。

このオプションは、バックエンドの raw コンテンツをエクスポートする場合に便利です。たとえば、データを格納済みの ZFS または SVM ボリュームがある場合に、ゲストドメインでこのデータにアクセスするには、slice オプションを使用して ZFS または SVM ボリュームをエクスポートする必要があります。

このオプションの詳細は、「仮想ディスクバックエンド」 を参照してください。