Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド

それぞれの機能

スティッキーキー

障害を持つユーザの多くは、2 つのキーを同時に押す、たとえば [Control]-[D] と押したり、[Shift] キーを押したままマウスでクリックすることが難しい場合があります。スティッキーキーを有効にしておくと、別のキーを押したりマウスボタンをクリックしたりする間、修飾キー (一般に、[Shift]、[Alt]、[Control]、[Meta] キー) がアクティブな状態のままになります。

スティッキーキーのオン/オフの切り替え

スティッキーキーのオン/オフは、次の 3 つの方法で切り替えることができます。

ラッチとロック

スティッキーキーは、ラッチすることもロックすることもできます。


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この場合は、[Shift] キーを、2 度押してロックし、コロン (:) キーおよび文字キーの [w][r] を押します。[Shift] キーのロックを再度押すと [Shift] キーのロックが解除されます。

ステータスウィンドウを見ると、キーのラッチ/ロック状態がわかります (ボタンおよびキーのステータスの表示を参照)。

スティッキーキーの設定値

修飾キーが押されたときにビープ音を鳴らす

修飾キーが押されるたびに、ビープ音を鳴らすことができます (ただし、スティッキーキーがオンの場合)。修飾キーを押すとそれらのキーがラッチ、ロック、またはリリースされるので、ビープ音を鳴らすと、修飾キーの有効/無効 (通常の入力時は、これを忘れがちになります) を確認できます。

この設定を有効にするには、[設定] ウィンドウの [修飾キーで音を発生] チェックボックスをオンにします (図 E–4を参照)。

2 つの修飾キーを同時に押してスティッキーキーを無効にする

[Settings] ウィンドウの [同時に押すとオフ] チェックボックスをオンにすると、2 つの修飾キー ([Control] キーや [Shift] キーなど) を同時に押してスティッキーキーを無効にすることができます。マウスでクリックしたり、[Shift] キーを 5 回押すよりもこの方が簡単と思うユーザもいます。

マウスキー

マウスが使うことが困難な場合は、マウスキーを使用すると、キーボードのテンキーを使用してマウスの操作をエミュレートできます。マウスを使用する場合と同様に、画面上でポインタを移動し、マウスボタンをクリックしたり押すことができます。

マウスキーのオン/オフの切り替え

マウスキーのオン/オフは、次の 2 つの方法で切り替えることができます。

キーボードによるマウスの操作のエミュレーション

マウスキーがオンの場合は、テンキーのキーが別の機能を持ちます。

ステータスウィンドウを表示すると、現在押されているマウスキーがわかります。

図 E–5 テンキーとマウスボタンの対応

Graphic

マウスキーの設定値

ポインタの最大速度の変更

意図する精度でポインタを移動することが困難な場合は、ポインタの移動速度を落とすことができます。ポインタの移動速度を変更するには、[Pointer の最大速度](pixel/秒) ボックスを使用し (図 E–4 を参照)、スライダを目的の速度に移動します。ポインタの移動速度はピクセル/秒の単位で指定し、その範囲は 10 〜 1000 です。 [ポインタの移動速度は、マウスキーが有効な場合にだけ適用されます。]

ポインタが最大速度になるまでにかかる時間の設定

ポインタが最大速度になるまでにかかる時間を設定できます (ただし、マウスキーの使用時)。これは、[最大速度までの時間 (秒)] スライダで調整します (図 E–4 を参照)。この時間を調整すると、ポインタの移動を制御しやすくなります。ポインタが最大速度になるまでにかかる時間は最大 4 秒まで設定できます。

トグルキー

多くのキーボードでは、特定のキーがアクティブなとき、インジケータライト (LED) が点灯します。[Caps Lock] キーもその一例です。[Caps Lock] キーを押すと、[Caps Lock] の LED が点灯します。

視力が低いユーザの場合は、これらのインジケータの用途が限定されてしまうこともあります。トグルキー機能は、そのようなインジケータの代役を果たします。[Num Lock]、[Caps Lock]、[Scroll Lock] がアクティブになると、ビープ音が 1 度鳴ります。それらのインジケータがアクティブでなくなると、ビープ音が 2 度鳴ります。

トグルキーのオン/オフの切り替え

トグルキー機能のオン/オフは、AccessX のメインウィンドウで [トグルキー] チェックボックスをオンまたはオフにして切り替えます。

リピートキー

キーやマウスボタンから指 (またはマウススティック) をすぐに離せないユーザもいます。たとえば、「k」と入力したい場合に、「kkkkkkkkk」と入力されてしまう場合もあります。リピートキーをアクティブにしてあれば、所定の時間だけキーを押し続けなければキーがリピートしません。

リピートキーのオン/オフの切り替え

リピートキーのオン/オフは、次の 2 つの方法で切り替えることができます。


注 –

[Shift] キーを 8 秒間押したままにしておくと、スローキーも有効になります。


リピートキーの設定値

リピートまでの遅延

リピートが開始されるまでにキーを押したままにしておく時間を設定できます。指定できる時間の範囲は、1/10 〜 10 秒です。このパラメータは、図 E–4 の [リピートまでの遅延] のスライダを動かして指定します。

リピート速度の設定

リピートの速度も設定できます。リピート速度は、押されたキーが 1 秒間にリピートされる回数を表しています。指定できる値の範囲は、0.1 (1 キー当たり 10 秒) 〜 10 (1 秒当たり 10 キー) です。この値が大きいほど、キーのリピート速度は速くなります。小さな値を設定すると、押されたキーをリピートしないようにしたり、すぐにリピートするのを止めることができます。

この値は、図 E–4 の [リピート速度] スライダを動かして指定します。

スローキー

キーボードをタイプするのが困難なユーザは、間違ったキーを押してしまうことがよくあります。たとえば、「t」を押そうとして「r」を押してしまう場合などがあります。スローキーをアクティブにしておけば、所定の時間以上押したキーだけが入力として受け入れられます。間違って押したキーは、入力とみなされません。


注 –

スローキーとバウンスキーを同時にアクティブにすることはできません。


スローキーのオン/オフの切り替え

スローキーのオン/オフは、次のいずれかの方法で切り替えることができます。


注 –

Shift キーを 8 秒間押したままにしておくと、リピートキーも有効になります。


スローキーの設定値

通知スタイルの設定

スローキーがアクティブなときは、キーのステータスを通知するように設定してください。そうしておけば、入力とみなされるだけの時間キーを押しているかどうかを推測する必要がありません。

[設定] ウィンドウには、スローキーが有効なときのキーのステータスの通知方法を設定するためのチェックボックスが 2 つ (「押された時」および「受け付けた時」) あります。これらのチェックボックスを使用すると、次のようにビープ音を鳴らすことができます。

受け付け遅延の設定

受け付け遅延とは、キーが初めて押されたときからそのキーが入力とみなされるまでの時間間隔のことです。この値は、図 E–4 の [受け付け遅延 (秒)] スライダを使用して設定できます。指定できる値の範囲は、0 〜 5 秒です。

バウンスキー

キーを押したままにしておくことが困難なユーザや、キーを 1 回だけ押すつもりでキーをリピートさせてしまうユーザには、バウンスキーが役立ちます。バウンスキーを使用すると、単一のキーをすばやく押した場合やリピートして押した場合に、キーをウィンドウシステムに無視させることができます。


注 –

スローキーとバウンスキーを同時にアクティブにすることはできません。


バウンスキーのオン/オフの切り替え

バウンスキーのオン/オフは、AccessX のメインウィンドウで [バウンスキー] チェックボックスをオンまたはオフにして切り替えます。

バウンスキーの設定値

再バウンド時間の設定

再バウンド時間とは、後続のキーストロークが無視される時間間隔のことです。

この期間は、図 E–4 の [再バウンド時間 (秒)] のスライダを使用して設定できます。指定できる値の範囲は、0 〜 5 秒です。