このリリースノートでは、今回のリリースの変更点、サポートされるプラットフォームのリスト、必要なソフトウェアとパッチの一覧、およびその他の関連情報について説明します。また、Logical Domains (LDoms) 1.2 ソフトウェアに影響するバグについても説明します。
Logical Domains 1.2 ソフトウェアは、OpenSolaris 2009.06 リリース以降の OpenSolarisTM OS でサポートされています。Logical Domains 1.2 のドキュメントでは、Solaris 10 OS での Logical Domains の使用法を中心に説明します。Logical Domains は、Solaris 10 OS と OpenSolaris OS の両方で同じ機能を使用できます。ただし、OpenSolaris OS で Logical Domains を使用する場合には、わずかに異なる点があることがあります。OpenSolaris OS については、OpenSolaris Information Center を参照してください。
今回のリリースの LDoms 1.2 ソフトウェアの主な変更点は、次のとおりです。
CPU Power Management のサポート。『Logical Domains 1.2 管理ガイド』の「CPU Power Management ソフトウェアの使用」 を参照してください。
ジャンボフレームのサポート。『Logical Domains 1.2 管理ガイド』の「ジャンボフレームの構成」 を参照してください。
制御ドメインへの遅延再構成処理の制限。『Logical Domains 1.2 管理ガイド』の「遅延再構成」 を参照してください。
ドメインの依存関係の構成のサポート。『Logical Domains 1.2 管理ガイド』の「ドメインの依存関係の構成」 を参照してください。
構成の自動回復のサポート。『Logical Domains 1.2 管理ガイド』の「Logical Domains 構成の管理」 を参照してください。
同じバックエンドの複数回のエクスポートのサポート。『Logical Domains 1.2 管理ガイド』の「仮想ディスクバックエンドを複数回エクスポートする」 を参照してください。
LDMD の検出をサポートする API。『Logical Domains 1.2 管理ガイド』の付録 B「Logical Domains Manager の検出」 を参照してください。
Physical-to-Virtual 移行ツールのサポート。『Logical Domains 1.2 管理ガイド』の付録 C「Logical Domains Physical-to-Virtual 移行ツール」 を参照してください。
Configuration Assistant ツールのサポート。『Logical Domains 1.2 管理ガイド』の付録 D「Logical Domains Configuration Assistant」 を参照してください。
バグの修正
前のバージョンの Logical Domains ソフトウェアに追加された機能については、「What's New in Logical Domains Software」 wiki を参照してください。
この節では、LDoms ソフトウェアを実行するためのシステム要件について説明します。
Logical Domains Manager 1.2 ソフトウェアは、次のプラットフォームでサポートされています。
UltraSPARC® T2 Plus ベースのサーバー
Sun SPARC Enterprise® T5140 および T5240 サーバー。『Sun SPARC Enterprise T5140 および T5240 サーバアドミニストレーションガイド』を参照してください。
Sun SPARC Enterprise T5440 サーバー。『Sun SPARC Enterprise T5440 サーバアドミニストレーションガイド』を参照してください。
Sun BladeTM T6340 サーバーモジュール。『Sun Blade T6340 Server Module Product Notes』を参照してください。
NetraTM T5440 サーバー。『Sun Netra T5440 Server Product Notes』を参照してください。
UltraSPARC T2 ベースのサーバー
Sun SPARC Enterprise T5120 および T5220 サーバー。『Sun SPARC Enterprise T5120 および T5220 サーバアドミニストレーションガイド』を参照してください。
Sun Blade T6320 サーバーモジュール。『Sun Blade T6320 Server Module Product Notes』を参照してください。
Netra CP3260 ブレード。『Netra CP3260 Board Product Notes』を参照してください。
Netra T5220 サーバー。『Sun Netra T5220 Server Product Notes』を参照してください。
UltraSPARC T1 ベースのサーバー
Sun FireTM または Sun SPARC Enterprise T1000 サーバー。『Sun Fire T1000 サーバー管理マニュアル』または『Sun SPARC Enterprise T1000 サーバアドミニストレーションガイド』を参照してください。
Sun Fire または Sun SPARC Enterprise T2000 サーバー。『Sun Fire T2000 サーバー管理マニュアル』または『Sun SPARC Enterprise T2000 サーバアドミニストレーションガイド』を参照してください。
Netra T2000 サーバー。『Netra T2000 サーバー管理マニュアル』を参照してください。
Netra CP3060 ブレード。『Netra CP3060 Board Product Notes』を参照してください。
Sun Blade T6300 サーバーモジュール。『Sun Blade T6300 サーバーモジュール管理マニュアル』を参照してください。
この節では、LDoms 1.2 ソフトウェアを使用するための必須のソフトウェアとパッチを示します。
LDoms 1.2 ソフトウェアのすべての機能を使用するには、すべてのドメインに少なくとも Solaris 10 5/09 OS と同等のオペレーティングシステムをインストールするようにしてください。次のいずれかの新規インストールまたはアップグレードを行うことができます。
OpenSolaris 2009.06 OS
Solaris 05 10/09 OS
パッチ ID 139555-08 が適用された Solaris 10 10/08 OS
パッチ ID 139555-08 が適用された Solaris 10 5/08 OS
パッチ ID 139555-08 が適用された Solaris 10 8/07 OS
パッチ ID 139555-08 が適用された Solaris 10 11/06 OS
Logical Domains 1.2 ソフトウェアは、OpenSolaris 2009.06 リリース以降の OpenSolaris OS でサポートされています。Logical Domains 1.2 のドキュメントでは、Solaris 10 OS での Logical Domains の使用法を中心に説明します。Solaris 10 OS と OpenSolaris OS の両方で、Logical Domains の同じ機能を使用できます。ただし、OpenSolaris OS で Logical Domains を使用する場合、わずかに異なる点があることがあります。OpenSolaris OS については、OpenSolaris Information Center を参照してください。
LDoms 1.2 ソフトウェアを使用するために必要な Solaris 10 5/09 のパッチを次に示します。X は、その特定の種類のドメインにパッチをインストールする必要があるかどうか示しています。ただし、パッチはすべてのドメインに適用できます。
このパッチリストには、最低限必要なパッチバージョンが示されています。同じパッチのあとのバージョンをインストールすることもできます。
パッチ ID |
制御ドメイン |
サービス -I/O ドメイン |
ゲストドメイン |
---|---|---|---|
141778-02 (コンソール vntsd) |
X |
|
|
139983-04 (ドメインサービス) |
X |
|
|
次の表に、すべての LDoms 1.2 の機能を有効にするために必要なソフトウェアの一覧を示します。
表 1–2 LDoms 1.2 の機能を有効にするために必要なソフトウェア
サポートされるサーバー |
システムファームウェア |
Solaris OS |
---|---|---|
UltraSPARC T2 Plus ベースのサーバー |
7.2.2 |
「必須および推奨される Solaris OS」 の構成のいずれか |
UltraSPARC T2 ベースのサーバー |
7.2.2 |
「必須および推奨される Solaris OS」 の構成のいずれか |
UltraSPARC T1 ベースのサーバー |
6.7.4 |
「必須および推奨される Solaris OS」 の構成のいずれか |
LDoms 1.2 ソフトウェアは、以前のバージョンのその他のソフトウェアコンポーネントとともに実行することが可能です。たとえば、1 台のマシンのさまざまなドメイン上で異なるバージョンの Solaris OS を動作させることができます。Logical Domains 1.2 のすべての機能を使用するには、使用している論理ドメインが、Solaris 10 5/09 および 表 1–1 に示すパッチを実行していることを確認してください。同じシステム上の各論理ドメインでは、異なる OS リリースを実行できます。前のバージョンの OS を実行しているドメインでは、Logical Domains 1.2 の一部の機能を使用できない場合があります。ただし、代替アップグレード方針として、制御ドメインとサービスドメインを Solaris 10 5/09 および 表 1–1 に示すパッチにアップグレードし、ゲストドメインは既存のパッチレベルで実行し続けることもできます。
次の表に、必須ソフトウェアの最小要件のバージョンを示します。LDoms 1.2 パッケージ SUNWldm は、少なくとも次のバージョンのソフトウェアを実行するシステムに適用できます。ソフトウェアの最小要件のバージョンは、プラットフォームに固有であり、マシンの CPU の要件に応じて異なります。特定の CPU タイプに対して最小要件となる Solaris OS のバージョンは、すべてのドメインタイプ (制御、サービス、I/O、およびゲスト) に適用されます。
表 1–3 ソフトウェアの最小要件のバージョン
サポートされるサーバー |
システムファームウェア |
Solaris OS |
---|---|---|
UltraSPARC T2 Plus ベースのサーバー |
7.1.x |
ID 127111-08 以降のパッチが適用された Solaris 10 8/07 |
UltraSPARC T2 ベースのサーバー |
7.1.x |
Solaris 10 8/07 |
UltraSPARC T1 ベースのサーバー |
6.6.x |
ID 124921-02、ID 125043-01、および KU 118833-36 以降のパッチが適用された Solaris 10 11/06 |
Logical Domains 1.2 のすべての機能を使用するには、使用しているサーバーが、少なくとも次に示すシステムファームウェアのパッチバージョンを実行していることを確認してください。
Sun Fire および Sun SPARC Enterprise T2000 サーバー
Sun Fire および Sun SPARC Enterprise T1000 サーバー
Netra T2000 サーバー
Netra CP3060 ブレード
Sun Blade T6300 サーバーモジュール
Sun SPARC Enterprise T5120 および T5220 サーバー
Sun Blade T6320 サーバーモジュール
Netra T5220 サーバー
Sun SPARC Enterprise T5140 および T5240 サーバー
Netra T5440 サーバー
Sun SPARC Enterprise T5440 サーバー
Sun Blade T6340 サーバーモジュール
ダウンロードする LDoms 1.2 ソフトウェアは、http://www.sun.com/ldoms で入手できます。
ダウンロードした LDoms_Manager-2_1.zip ファイルには次のものが含まれています。
Logical Domains Manager 1.2 ソフトウェア (SUNWldm.v)
ldm(1M) マニュアルページは SUNWldm.v パッケージに含まれています。このパッケージをインストールすると、マニュアルページもインストールされます。
Logical Domains Manager 1.2 ソフトウェアと Solaris Security Toolkit のインストールスクリプト (install-ldm)
Solaris Security Toolkit (SUNWjass)
Logical Domains Management Information Base (SUNWldmib.v)
Physical to Virtual 移行ツール (SUNWldmp2v)
Configuration Assistant GUI (Configurator.jar)
zip ファイルのディレクトリ構造は次のようになります。
LDoms_Manager-1_2/ Install/ install-ldm Legal/ 819-0764-10_SLA_Multi.pdf LDoms_1.2_DistributionREADME.txt LDoms_1.2_SLA&Entitlement(11June2009).txt Ldoms_MIB_1.0.1_Entitlement.txt Ldoms_MIB_1.0.1_SLA_Entitlement.txt Ldoms_MIB_1.0.1_TranslatedSLA.pdf Product/ Configurator/ Configurator.jar README.GUI SUNWjass SUNWldm.v SUNWldmib.v SUNWldmp2v README |
Solaris OS およびシステムファームウェアの必須パッチは、次の SunSolveSM サイトで入手できます。
『Logical Domains 1.2 管理ガイド』と『Logical Domains 1.2 リリースノート』は、次の Web サイトで入手できます。
http://docs.sun.com/app/docs/prod/ldoms
次の Sun Logical Domains Wiki には、LDoms ソフトウェアを配備するためのベストプラクティス、ガイドライン、および推奨事項が記載されています。
http://wikis.sun.com/display/SolarisLogicalDomains/Home
『Beginners Guide to LDoms: Understanding and Deploying Logical Domains』を参照すると、Logical Domains ソフトウェアの概要を理解することができます。ただし、このガイドの詳細は、厳密には 1.0 ソフトウェアリリースに適用されるもので、LDoms 1.2 ソフトウェアに対しては有効ではありません。このガイドは、次の Sun BluePrintsTM のサイトで入手できます。
http://www.sun.com/blueprints/0207/820-0832.html
この節では、LDoms ソフトウェアに関連するソフトウェアについて説明します。
Solaris Security Toolkit 4.2 ソフトウェア を使用すると、制御ドメインやその他のドメインで Solaris OS をセキュリティー保護することができます。詳細は 『Solaris Security Toolkit 4.2 Administration Guide』 および 『Solaris Security Toolkit 4.2 Reference Manual』 を参照してください。
Logical Domains 1.2 ソフトウェアは、セキュリティーサービスを提供する Solaris Security Toolkit (SST) バージョン 4.2 とバンドルされて提供されます。Sun は、Logical Domains の次回のリリース以降、Logical Domains ソフトウェアバンドルから SST を削除することを計画しています。
ただし、Logical Domains システムを強化するために、新しいバージョンの SST を引き続きダウンロードして使用できます。SST 5.0 は、Solaris 10 OS および OpenSolaris OS で使用できます。このプロジェクトに関する情報およびソースコードについては、http://opensolaris.org/os/project/sst/ のプロジェクトページを参照してください。
Logical Domains Management Information Base (MIB) ソフトウェアは、Sun 以外のアプリケーションを使用して遠隔監視やいくつかの制御操作を実行する場合に役立ちます。詳細は 『Logical Domains (LDoms) MIB 1.0.1 Administration Guide』 および 『Logical Domains (LDoms) MIB 1.0.1 Release Notes』 を参照してください。
LDoms ソフトウェア用の LDoms MIB ソフトウェアは、LDoms 1.0.1 以降のソフトウェアとともに動作します。
この節では、Logical Domains ソフトウェアと互換性があり、Logical Domains ソフトウェアとともに使用できるソフトウェアについて説明します。使用しているバージョンの LDoms ソフトウェアおよびプラットフォームで使用可能なソフトウェアのバージョン番号を、そのソフトウェアのドキュメントまたは使用しているプラットフォームのドキュメントで必ず確認してください。
SunVTS 機能は、特定の LDoms ソフトウェアリリースおよび特定のプラットフォーム上の制御ドメインとゲストドメインで使用可能です。SunVTSTM (Sun Validation Test Suite) は、Sun サーバーの大部分のハードウェアコントローラとデバイスの接続性および適切な機能を確認することによって、Sun のハードウェアのテストおよび検証を行う包括的な診断ツールを提供します。SunVTS の詳細は、『SunVTS 5.0 ユーザーマニュアル』を参照してください。
Sun Management Center 4.0 アドオンソフトウェアは、Logical Domains Manager ソフトウェアが有効になっている制御ドメインでのみ使用できます。Sun Management Center は、オープンで拡張可能なシステム監視および管理ソリューションです。このソフトウェアは、JavaTM Runtime Environment と一種の SNMP (ネットワーク管理用プロトコルの一種。Simple Network Management Protocol の略) を使用することで、Sun 製品とそのサブシステム、コンポーネント、および周辺デバイスの総合的で包括的な管理を企業規模で行うことができます。Sun Center 環境内のハードウェア監視のサポートは、適切なハードウェアサーバーモジュールのアドオンソフトウェアを使用して、ハードウェア構成および障害の報告に関する情報を Sun Management Center の管理サーバーとコンソールに提供することで実現されます。サポートされるサーバーでの Sun Management Center 4.0 の使用法に関する詳細は、『Sun Management Center 4.0 Release Notes 』を参照してください。
Sun Explorer Data Collector は、Logical Domains Manager ソフトウェアが制御ドメインで有効になっている場合に使用できます。Sun Explorer は診断データ収集ツールです。このツールは、シェルスクリプトといくつかのバイナリ実行可能ファイルで構成されています。Sun Explorer Data Collector の使用法に関する詳細は、『Sun Explorer User’s Guide 』を参照してください。
Solaris Cluster ソフトウェアは、LDoms 1.0.2 までの Logical Domains ソフトウェアリリースでは I/O ドメイン上でのみ使用できます。LDoms 1.0.3、1.1、および 1.2 ソフトウェアでは、Solaris Cluster ソフトウェアをゲストドメインで使用できますが、いくつか制限があります。制限および Solaris Cluster ソフトウェアの一般的な概要については、Solaris Cluster のドキュメントを参照してください。
次のシステムコントローラ (SC) ソフトウェアは、LDoms 1.2 ソフトウェアと対話します。
Integrated Lights Out Manager (ILOM) 3.0 ファームウェアは、Sun UltraSPARC T2 ベースのサーバープラットフォームの監視、管理、および設定を行うために使用できるシステム管理ファームウェアです。ILOM はこれらのプラットフォームにプリインストールされており、LDoms がサポートされ、Logical Domains Manager 1.2 ソフトウェアが有効になっているサーバーの制御ドメインで使用できます。ILOM をサポートする Sun のラックマウント型サーバーまたはブレードサーバーで共通の機能およびタスクについては、『Sun Integrated Lights Out Manager 3.0 ユーザーズガイド』を参照してください。使用しているサーバープラットフォームに固有な ILOM の機能およびタスクについては、ほかのユーザーマニュアルに記載されています。ILOM のプラットフォーム固有の情報は、使用しているシステムに付属のマニュアルセットで参照できます。
Advanced Lights Out Manager (ALOM) Chip Multithreading (CMT) Version 1.3 ソフトウェアは、Logical Domains Manager 1.0.1 ソフトウェアが有効になっている UltraSPARC T1 ベースのサーバーの制御ドメインで使用できます。『Logical Domains 1.2 管理ガイド』の「LDoms と ALOM CMT の使用」 を参照してください。ALOM システムコントローラを使用すると、サポートされている CMT サーバーの管理を遠隔で行うことができます。ALOM を使用すると、ネットワークを介して、あるいは端末または端末サーバーに接続されている専用のシリアルポートを使用して、サーバーの監視や制御を行うことができます。ALOM が提供するコマンド行インタフェースを使用すると、地理的に分散しているマシンまたは物理的にアクセス不可能なマシンを遠隔から管理できます。ALOM CMT Version 1.3 ソフトウェアの詳細は、『Advanced Lights Out Management (ALOM) CMT v1.3 ガイド』を参照してください。
Netra Data Plane Software Suite は、完全なボード用ソフトウェアパッケージソリューションです。このソフトウェアは、Sun CMT プラットフォームのマルチストランドパーティション分割ファームウェアの上部に、最適化された開発および実行環境を迅速に提供します。Logical Domains Manager には、このソフトウェアとともに使用する ldm サブコマンドとして、add-vdpcs、rm-vdpcs、add-vdpcc、および rm-vdpcc があります。このソフトウェアの詳細は、『Netra Data Plane Software Suite 2.0 User’s Guide 』 を参照してください。
この節では、LDoms 1.2 ソフトウェアに関する一般的な問題と固有のバグについて説明します。
この節では、固有のバグ番号よりも広い範囲で、LDoms ソフトウェアの今回のリリースに関して一般的に知られている問題について説明します。回避方法がある場合は、一緒に記載しています。
Logical Domains のドキュメントの説明では、サービスプロセッサ (SP) とシステムコントローラ (SC) という用語は同じ意味で使用されます。
次のカードは、LDoms 1.2 ソフトウェアリリースではサポートされていません。
Sun Dual Port 4x IB Host Channel Adapter PCI-X カード
Dual Port 4x PCI EXPRESS® Infiniband Host Channel Adapter - ロープロファイル
このようなサポートされていない構成が LDoms 1.2 とともに使用されている場合は、制御ドメインを再起動する前に、すべての論理ドメインを停止してバインドを解除してください。この操作を行わないと、システム内のアクティブな論理ドメインがすべて失われ、システムがクラッシュする可能性があります。
サービスドメインが Solaris 10 5/09 より前のバージョンの Solaris 10 OS で動作しており、このサービスドメインからゲストドメインに仮想ディスクとして物理ディスクスライスをエクスポートしている場合、このゲストドメインではその仮想ディスクが不適切なデバイス ID で表示されます。その後、このサービスドメインを Solaris 10 5/09 にアップグレードすると、このゲストドメインでは、仮想ディスクとしてエクスポートされた物理ディスクスライスはデバイス ID がない状態で表示されます。
仮想ディスクのデバイス ID を削除すると、仮想ディスクのデバイス ID を参照しようとするアプリケーションで問題が発生する可能性があります。特に、これが原因で Solaris Volume Manager (SVM) がその構成を確認できなくなったり、メタデバイスにアクセスできなくなったりする可能性があります。
回避方法: サービスドメインを Solaris 10 5/09 にアップグレードしたあとで、ゲストドメインでその SVM 構成またはメタデバイスを確認できない場合は、次の手順を実行してください。
ゲストドメインを起動します。
次の行を /kernel/dr/md.conf ファイルに追加して、SVM の devid 機能を無効にします。
md_devid_destroy=1; md_keep_repl_state=1; |
ゲストドメインを再起動します。
ドメインが起動したあとで、SVM 構成とメタデバイスが確認できるようになるはずです。
SVM 構成が正しいことを確認します。
手順 2 で追加した 2 行を /kernel/drv/md.conf ファイルから削除して、SVM の devid 機能を再度有効にします。
ゲストドメインを再起動します。
再起動時に次のようなメッセージが表示されます。
NOTICE: mddb: unable to get devid for 'vdc', 0x10 |
これらのメッセージは正常で、問題を報告するものではありません。
論理ドメインで使用できる LDC の数には制限があります。UltraSPARC T1 ベースのプラットフォームでは、この制限は 256 です。ほかのすべてのプラットフォームでの制限は 512 です。実際には、この制限が問題になるのは制御ドメインのみです。これは、制御ドメインには I/O サブシステムの少なくとも一部が割り当てられているためです。また、仮想 I/O データ通信と Logical Domains Manager によるその他の論理ドメインの制御の両方に対して多数の LDC が作成される可能性があるため、この制限が問題になる場合があります。
この節では、UltraSPARC T1 ベースのプラットフォームを使用した場合の例を示します。ただし、サポートされるほかのプラットフォームで制限を超えた場合でも、同じ動作になります。
サービスの追加やドメインのバインドを実行しようとすると LDC チャネルの数が制御ドメインで制限を超えるため、処理は失敗し、次のようなエラーメッセージが表示されます。
13 additional LDCs are required on guest primary to meet this request, but only 9 LDCs are available |
次のガイドラインによって、制御ドメインで LDC 機能がオーバーフローする可能性のある構成を作成することを防止できます。
制御ドメインは、ハイパーバイザ、障害管理アーキテクチャー (FMA)、およびシステムコントローラ (SC) とのさまざまな通信用に、12 個の LDC を割り当てます。これは、構成済みのほかの論理ドメインの数には依存しません。
制御ドメインは、制御ドメイン自身を含む各論理ドメインに対して、制御トラフィック用に LDC を 1 つ割り当てます。
制御ドメインの各仮想 I/O サービスは、そのサービスに接続されているクライアントごとに LDC を 1 つ使用します。
たとえば、制御ドメインが 1 つとそれ以外の論理ドメインが 8 つある場合について考えます。各論理ドメインには少なくとも次のものが必要です。
仮想ネットワーク
仮想ディスク
仮想コンソール
前述のガイドラインに従うと、次のような結果になります。丸括弧内の数字は、値の算出に用いた前述のガイドラインの番号に対応しています。
12 (1) + 9 (2) + 8 × 3 (3) = LDC の合計数 45
次に、ドメインの数が 8 ではなく 32 で、各ドメインに 3 つの仮想ディスク、3 つの仮想ネットワーク、および 1 つの仮想コンソールがある場合について考えます。この場合、数式は次のようになります。
12 + 33 + 32 × 7 = LDC の合計数 269
使用するプラットフォームでサポートされる LDC の数に応じて、Logical Domains Manager が構成を受け入れるか拒否するかが決まります。
Logical Domains ソフトウェアでは、ドメインの作成時にメモリーサイズの制限がありません。メモリーサイズの要件は、ゲストオペレーティングシステム特有のものです。Logical Domains の機能によっては、現在のメモリー容量が推奨サイズより少ないと動作しない場合があります。メモリーサイズの推奨要件と最小要件については、使用しているオペレーティングシステムのインストールガイドを参照してください。『Solaris 10 5/09 Installation Guide: Planning for Installation and Upgrade』の「System Requirements and Recommendations」 を参照してください。
OpenBootTM PROM では、ドメインの最小サイズに関する制限があります。現在、制限値は 12M バイトです。このサイズより小さいドメインが存在すると、Logical Domains Manager はそのドメインのサイズを自動的に 12M バイトに引き上げます。メモリーサイズの要件については、使用しているシステムファームウェアのリリースノートを参照してください。
使用しているプラットフォームに応じて、次の数のドメインを起動できます。
UltraSPARC T2 Plus ベースサーバーでは最大 128
UltraSPARC T2 ベースサーバーでは最大 64
UltraSPARC T1 ベースサーバーでは最大 32
未割り当ての仮想 CPU を使用できる場合は、それらをサービスドメインに割り当てて、仮想 I/O 要求の処理に役立てます。32 を超えるドメインを作成する場合は、サービスドメインに 4 ~ 8 個の仮想 CPU を割り当ててください。ドメインの最大構成ではサービスドメインに CPU が 1 つしか含まれない場合、ドメインを構成して使用する際は、この単一の CPU に余分な負荷を与えないようにします。仮想スイッチ (vsw) サービスは、マシンで使用できるネットワークアダプタ全体に接続する必要があります。たとえば、Sun SPARC Enterprise T5240 サーバーで 128 のドメインを起動する場合、4 つの vsw サービスを作成し、各サービスで 32 の仮想ネット (vnet) インスタンスを処理します。1 つの vsw サービスで 32 を超える vnet インスタンスを処理しないでください。1 つの vsw に 32 を超えるインスタンスを関連付けると、サービスドメインでハードハングが発生する可能性があるためです。
最大構成を実行するには、使用しているプラットフォームに応じて次の容量のメモリーをマシンに搭載して、ゲストドメインに適切なメモリー容量を割り当てられるようにする必要があります。
UltraSPARC T2 Plus ベースサーバーでは 128G バイトのメモリー
UltraSPARC T2 ベースサーバーでは 64G バイトのメモリー
UltraSPARC T1 ベースサーバーでは 32G バイトのメモリー
ゲストドメインのメモリーおよびスワップ空間の使用率は、そのドメインで使用する vsw サービスが、複数のドメインで多数の仮想ネットワークにサービスを提供する場合に増加します。これは、vswに接続するすべての vnet の間のピア・ツー・ピア接続によるものです。サービスドメインでは、追加のメモリーを設定すると役立ちます。64 を超えるドメインが動作する場合は、4G バイト以上にすることをお勧めします。10 以下のドメインをグループにまとめて起動し、起動が完了するまで待機してから次のグループを起動します。この方法は、ドメインにオペレーティングシステムをインストールする際にも適用されます。
最後に構成を SC に保存してから構成に変更を加えた場合は、Logical Domains システムの電源を切って再投入する前に、保持する必要のある最新の構成を必ず保存してください。
I/O ドメイン以外のすべてのドメインを停止して、バインドを解除します。
アクティブな I/O ドメインをすべて停止して、バインドを解除します。
primary
ドメインを停止します。
ほかにバインドされているドメインは存在しないため、ファームウェアは自動的にシステムの電源を切ります。
I/O ドメイン以外のすべてのドメインを停止して、バインドを解除します。
アクティブな I/O ドメインをすべて停止して、バインドを解除します。
primary
ドメインを再起動します。
ほかにバインドされているドメインは存在しないため、システムを再起動する前に、ファームウェアは自動的にシステムの電源を再投入します。システムの再起動時には、最後に保存された、または明示的に設定された Logical Domains 構成で起動します。
特定の状況では、Logical Domains Manager は、要求されたメモリー割り当てを 8K バイトまたは 4M バイトの倍数のいずれかに切り上げます。次の ldm list-domain -l コマンドの出力例では、制約値が実際に割り当てられるサイズより小さくなっていることがわかります。
Memory: Constraints: 1965 M raddr paddr5 size 0x1000000 0x291000000 1968M |
ドメイン化が有効になっていると、変数の更新は再起動の場合には保持されますが、電源を再投入した場合には、制御ドメインの OpenBoot ファームウェアから開始されるか、変数の更新後に SC に構成が保存されていないかぎり保持されません。
ここでは、次のような制御ドメインの再起動によって、システムの電源の再投入が開始される可能性があることに注意することが重要です。
バインドされているゲストドメインが存在せず、遅延再構成が進行中でない場合に制御ドメインが再起動すると、SC はシステムの電源を再投入します。
バインドされているゲストドメインまたはアクティブなゲストドメインが存在する場合 (または制御ドメインで遅延再構成が進行中の場合) に制御ドメインが再起動すると、SC はシステムの電源を再投入しません。
ドメインの LDom 変数は、次のいずれかの方法で指定できます。
OpenBoot プロンプトを使用する
Solaris OS の eeprom(1M) コマンドを使用する
Logical Domains Manager CLI (ldm
) を使用する
システムコントローラ (SC) から bootmode コマンドを使用して変更する。これは、限定的な方法で、factory-default 構成の場合のみで、かつ特定の変数しか変更できません。
これらいずれかの方法で更新された変数がドメインを再起動しても必ず保持されるようにすることが目標です。また、更新された変数がこのあと SC に保存されたすべての論理ドメイン構成に必ず反映されるようにします。
LDoms 1.2 ソフトウェアでは、更新された変数が期待どおりに保持されない場合がいくつかあります。
ドメイン化が有効になっていると、どの方法で変数を更新した場合でも、変数はそのドメインを再起動しても保持されます。ただし、システムの電源を再投入すると、新しい論理ドメイン構成が SC に保存されていないかぎり、更新された変数は保持されません。変数を更新する方法としては、OpenBoot ファームウェア、eeprom コマンド、および ldm コマンドを使用できます。ドメイン化は、UltraSPARC T1000 および T2000 システムが factory-default 構成で動作している場合を除き、デフォルトで有効になっています。また、制御ドメインでは、OpenBoot ファームウェアを使用した変数の更新は、システムの電源を再投入しても、つまり、あとで新しい論理ドメイン構成を SC に保存しなくても保持されます。
ドメイン化が有効になっていない場合、eeprom(1M) コマンドで指定された変数の更新は、primary ドメインを同じ factory-default 構成で再起動した場合には保持されますが、SC に保存された構成で再起動した場合は保持されません。逆に、この場合は、Logical Domains Manager で指定された変数の更新は再起動すると保持されませんが、SC に保存された構成には反映されます。
そのため、ドメイン化が有効になっていない場合に、同じ factory-default 構成で再起動しても変数の更新が保持されるようにするには、eeprom コマンドを使用します。変数の更新を、SC に新しく保存される論理ドメイン構成の一部として保存する場合は、適切な Logical Domains Manager コマンドを使用します。
あらゆる場合において、Logical Domains Manager で生成された構成から factory-default 構成に戻すと、すべての LDoms 変数はデフォルト値に戻ります。
これらの問題を解決するために、バグ ID 6520041、6540368、6540937、および 6590259 が報告されています。
Sun Simple Management Network Protocol (SNMP) Management Agent は複数ドメインをサポートしません。単一のグローバルドメインのみをサポートします。
UltraSPARC T1 プロセッサに基づくシステムで sysfwdownload ユーティリティーを Logical Domains 環境内から実行すると、実行時間が大幅に長くなります。LDoms ソフトウェアが有効な状態で sysfwdownload ユーティリティーを使用すると、この状況が発生します。
回避方法: このユーティリティーを使用する前に、LDoms ソフトウェアを無効にした状態で factory-default 構成で起動してください。
CPU の動的再構成 (DR) を使用した仮想 CPU の電源切断は、プロセッサセット、資源プール、またはゾーンの専用 CPU 機能とともに機能しません。
CPU Power Management をエラスティックモードで使用している場合、Solaris OS のゲストは電源が入っているドメインに割り当てられた CPU のみを確認できます。つまり、現在電源が管理されている CPU の数に応じて、psrinfo(1M) コマンドの出力が動的に変わります。これが原因で、プロセッサセットとプールで問題が発生します。プロセッサセットとプールではそれらのセットへの割り当てが可能になるように実際の CPU ID を静的にする必要があります。また、ゾーンの専用 CPU 機能に影響を及ぼす場合もあります。
回避方法: Power Management ポリシーをパフォーマンスモードに設定します。
ドメインは、起動中、停止中、ok プロンプトの表示中、またはカーネルデバッガの実行中は移行状態になります。ゲストドメインが移行状態かどうかを判断するには、ldm list コマンドを使用します。このコマンドの出力で、移行状態のすべてのドメインに t フラグが表示されます。その他のドメインで CPU Power Management を有効にするには、移行状態のゲストドメインを起動するか、または ldm stop コマンドを使用してゲストドメインを停止します。
FMA および CPU の電源管理に関して、いくつかの問題があります。エラスティックモードで動作中の CPU に障害が発生した場合、障害が発生した CPU が回復するまでパフォーマンスモードに切り替えてください。障害が発生したすべての CPU が回復したら、エラスティックモードを再度使用できます。
障害が発生したリソースの詳細は、OpenSolaris の「Fault Management」Web ページ を参照してください。
primary ドメインが遅延再構成状態にある場合、CPU の電源は、primary ドメインが再起動したあとに管理されます。つまり、primary ドメインが再起動して遅延再構成状態がクリアされるまで、そのドメインが高負荷で使用されている場合は CPU Power Management によって別の CPU が追加でオンラインになることはありません。
エラスティックモードのソースマシンまたはターゲットマシンに対するドメインの移行はサポートされていません。パフォーマンスモードで移行が行われており、Power Management ポリシーがエラスティックモードに設定されている場合、ポリシーの切り替えは移行が完了するまで遅延されます。ソースマシンまたはターゲットマシンのいずれかがエラスティックモードの場合にドメインの移行を試みると、migration コマンドはエラーを返します。
Power Management 機能が動作するには、動的な CPU DR が必要です。そのため、ドメインに暗号化装置がバインドされる場合は、Integrated Lights Out Management (ILOM) の Power Management 機能を使用しないでください。現在、Solaris OS での暗号化 DR のサポートでは、ゲストの再起動を行わない CPU DR はサポートされていません。
この節では、このバージョンのソフトウェアを使用するときに発生する可能性があるバグの概要について説明します。バグの説明は、バグ ID の番号の順に記載されてい ます。利用できる回避方法および回復手順がある場合は、これも記載されています。
バグ ID 6447740: Logical Domains Manager がディスクパスとネットワークデバイスの妥当性検査を行いません。
ゲストドメインの構成に含まれているディスクデバイスが存在していないか、その他 の理由により使用できない場合、このディスクは仮想ディスクサーバー (vds) で使用 できません。しかし、Logical Domains Manager は、ドメインのバインド時や起動時に警告またはエラーを生成しません。
ゲストが起動を試みると、次のようなメッセージがゲストのコンソールに出力されます。
WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0: Timeout connecting to virtual disk server... retrying |
また、net-dev= プロパティーで指定したネットワークインタフェースが存在しないか、その他の理由により使用できない場合、仮想スイッチは物理マシンの外部と通信できなくなります。しかし、Logical Domains Manager は、ドメインのバインド時や起動時に警告またはエラーを生成しません。
エラーが発生したデバイスまたはボリュームにバインドされた仮想ディスクを所有しているドメインを停止します。
ldm rm-vdsdev コマンドを実行して、エラーが発生した仮想ディスクサービスデバイスを削除します。
ldm add-vdsdev コマンドを実行して、ボリュームの物理パスを修正します。
仮想ディスクを所有しているドメインを再起動します。
ゲストドメインの構成に含まれているディスクデバイスが Logical Domains Manager 以外のソフトウェアで使用されている場合 (たとえば、ディスクデバイスがサービスドメインにマウントされている場合)、そのディスクは仮想ディスクサーバー (vds) で使用できません。しかし、Logical Domains Manager は、ドメインのバインド時または起動時に、ディスクが使用中であるという警告を生成しません。
ゲストドメインが起動を試みると、次のようなメッセージがゲストのコンソールに出力されます。
WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0: Timeout connecting to virtual disk server... retrying |
バグ ID 6497796: まれに、boot-device などの Logical Domains 変数を eeprom(1M) コマンドを使用してゲストドメイン内から更新するのと同時に、Logical Domains Manager を使用して同じドメインに対して仮想 CPU の追加または削除を行うと、ゲストの OS がハングアップする場合があります。
回避方法: これらの 2 つの操作を同時に実行しないようにします。
回復方法: ldm stop-domain および ldm start-domain コマンドを使用して、ゲスト OS を停止してから起動します。
バグ ID 6506494: ldm stop-domain コマンドの動作がわかりにくい場合があります。
# ldm stop-domain -f ldom |
ドメインにカーネルモジュールデバッガの kmdb(1) プロンプトが表示されている場合、ldm stop-domain コマンドは失敗し、次のようなエラーが表示されます。
LDom <domain name> stop notification failed |
バグ ID 6510214: Logical Domains 環境では、ickey(1M) コマンドを使用して、Solaris OS 内から広域ネットワーク (WAN) 起動キーの設定または削除を行うことはできません。ickey
操作はすべて失敗し、次のようなエラーが表示されます。
ickey: setkey: ioctl: I/O error |
また、制御ドメイン以外の論理ドメインで OpenBoot ファームウェアを使用して設定された WAN 起動キーは、ドメインを再起動すると記憶されていません。これらのドメインでは、OpenBoot ファームウェアで設定したキーは 1 回の使用でのみ有効です。
バグ ID 6590259: この問題の概要は、「論理ドメイン変数の持続性」 で説明しています。
バグ ID 6533696: ネットワーク情報サービス (NIS) または NIS+ ネームサービスを使用するように構成されているシステムでは、Solaris Security Toolkit ソフトウェアに server-secure.driver が指定されていると、NIS または NIS+ が外部サーバーに接続できなくなります。NIS または NIS+ サーバーまたはマップマスターの名前を返す ypwhich(1) コマンドが、次のようなメッセージを表示して失敗した場合、この問題が発生していることが考えられます。
Domain atlas some.atlas.name.com not bound on nis-server-1.c |
Logical Domains Manager とともに使用する場合の Solaris Security Toolkit の推奨ドライバは ldm_control-secure.driver です。NIS および NIS+ はこの推奨ドライバで動作します。
ネームサーバーとして NIS を使用している場合、Solaris Security Toolkit プロファイル server-secure.driver は使用できません。これは、Solaris OS バグ ID 6557663 によって、ipnat.conf を使用すると IP フィルタでパニックが発生する可能性があるためです。ただし、規定の Solaris Security Toolkit ドライバである ldm_control-secure.driver は、NIS と互換性があります。
システムコントローラからシステムコンソールにログインし、必要に応じて次のように入力して ALOM モードに切り替えます。
# #. |
次のコマンドを ALOM モードで入力して、システムの電源を切ります。
sc> poweroff |
システムの電源を入れます。
sc> poweron |
ok プロンプトで次のように入力して、コンソールモードに切り替えます。
sc> console |
システムの電源を入れます。
ok boot -s |
ファイル /etc/shadow を編集します。
shadow ファイルの root エントリを次のように変更します。
root::6445:::::: |
システムにログインして、次のいずれかの処理を実行します。
ファイル /etc/ipf/ipnat.conf を追加します。
次のように、Solaris Security Toolkit を元に戻して、ほかのドライバを指定します。
# /opt/SUNWjass/bin/jass-execute -ui # /opt/SUNWjass/bin/jass-execute -a ldm_control-secure.driver |
バグ ID 6486234: 仮想ネットワークインフラストラクチャーでは、論理ドメインからの通信に対して余分なオーバーヘッドが追加されます。仮想ネットワークデバイスを介して送信されたすべてのパケットは、順に仮想スイッチに渡されます。次に、仮想スイッチはそのパケットを物理デバイス経由で送信します。パフォーマンスの低下は、スタック固有のオーバーヘッドにより発生します。
回避方法: 使用しているサーバーに応じて、次のいずれかの手順を実行します。
Sun Fire T1000 および T2000 サーバーなどの UltraSPARC T1 ベースのサーバーや、Sun SPARC Enterprise T5140 および T5240 などの Sun UltraSPARC T2+ ベースのサーバーでは、分割 PCI 構成を使用している論理ドメインに物理ネットワークカードを割り当てます。詳細は、『Logical Domains 1.2 管理ガイド』の「I/O ドメインと PCI EXPRESS バス」 を参照してください。
Sun SPARC Enterprise T5120 および T5220 サーバーなど、Sun UltraSPARC T2 ベースのサーバーでは、ネットワークインタフェースユニット (NIU) を論理ドメインに割り当てます。
バグ ID 6590259: ntpdate コマンドなどを使用して、論理ドメインの時刻または日付を変更すると、この変更はドメインを再起動しても保持されますが、ホストの電源を再投入した場合は保持されません。
回避方法: 時刻の変更を保持するには、時刻が変更された構成を SC に保存して、この構成から起動します。
バグ ID 6540368: この問題の概要は、「論理ドメイン変数の持続性」 で説明しています。この問題は制御ドメインにのみ影響します。
Bug ID 6544004: Emulex ベースのファイバチャネルホストアダプタ (Sun パーツ番号 375-3397) を含むゲストドメインを起動しようとすると、ok プロンプトに次のようなメッセージが表示されます。
ok> FATAL:system is not bootable, boot command is disabled |
回避方法: このアダプタは、Sun Fire T1000 サーバーの分割 PCI 構成では使用しないでください。
バグ ID 6549382: SunVTS を複数回起動および停止した場合に、SC の console コマンドを使用して SC コンソールからホストコンソールに切り替えを行うと、コンソールに次のいずれかのメッセージが繰り返し出力される可能性があります。
Enter #. to return to ALOM. Warning: Console connection forced into read-only mode |
回復方法: resetsc コマンドを使用して、SC をリセットします。
バグ ID 6589660: 仮想ディスクを使用しているゲストドメインまたは制御ドメインのいずれかが停止した場合、たとえば、ドメインでカーネルデバッガ (kmdb) が実行されている場合や、send break を実行して OpenBoot PROM が表示されている場合は、仮想ディスクのタイムアウトが機能しません。
回避方法: ありません。
バグ ID 6591844: CPU またはメモリーに障害が発生すると、影響を受けるドメインでパニックが発生し、再起動が行われる場合があります。ドメインの再起動中に、障害管理アーキテクチャー (FMA) が障害が発生したコンポーネントのリタイアを試みると、Logical Domains Manager はドメインと通信できなくなり、リタイアは失敗します。このような場合、fmadm faulty コマンドでは、このリソースは degraded (縮退) として表示されます。
回復方法: ドメインの再起動が完了するのを待機してから、次のコマンドを使用して制御ドメイン上で障害管理デーモン (fmd) を再起動し、FMA による障害イベントの再現を強制的に行います。
primary# svcadm restart fmd |
バグ ID 6603974: 動的ホスト構成プロトコル (DHCP) を使用している同一ネットワーク上で、ゲストドメインに 5 つ以上の仮想ネットワーク (vnet) を構成すると、ネットワークトラフィックの実行中に、ゲストドメインが最終的に応答しなくなることがあります。
回避方法: ip_ire_min_bucket_cnt および ip_ire_max_bucket_cnt に大きい値を設定します。たとえば、8 つのインタフェースを使用している場合は 32 に設定します。
回復方法: 問題のゲストドメイン (ldom) に対して、ldm stop-domain ldom コマンドを実行したあとで、ldm start-domain ldom コマンドを実行します。
バグ ID 6604253: Solaris 10 11/06 OS が動作しており、ストランドが 1 つしか設定されていない primary ドメインのドライバを強化する場合、primary ドメインを再起動するか、障害管理デーモン (fmd) を再起動すると、fmd がコアダンプを出力する場合があります。fmd のコアダンプはリソースのクリーンアップ中に行われ、FMA 診断には影響しません。
回避方法: primary ドメインにいくつかのストランドを追加します。次に例を示します。
# ldm add-vcpu 3 primary |
バグ ID 6629230: SC リセットのあとに、Solaris 10 11/06 OS 以降が動作している制御ドメイン上で scadm コマンドがハングアップすることがあります。SC のリセット後、システムは適切に接続を再確立できません。
回避方法: ホストを再起動して、SC との接続を再確立します。
回復方法: ホストを再起動して、SC との接続を再確立します。
バグ ID 6656033: 共通のコンソールグループを持つ Sun SPARC Enterprise T5140 および Sun SPARC Enterprise T5240 システムで、複数のゲストドメインを同時にネットインストールすると失敗します。
回避方法: それぞれ固有のコンソールグループを持つゲストドメインでのみネットインストールを実行してください。この障害は、ネットインストールを行う複数のドメイン間で共有される、共通のコンソールグループを使用するドメインでのみ発生します。
バグ ID 6694939: 場合によっては、prtdiag(1M) コマンドで一部の CPU が表示されないことがあります。
回避方法: CPU の正確な数を確認するには、psrinfo(1M) コマンドを使用してください。
バグ ID 6687634: Sun Volume Manager (SVM) ボリュームがディスクのブロック 0 を含むディスクスライスの先頭に構築されている場合、SVM はボリュームのブロック 0 への書き込みを禁止して、ディスクのラベルが上書きされないようにします。
ディスクのブロック 0 を含むディスクスライスの先頭に構築された SVM ボリュームがフル仮想ディスクとしてエクスポートされると、ゲストドメインはその仮想ディスクにディスクラベルを書き込めなくなります。このため、このようなディスク上には Solaris OS をインストールできなくなります。
回避方法: 仮想ディスクとしてエクスポートされた SVM ボリュームは、ディスクのブロック 0 を含むディスクスライスの先頭に構築しないでください。
さらに一般的なガイドラインとして、物理ディスクの最初のブロック (ブロック 0) で始まるスライスは、直接的にも間接的にも仮想ディスクとしてエクスポートしないでください。『Logical Domains 1.2 管理ガイド』の「ディスクスライスの直接的または間接的なエクスポート」 を参照してください。
バグ ID 6705823: Solaris 10 5/08 OS が動作しているサービスドメインによってサービスが提供されている任意のゲストドメインで、Solaris 10 8/07 OS のネットワーク起動を試みると、インストール中にゲストドメインでハングアップが発生することがあります。
回避方法: Solaris 10 8/07 OS ネットインストールイメージのミニルートにパッチ ID 127111-05 を適用します。
バグ ID 6713547: 暗号化装置を含む動的再構成 (DR) による変更は、LDoms ソフトウェアリリース以前のファームウェアと互換性がありません。この問題により、古いファームウェアが動作している UltraSPARC T1 ベースのシステムでは暗号化ハードウェアを使用できません。
バグ ID 6742805: CPU が 1 つのみでメモリーが大容量の構成では、ドメインの停止またはメモリーのスクラブに 15 分以上かかることがあります。停止の際、ドメインの CPU はそのドメインが所有するすべてのメモリーをスクラブするために使用されます。CPU が 1 つのみでメモリーが 512G バイトのドメインのように不均衡な構成では、スクラブの完了までに非常に長い時間がかかる場合があります。スクラブ時間が長くなると、ドメインの停止にかかる時間も長くなります。
回避方法: 100G バイトを超える大容量メモリー構成が、少なくとも 1 つのコアを持つようにします。これにより、停止時間が短縮されます。
バグ ID 6753219: primary ドメインに仮想スイッチを追加して再起動したあと、Elara Copper カードが取り付けられている場合には primary ドメインがハングアップします。
回避方法: サービスドメインの /etc/system ファイルに次の行を追加して再起動します。
set vsw:vsw_setup_switching_boot_delay=300000000 |
バグ ID 6753683: LDoms システムのコマンド行から uadmin 1 0 コマンドを実行すると、それ以降のリセットでシステムが OK プロンプトに戻らない場合があります。この誤った動作は、LDoms 変数 auto-reboot? が true に設定されている場合にのみ発生します。auto-reboot? が false に設定されている場合は、期待どおりに動作します。
回避方法: 代わりに次のコマンドを使用します。
uadmin 2 0 |
または、常に auto-reboot? を false に設定して実行するようにします。
バグ ID 6760933: アクティブな論理ドメインが、起動してから長時間が経過していたり、ドメイン移行の完了後であるにもかかわらず、「通常」の状態ではなく「移行」状態として表示されることがあります。この不具合が問題を引き起こすことはなく、ドメインは正常に動作しています。設定されているフラグを確認するには、ldm list -l -p コマンド出力の flags フィールドか、ldm list コマンドの FLAGS フィールドを確認します。このフィールドには、通常の状態の場合は -n----、移行状態の場合は -t---- と表示されます。
回復方法: 次回の再起動時に、論理ドメインは正しい状態が表示されるはずです。
バグ ID 6764613: マシンにネットワークが構成されていない場合にネットワーク情報サービス (NIS) クライアントが実行されていると、Logical Domains Manager がシステムで起動しません。
回避方法: ネットワークに接続されていないマシンでは NIS クライアントを無効にします。
# svcadm disable nis/client |
バグ ID 6765355: 新しい仮想ネットワーク (vnet) を論理ドメインに追加したときに、まれに、仮想スイッチを使用した接続を確立できないことがあります。この場合、論理ドメインとの間のネットワーク接続が失われます。このエラーが発生した場合は、仮想ネットワークインスタンスの /dev/vnetN シンボリックリンクが不足していることが確認できます。リンクが存在し、エラーが起きていない場合、リンクは次のように対応する /devices エントリを指します。
/dev/vnetN -> ../devices/virtual-devices@100/channel-devices@200/network@N:vnetN |
回避方法: 次のいずれかの手順を実行します。
vnet を論理ドメインに追加したときは、必ず論理ドメインの再起動 (boot –r) を実行します。
論理ドメインがすでに起動されている場合は、vnet を plumb する前に devfsadm(1M) コマンドを実行します。
バグ ID 6766202: CPU が 1 つしか構成されていないゲストドメインでカーネルモジュールデバッガの kmdb(1) プロンプトが表示されている場合に、そのドメインを別のシステムに移行すると、ターゲットシステムで再開したときにゲストドメインでパニックが発生します。
回避方法: ゲストドメインを移行する前に、kmdb シェルを終了し、::cont と入力して OS の実行を再開します。そのあとで、ゲストドメインを移行します。移行が完了したら、コマンド mdb -K を使用して kmdb を再度実行します。
バグ ID 6769808: Solaris 10 5/08 以前の OS が動作しているサービスドメインから Solaris 10 10/08 OS が動作しているゲストドメインに、単一スライスのディスクとして ZFS ボリュームをエクスポートしても、このゲストドメインではその仮想ディスクを使用できません。仮想ディスクへのアクセスはすべて失敗し、I/O エラーになります。
回避方法: サービスドメインを Solaris 10 5/09 にアップグレードします。
バグ ID 6772089: 特定の状況では、移行が失敗し、ソースドメインに必要なメモリーをバインドできなかったことが ldmd で報告される場合があります。これは、ターゲットマシンで使用可能なメモリーの合計容量がソースドメインで使用されているメモリー容量より多い場合でも発生することがあります。
この障害は、ソースドメインで使用されている特定のメモリー範囲を移行するには、ターゲットでもそれに対応するメモリー範囲が使用可能である必要があるために発生します。ソースのメモリー範囲に対応するメモリー範囲が見つからない場合、移行は続行できません。
回復方法: この状況が発生した場合は、ターゲットマシンのメモリー使用量を変更すると、ドメインを移行できるようになることがあります。この操作を行うには、ターゲットでバインドされている、またはアクティブな論理ドメインのバインドを解除します。
使用可能なメモリーとその使用状況を確認するには、ldm list-devices -a mem コマンドを使用してください。また、別のドメインへのメモリーの割り当て量を減らす必要があることもあります。
バグ ID 6772120: ターゲットマシンの仮想ディスクが、ソースマシンで使用されている同じディスクのバックエンドを指していない場合、移行されたドメインではそのディスクのバックエンドを使用して仮想ディスクにアクセスできません。そのドメインの仮想ディスクにアクセスすると、ハングアップする可能性があります。
現在、Logical Domains Manager では、仮想ディスクのボリューム名がソースマシンとターゲットマシンで一致していることのみを確認します。この場合、ディスクのバックエンドが一致していなくてもエラーメッセージは表示されません。
回避方法: 移行されたドメインを受信するようにターゲットドメインを構成する際、ディスクボリューム (vdsdev) がソースドメインで使用されているディスクのバックエンドと一致していることを確認します。
回復方法: ターゲットマシンで仮想ディスクデバイスが誤ったディスクのバックエンドを指していることがわかった場合は、次のいずれかの処理を実行します。
次の手順を実行します。
ドメインを移行してソースマシンに戻します。
ターゲットで vdsdev を修正し、正しいディスクのバックエンドを指すようにします。
ドメインをターゲットマシンに再度移行します。
ターゲットでドメインを停止し、バインドを解除して、vdsdev を修正します。OS で仮想 I/O 動的再構成がサポートされており、誤った仮想ディスクがドメインで使用中でない場合、つまり起動ディスクではなくマウントが解除されている場合は、次の手順を実行します。
ldm rm-vdisk コマンドを使用してディスクを削除します。
vdsdev を修正します。
ldm add-vdisk コマンドを使用して仮想ディスクを再度追加します。
バグ ID 6773569: ldm set-config コマンドを使用してから電源を再投入する方法で、ある構成から別の構成に切り替えを行うと、以前の構成で定義されたドメインが現在の構成にもアクティブでない状態で存在していることがあります。
これは、Logical Domains Manager の制約データベースが、構成の変更と同期がとれていないことが原因です。このようなアクティブでないドメインは、動作している構成に影響しないため、安全に削除できます。
バグ ID 6781589: 移行中、明示的に割り当てられたコンソールグループおよびポートはすべて無視され、デフォルトのプロパティーを持つコンソールがターゲットドメインに作成されます。このコンソールは、コンソールグループとしてターゲットドメイン名を使用し、制御ドメインの最初の仮想コンソール端末集配信装置 (vcc) デバイスの使用可能ポートを使用して作成されます。デフォルトのグループ名と競合する場合、移行は失敗します。
回復方法: 移行後に明示的なコンソールプロパティーを復元するには、ターゲットドメインのバインドを解除し、ldm set-vcons コマンドを使用して目的のプロパティーを手動で設定します。
バグ ID 6784945: Sun SPARC Enterprise T5440 システムでは、PCI バスの仮名 (ショートカット名) が正しくありません。
回避方法: Sun SPARC Enterprise T5440 システムで PCI バスを構成するには、次のリストコマンドの DEVICE 列に表示されるとおり、バス名に pci@xxxx という書式を使用する必要があります。
ldm list -l ldom
ldm list -o physio ldom
ldm list-devices
バグ ID 6787057: 複数の仮想スイッチ (vsw) を使用した 2 つ以上の仮想ネットワークデバイス (vnet) を持つゲストドメインで、進行中の移行を取り消すと、移行中のドメインは、OS が動作しているソースマシンで処理を再開するのではなく、再起動される場合があります。この問題は、すべての vnet が 1 つの vsw に接続されている場合には発生しません。
回避方法: 複数の仮想スイッチを使用した 2 つ以上の仮想ネットワークを持つドメインを移行する場合は、処理の開始後に、Ctrl-C または ldm cancel-operation コマンドを使用してドメインの移行を取り消さないでください。誤ってドメインの移行を行なった場合は、その移行が完了したあとで、ソースマシンに再度移行して戻すことができます。
バグ ID 6703127: 仮想入出力 (VIO) 動的再構成 (DR) 操作で、CLI コマンドの -f (強制) オプションが無視されます。
バグ ID 6736962: Power Management で、制御ドメインの起動後、LDoms の起動時にサービスプロセッサからポリシーを取得できないことがあります。CPU Power Management でサービスプロセッサから Power Management ポリシーを取得できなかった場合、LDoms は期待どおりに起動しますが、「Unable to get the initial PM Policy - timeout」というエラーが LDoms ログに記録され、パフォーマンスモードが保持されます。
/etc/system に「forceload: drv/ds_snmp」を追加してから、制御ドメインを再起動してください。
バグ ID 6703958: plumb、unplumb などのネットワークインタフェース関連の操作と並行して CPU の動的再構成 (DR) 操作を実行すると、まれにデッドロックが発生することがあります。
回避方法: ネットワークインタフェース関連の操作を避けることで、リスクを最小限に抑えてください。ドメインの起動中にこのデッドロックが発生する場合、ドメインを 2 つの CPU に設定してから再起動してください。
バグ ID 6759853: ok プロンプトが表示されているドメインで、LDoms ログに次のエラーメッセージが断続的に書き込まれることがあります。
fma_cpu_svc_get_p_status: Can't find fma_cpu_get_p_status routine error |
回避方法: 対象のドメインを起動します。
バグ ID 6848114: ldmconfig は、作成されたドメイン用の仮想ディスクの格納に必要な容量が十分にあるファイルシステムを持たないシステムに対して実行できます。この場合、エラーメッセージが発生します。□しかし、ldmconfig によって、構成を配備するために /ldoms/disks 内のディスクを使用し続けることができます。その結果、制御ドメインのルートファイルシステムがいっぱいになってシステムが停止する場合があります。
回避方法: 次の手順を実行します。
q または Ctrl-C を入力して·Configuration Assistant を終了します。
適切な容量のファイルシステムを追加します。
ldmconfig コマンドを再実行します。
バグ ID 6839787: Solaris 10 10/08 OS 以降を実行するゲストドメインが、Solaris 10 5/09 OS を実行する制御ドメインに対して適切なドメインサービス接続を行わない場合があります。
ドメインサービス接続により、動的再構成 (DR)、FMA、Power Management (PM) などの機能が有効になります。この問題はゲストドメインの起動時に発生するため、通常はゲストドメインを再起動することで解決します。
回避方法: ゲストドメインを再起動します。
バグ ID 6815015: このメッセージは無視できます。
バグ ID 6840800: 他の方法では使用可能な、壊れたか破損した自動保存構成をダウンロードできません。
回避方法: 破損していない別の自動保存構成または別の SP 構成を使用します。
バグ ID 6839685: 構成に対して行った変更を破棄するために保留中の遅延再構成処理を取り消しても、現在の自動保存構成で変更が保持されます。
回避方法: 構成に対して遅延再構成処理を開始する前に、現在の構成 config-name の既存の自動保存データを保存します。
# cd / # tar -cvf autosave.config-name.tar var/opt/SUNWldm/autosave-config-name |
遅延再構成処理を取り消したあと、保存した構成の自動保存データを復元します。
# cd / # rm -rf var/opt/SUNWldm/autosave-config-name # tar -xvf autosave.config-name.tar |
バグ ID 6846468: 現在、oldcfg 自動保存構成は削除され、newcfg は next poweron 構成に設定されます。oldcfg を current または next poweron としてマークしていた場合、それ以降の構成の変更により、oldcfg の自動保存構成が作成または更新されます。期待される動作は、oldcfg の自動保存構成は変更されずに保持され、newcfg の自動保存構成が作成されるという状態です。また、oldcfg が current または next poweron 構成の場合、このコマンドを使用したあとでもそのままの状態であることが期待されます。
バグ ID 6841421: 特定のメモリー構成では、ゲストドメインの作成が失敗し、次のエラーメッセージが表示されます。
Unable to bind memory; limit of 31 segments reached |
複数のメモリーセグメントは、さまざまな CMP プロセッサでメモリーの量が異なる場合に常に発生する一般的な状態です。しかし、現在の Logical Domains Manager の各バージョンは、それぞれのゲストドメインで最大 31 のメモリーセグメントしかサポートできません。
回避方法: この状態は、次の状況で発生することがあります。
ケース 1 – システムファームウェアが、1 つまたは複数の FB-DIMM に障害が発生したと判断した。
システムファームウェアが FB-DIMM をオフラインにした場合は、ただちに交換する必要があります。
無効になっている FB-DIMM モジュールを確認するには、ALOM 互換シェルで次のコマンドを入力してください。
sc> showcomponent |
出力の最後に、無効になっている FB-DIMM が一覧表示されます。
ケース 2 – 他のプロセッサよりもメモリーの量が大幅に多い 1 つまたは複数の CMP プロセッサがある。
それぞれのプロセッサで FB-DIMM の合計数と種類がなるべく等しくなるように、CMP プロセッサ間で FB-DIMM を再割り当てしてください。
ケース 3 – 使用しているシステムが T5440 で、CMP モジュールが 3 つあるか、モジュールが 2 つで CMP0 と CMP1 以外の場所にある。
4 つの CMP モジュールにアップグレードするか、2 つの CMP モジュールを移動してスロット CMP0 および CMP1 に配置することを検討してください。CMP モジュールをアップグレードまたは再配置したあとで、『Sun SPARC Enterprise T5440 サーバプロダクトノート』の「ノードの再構成」の指示に従ってください。このマニュアルは、docs.sun.com の Sun SPARC Enterprise T5440 Server Documentation collection にあります。
バグ ID 6697096: 特定の状況で ldm rm-io 操作のあとに複数回の ldm set-vcpu 操作を行うと、ldmd が異常終了して SMF によって再起動されることがあります。
回避方法: ドメインで ldm rm-io 操作を実行したあとで ldm set-vcpu 操作を試みる場合は注意してください。1 回目の ldm set-vcpu 操作は成功しますが、特定の状況下で 2 回目の ldm set-vcpu 操作を実行すると、ldmd デーモンがコアダンプを出力する場合があります。代わりに、2 回目の set-vcpu 操作を試みる前にドメインを再起動します。
バグ ID 6775847: ドメイン移行中にターゲットシステムで別のドメインを再起動すると、一定期間、システムでハングアップが発生したり、VCPU が 1 つだけになる場合があります。
このとき、ldm start および ldmm stop 操作の実行は防止されます。しかし、ゲストドメインで実行されている Solaris OS インスタンスでの reboot または init コマンドの実行は防止できません。
回避方法: マシンへの移行が進行している間、ターゲットシステムのドメインを再起動しないでください。
回復方法: この問題の症状が検出された場合は、ターゲットシステムで移行されたドメインを停止して再起動します。
バグ ID 6779482: 移行中のドメインに、ターゲットの MAC アドレスと一致する MAC アドレスを持つ仮想ネットワークデバイスが構成されている場合、適切な処理として移行は失敗します。しかし、同じ名前と構成を持つアクティブでない未処理のドメインがターゲットに残されます。
回避方法: ターゲットで ldm destroy を使用し、アクティブでないドメインを手動で削除します。次に、MAC アドレスが一意になるように修正してから、ふたたび移行を試みます。
バグ ID 6783450: ドメイン移行の予行演習チェック (-n) では、指定したドメインをバインドするのに十分な空きメモリーがターゲットシステムにあるかどうかは確認されません。その他のすべての条件が満たされていると、このコマンドでエラーは返されません。ただし、実際に移行を試みた際には正確にエラーが返されます。
回避方法: ターゲットマシンで ldm list-devices mem を実行し、移行するドメインに対して十分なメモリーが使用可能であることを確認します。
バグ ID 6836587: 仮想ネットワークまたは仮想ディスクデバイスをドメインに追加したあと、ifconfig でデバイスが存在しないと表示されることがあります。この状態は、/devices エントリが作成されていないために発生することがあります。
この状態は通常操作時には発生しませんが、仮想ネットワークデバイスのインスタンス番号が /etc/path_to_inst ファイルに示されているインスタンス番号と一致しない場合にこのエラーが検出されました。
次に例を示します。
# ifconfig vnet0 plumb ifconfig: plumb: vnet0: no such interface |
仮想デバイスのインスタンス番号は、ldm list の出力内の「DEVICE」列の下に表示されます。
# ldm list -o network primary NAME primary MAC 00:14:4f:86:6a:64 VSW NAME MAC NET-DEV DEVICE DEFAULT-VLAN-ID PVID VID MTU MODE primary-vsw0 00:14:4f:f9:86:f3 nxge0 switch@0 1 1 1500 NETWORK NAME SERVICE DEVICE MAC MODE PVID VID MTU vnet1 primary-vsw0@primary network@0 00:14:4f:f8:76:6d 1 1500 |
このインスタンス番号 (ここに示す vnet および vsw の場合は両方とも 0) と path_to_inst ファイルのインスタンス番号を比較して、両方の番号が確実に一致するようにすることができます。
# egrep '(vnet|vsw)' /etc/path_to_inst "/virtual-devices@100/channel-devices@200/virtual-network-switch@0" 0 "vsw" "/virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0" 0 "vnet" |
回避方法: インスタンス番号が一致していない場合、その仮想ネットワークまたは仮想スイッチデバイスを削除します。次に、id プロパティーを設定することで必要なインスタンス番号を明示的に指定し、削除した仮想デバイスをふたたび追加します。
/etc/path_to_inst ファイルを手動で編集することもできます。path_to_inst(4) マニュアルページを参照してください。
マニュアルページに記載されている「changes should not be made to /etc/path_to_inst without careful consideration」という警告に注意してください。
バグ ID 6845614: 破損した自動保存構成のほとんどのインスタンスで、Logical Domains Manager ログファイルに次の誤解を招くような警告メッセージが記録されます。
warning: Autosave config 'config-name' missing HV MD |
このメッセージが発生する実際の理由は、ゲストドメインまたは制御ドメインに破損した MD があるか、有効な MD が存在しないためです。
バグ ID 6833994: この問題により、60 を超えるゲストドメインを作成できません。この制限は、次の Solaris 10 OS のリリース時に解除される予定です。
バグ ID 6757486: ドメインの移行後、そのドメインのコンソールに接続できない場合があります。
回避方法: vntsd SMF サービスを再起動し、コンソールに接続できるようにします。
# svcadm restart vntsd |
このコマンドは、アクティブなすべてのコンソール接続を切断します。
バグ ID 6808832: Sun Fire T5240 などのシステムでは、専用 PCI-E ルートコンプレックスで最大 2 つのドメインを構成できます。このようなシステムには、2 つの UltraSPARC T2+ CPU と 2 つの I/O ルートコンプレックスが装備されています。
システムの 2 つのルートコンプレックスは、pci@500 と pci@400 です。primary ドメインには、少なくとも 1 つのルートコンプレックスが必ず含まれます。2 つめのドメインは、割り当てまたはバインドされていないルートコンプレックスを使用して構成できます。
pci@400 ファブリック (またはリーフ) には、オンボード e1000g ネットワークカードが備わっています。次の状況では、ドメインでパニックが発生する場合があります。
pci@500 を含む primary ドメインと pci@400 を含む 2 つめのドメインでシステムが構成されている
ブレードの種類によっては、primary ドメイン (システムディスク) がデフォルトで pci@400 バスに構成されています。
2 つめのドメインの起動に、pci@400 ファブリック上の e1000g デバイスが使用される
次のネットワークデバイスが primary 以外のドメインに構成されている場合、これらのデバイスを避けてください。
/pci@400/pci@0/pci@c/network@0,1 /pci@400/pci@0/pci@c/network@0 |
これらの条件に該当する場合、PCI-E の致命的エラーが発生し、そのドメインでパニックが発生します。
このような構成を避けるか、またはこのような構成を使用している場合は、示されているデバイスから起動しないでください。
バグ ID 6839284: 少なくとも 120G バイトのメモリーを備えた論理ドメインで、ldom stop または ldom stop -f コマンドを実行すると、操作がタイムアウトしたと通知されることがあります。stop 操作がタイムアウトしても、バックグラウンドで論理ドメインの停止処理は続行されます。
回避方法: 論理ドメインの停止処理は続行されるため、タイムアウト通知を無視できます。
バグ ID 6852685: Logical Domains 1.2 リリースから、遅延再構成処理は制御ドメインだけでサポートされます。しかし、Logical Domains Manager は、set-vdisk および set-vnet 操作でこの制限を適切に実施しません。これらの操作のいずれかをゲストドメインで実行すると、そのドメインは遅延再構成モードになります。
回避方法: set-vdisk または set-vnet 操作の結果、ゲストドメインが遅延再構成モードになった場合は、次の手順を実行します。
ldm cancel-operation reconf コマンドを使用して、保留中の遅延再構成を取り消します。
ゲストドメインを停止します。
ldm set-vdisk または ldm set-vnet コマンドを再実行します。
ゲストドメイン を起動します。
ドメインがすでに停止したか、遅延再構成モードで再起動された場合、保留中の構成がコミットされます。遅延再構成処理の使用に関する問題または制限の詳細は、『Logical Domains (LDoms) 1.1 Release Notes』 を参照してください。
バグ ID 6853273: システムが Power Management のエラスティックモードのときにゲストドメインを再起動しようとすると、次の警告メッセージが発生して正常に起動できない場合があります。
WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0: Sending packet to LDC, status: -1 WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0: Can't send vdisk read request! WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0: Timeout receiving packet from LDC ... retrying |
回避方法: このような警告が表示される場合、次の順序でいずれかの回避方法を実行します。
ゲストドメインで ok> プロンプトが表示され、入力が受け付けられる場合、「reset-all」と入力します。
制御ドメインで ldm stop domain-name コマンドを実行してから、ldm start domain-name コマンドを実行します。
Power Management モードをパフォーマンスモードに変更し、影響を受けたゲストドメインを停止してから起動したあとで、エラスティックモードに戻ります。
バグ ID 6852379: まれに、Power Management モードがエラスティックモードに設定されている場合に、起動中のドメインで、起動手順の非常に早い段階でパニックが発生し、次のいずれかのようなメッセージが表示されることがあります。
Boot device: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0 File and args: SunOS Release 5.10 Version Generic_139555-08 64-bit Copyright 1983-2009 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved. Use is subject to license terms. panic[cpu0]/thread=180e000: cpu1 failed to start (2) |
または
Boot device: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0 File and args: SunOS Release 5.10 Version Generic_139555-08 64-bit Copyright 1983-2009 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved. Use is subject to license terms. panic[cpu0]/thread=180e000: XC SPL ENTER already entered (0x0) |
影響: パニックは起動手順の非常に早い段階で発生します。これはアプリケーションまたはファイルシステムの起動前であるため、アプリケーションまたはファイルシステムには影響しません。ドメインは自動的に再起動するはずです。ドメインは、CR 6853590 のために再起動しない場合があります。「サービスを初期化できないとき、OpenBoot プロンプトで再起動が停止する」 を参照してください。
回避方法: ドメインが起動しない場合、次のいずれかを実行します。
システムがエラスティックモードのときに、影響を受けたドメインを停止してから起動します。
Power Management モードをエラスティックモードからパフォーマンスモードに変更し、ドメインを起動してから、システムをエラスティックモードに戻します。
バグ ID 6816969: 起動済みのドメインが移行モードとマークされることがあります。移行モードは、Solaris ドメインが起動中または停止中のモードです。いずれかのドメインが移行モードの場合、システムで CPU Power Management は実行されません。ドメインが移行モードのままの場合、いずれかのドメインに負荷が加わったときに CPU Power Management は実行されません。
回避方法: エラスティックモードからパフォーマンスモードに切り替えます。エラスティックモードに戻る場合は、移行モードのままのドメインを再起動します。
バグ ID 6854189: 動作中のゲストドメインへの仮想ディスクの追加が失敗した場合、操作の完了後に、そのゲストドメインで次のようなメッセージが表示されることがあります。
vdc: NOTICE: [5] Error initialising ports |
回避方法: ゲストドメインがこの状態になった場合、その動作中のゲストドメインに別の仮想ディスクを追加しても、システムにすぐに表示されないことがあります。この場合、devfsadm コマンドを実行し、システムで使用可能なデバイスが強制的に構成され、新しく追加した仮想ディスクが表示されるようにします。
バグ ID 6853590: 次に示す 1 つまたは複数のメッセージがコンソールに表示されたあと、論理ドメインの再起動処理が OpenBoot プロンプトで停止することがあります。
NOTICE: Unable to complete Domain Service protocol version handshake WARNING: Unable to connect to Domain Service providers WARNING: Unable to get LDOM Variable Updates WARNING: Unable to update LDOM Variable |
回避方法: OpenBoot プロンプトで、ドメインを手動で起動します。
バグ ID 6855079: いくつかのドメインが起動中の場合、ldm コマンドの応答が遅くなることがあります。この段階で ldm コマンドを実行すると、コマンドがハングアップしているように見える場合があります。ldm コマンドは、期待どおりのタスクを実行したあとで戻されます。コマンドが戻されたら、システムは通常どおり ldm コマンドに応答するはずです。
回避方法: 多くのドメインを同時に起動することを避けてください。ただし、いくつかのドメインを同時に起動する必要がある場合、システムが通常の状態に戻るまで新しい ldm コマンドを実行しないようにします。たとえば、Sun SPARC Enterprise T5140 および T5240 サーバーでは約 2 分間、Sun SPARC Enterprise T5440 サーバーまたは Netra T5440 サーバーでは約 4 分間待機します。
バグ ID 6846889: 制御ドメインまたはゲストドメインの再起動時に、再起動中の制御ドメインおよびゲストドメインのログに、次の警告メッセージが記録される場合があります。
WARNING: ds@0: ds_ldc_cb: LDC READ event while port not up |
回避方法: このメッセージは無視できます。
バグ ID 6855534: 制御ドメインの OS イメージを以前のリリースの Logical Domains からアップグレードする場合、制御ドメインで制約データベースファイルを必ず保持してください。『Logical Domains 1.2 管理ガイド』の「Logical Domains の制約データベースファイルの保存および復元」 を参照してください。
制約データベースを保持できなかった場合、実行中の構成と一致しない制約データベースを制御ドメインに移入しないでください。このような不一致がある場合、次に示すように、ldm list -l コマンドを実行すると、Logical Domains Manager が異常終了することがあります。
primary# ldm list -l ldg0 Invalid response primary# |
回避方法: 回復するには、アップグレードされた制御ドメインで既存のすべての制約データベースファイルを削除します。次に、svcadm restart ldmd コマンドを使用し、Logical Domains Manager を再起動して通常操作を再開します。
バグ ID 6837313: まれに、UltraSPARC T2 および UltraSPARC T2 Plus ベースのシステムで新しい CPU をドメインに追加すると、そのドメインでパニックが発生する場合があります。このパニックは、PCI バスを追加または削除したあとで CPU を追加する場合によく発生します。
影響: ドメインのパニックが発生すると、スタックトレースが出力されます。このスタックトレースには n2rng ドライバへの参照が含まれる場合があります。
回避方法: この問題は、n2rng ドライバが統計情報を格納する構造を初期化すると発生します。次に示すように、n2rng ドライバで統計情報の生成を無効にすることで、この問題を防ぐことができます。
/platform/sun4v/kernel/drv/n2rng.conf ファイルを編集し、次の行を追加します。
nostats=1; |
次のコマンドを実行し、n2rng ドライバを更新します。
# update_drv n2rng |
この節では、LDoms 1.2 のリリース後に見つかったドキュメントの誤りを示します。
バグ ID 6843196: 『Logical Domains (LDoms) MIB 1.0.1 管理ガイド』の 31 ページの「I/O バステーブル (IOBusTable)」に、誤ったパラメータ名が記載されています。
IOBusDevName は IOBusName、IOBusDevPath は IOBusPath となるべきです。
この節では、前回の LDoms ソフトウェアリリース以降に修正されたバグのリストを示します。
LDoms の次の改善要求 (RFE) およびバグは、Solaris 10 5/09 リリースでは修正されています。
Solaris、OpenSolaris、および LDoms リリースに関連する RFE およびバグは、OpenSolaris Bug Database で追跡できます。
vnet および vsw がジャンボフレームをサポートしていない
vds がディスクイメージ入出力を直列化する
VDC/VDS レイヤーに残された入出力によってハングアップが発生する
パフォーマンス向上のために、VIO ドライバは直接マップされた共有メモリーの d リング記述子を使用する必要がある
ファイルに関連付けられた仮想入出力の同期がとれている必要がある
ユーザープログラム API 用の LDoms ドメインサービスの拡張
動的な仮想ディスクサイズ管理
vdisk に対する uscsicmd によってセンスバッファーがオーバーフローする場合がある
マップ表の割り当て時に ldc_mem_bind_handle で競合状態が発生する
デバッグを有効にした場合に vgen_mdeg_cb でパニックが発生する
ldi インタフェースを使用してボリューム上のディスクイメージをエクスポートできない
ipmitool と同時に使用すると eeprom コマンドが失敗する
LDC の d リング取得/解放呼び出し時以外に、vds がインポートされた d リングにアクセスする
ldc_mem_unbind_handle が、無効なページサイズコードを page_get_shift() に渡す
mdb -K が LDoms (sun4v) システムで開始されるとパニックが発生する
vsw_dispatch_ctrl_task での vsw のメモリーリーク
論理ドメインの作成時に不正な EFI シグネチャのメッセージが出力される
vds が要求に 2 回肯定応答する場合がある
正しくない相互排他によって primary ドメインで再現性のあるパニックが発生する
リソースグループのプライマリノードであるクラスタノードがパニックフォールトインジェクション時にハングアップする
pvid を設定すると、hybridIO が有効な vnet でパケットのタグ付けやタグ削除が行われないことがある
NIU HybridIO が割り当ておよびトラフィックを反映するために統計を必要とする
Bakota DVD ドライブが DVD としてエクスポートされない
ファイルベースのバックエンドでネットワークインストールが失敗する
niumx は登録されたすべての中断を再分配しない
制御ドメインを再起動して両方のルートドメインでパニックを発生させると、ereport がルートドメインに送信されない
libds によって fmd etm モジュールのメモリーが破損する
vlds ドライバは動作が不適切なクライアントを制限しない
usr/src/Makefile.lint で libds エントリが不足している
パニック: サービスドメインが停止した場合、2 つのハイブリッド vnet を備えたゲストで回復不可能なハードウェアエラーが発生する
null ポインタが設定された MAC アドレスを vsw_set_addrs に設定すると、primary ドメインでパニックが発生する
Hitachi HDLM によるマルチパス化を使用した場合、ディスクが正しくエクスポートされない
vnet と dds コードの間でデッドロックが発生する場合がある
ドメインサービスのループバックが機能しない
ドメインサービスのクライアントサービスの登録要求で強制的に再登録されてしまう
仮想ドメインサービスが FWARC/2008/563 および FWARC/2008/696 を実装しない
vdc_recv でスレッドが停止して CPU Solaris の負荷テストがハングアップする
NIU hio kstats の設定で vnet の vres_list に残っている vres を解放できる
LDoms 1.2 の次の RFE およびバグは、LDoms 1.2 ソフトウェアリリースでは修正されています。
P2V ツールおよびマニュアルページを追加する
制御ドメインで障害が発生した場合にゲストドメインを停止するオプションを追加する
制御ドメイン外部で PRI を使用できる
ldm: GM からのページリタイアおよび CPU オフライン要求を受け入れる必要がある
HV MD で CPU->RNG の関連付けのハードウェアトポロジを削除する
ユーザープログラム API 用の LDoms ドメインサービスの拡張
ldm: ジャンボフレームのサポートを追加する
fma-io-domain-service を再度有効にする
LDoms 構成の自動回復を追加する
LDoms 検出プロトコル
ldm: ドメイン、VIO、および変数の名前の最大サイズ制限を実施する
複数のゲストへの仮想ディスクサーバーデバイスのエクスポートのサポートを追加する
Supernova で ldmd が MAU コマンドを正しく処理しない
分割 PCI バス構成で仮想スイッチを構成する場合の Ethernet ポート名の問題
ゲストドメインで仮想ディスク DR 操作を行う場合に、drd の無効化/有効化のあと、LDC チャネルエラーが発生して操作が失敗する
オプションが指定されていないデフォルトの状態から、ro、excl、slice などの任意のオプションを指定しても set-vdsdev が機能しない
ldm: CTF (Compact ANSI-C Type Format) のサポートを追加する
vdpcc とバインドされたゲストドメインで、ldmd が遅延再構成処理でコアダンプを出力する
node0 がない構成で起動すると ldm が致命的エラーを受け取る
移行処理または再構成処理を取り消す XML 動作コマンドを追加する
メモリーが少ないゲストで、VIODR 操作によって MAC アドレスが重複した仮想ネットワークが作成される
接続が拒否された失敗に対しても ldm がステータス 0 を返す
spconfig のタグ付け実装に del-reconf/reboot 操作を含める必要がある
10 を超えるドメインでも複数ドメインの XML ファイルを使用できない: 「Unexpected response message type」が生成される
HV MD バージョンの確認にメジャーバージョン番号を含める必要がある
HV MD のバージョン情報が誤って報告される
デフォルトで ldmd サービスを有効にする
構成モードをサポートする変更を削除する
制御ドメインへの遅延再構成処理を制限する
dly_reconf モードで set-vcc port-range の実行中に ldmd がコアダンプを出力する
LDoms XML イベントスキーマプロパティーを追加する
仮想ディスクを削除すると、ゲストドメインの残りのディスクのパスが変更される場合がある
XML での仮想ネットワークの追加および設定で追加プロパティーの処理が不適切である
PM エンジンで start-domain 中に CPU の DR が禁止されていない
XML に仮想スイッチデバイスの情報を含める必要がある
バインドされた仮想ネットワークと仮想ディスクに対して XML デバイスのプロパティーが必要である
XMPP サーバーが、同じドキュメントの複数の LDM_interface を適切に解析しない
必要なリソースプロパティーに空のタグを設定することを禁止する
仮想スイッチの VID が 3 桁に切り捨てられる
/opt/SUNWldm/bin ではなく /var/opt/SUNWldm に server.{key | cert} を作成する
ldm と ldm.1m を標準パスに移動する
OpenSolaris ドックに統合されるようにパッケージを修正する
snv_113 で reboot.py テストの実行中に pri_svc segv が失敗する
同一パスの仮想ディスクサーバーデバイスエラーメッセージを適切に整形する必要がある
READ-ONLY 状態の同一パスの仮想ディスクサーバーデバイスボリュームを READ-WRITE アクセスに変換できない
add-vcpu の実行中に PM から返される FMA エラーにより、クリーンアップが不完全となる場合がある
ldmconfig: 「primary」だけを設定するユーザーのために 0 個の LDoms の作成を許可する必要がある
libumem によるデバッグを有効にして ldm rm-domain を実行すると、ldmd がコアダンプを出力する
MD の破壊によってゲストドメインでパニックが発生する
複数ドメインシステムおよび単一ドメインシステムで ldm ls がハングアップする
エラスティックモードでゲストドメインを再起動すると、ウォッチドッグのためにハングアップする
OBP が MD で特定のドメインサービスポートの順序を前提としている
ポートのスタックハイが LDoms 1.1 パッチゲートから LDoms 1.2 ゲートに修正
ドメインの起動後および起動中に ldm コマンドで出力の報告に長時間かかる