メールフォルダにメッセージを保存またはコピーする場合は、ファイルの絶対パス名を指定する必要はありません。フォルダは、フォルダディレクトリに保管されている特殊ファイルです。
フォルダにメッセージを保存またはコピーすると、同じディレクトリ内にメッセージが自動的に保管され、長いパス名を入力しなくてもそのディレクトリに簡単にアクセスできます。
フォルダを使うには、まず最初にフォルダディレクトリ (フォルダ用のディレクトリ) を設定する必要があります。この設定には次の作業を行います。
mkdir コマンドを使ってディレクトリを作成します。
たとえば、Messages というフォルダディレクトリを設定するには、次のようなディレクトリを作成します。
$ mkdir Messages |
フォルダディレクトリのパスを設定するために、テキストエディタを使ってホームディレクトリ内の .mailrc ファイル (mailx オプションが入っている) を編集します。
次の例のように、新しく作成したフォルダディレクトリの絶対パス名を指定するために、folder
変数を編集します。次に例を示します。
set folder=/home/austin/rose/Messages |
C シェルの短縮名である ~ を使ってホームディレクトリを指定することもできます。
set folder=~/Messages |
これでフォルダディレクトリは、フォルダに保存されるメッセージを受け取るよう設定されます。.mailrc ファイルの変更内容は、次回 mailx を起動したときに有効になります。
フォルダにメッセージを保存またはコピーするときは、ファイルの場合と同じコマンドを使います。ただし、フォルダ名の前にはパス名の代わりにプラス記号 (+) を付けます。+ は、フォルダをフォルダディレクトリ (ここでは Messages) に保存するよう mailx に指示します。
たとえば、3 番目のメッセージを projects というフォルダに保存するには、次のように入力します。
$s 3 +projects |
mailx は、このコマンドを「3 番目のメールを ~/Messages/projects に保存する」という意味に解釈します。指定のフォルダが存在しない場合は、mailx によって作成されます。
メッセージをフォルダにコピーする場合は、次のように入力します。
$c 3 +projects |
メッセージのコピーは、任意のファイルやフォルダに直接送信できます。フォルダにコピーを送信する場合は、Cc: プロンプトまたは Bcc: プロンプトに対してフォルダ名 (たとえば、projects) を入力するだけです。ファイルにコピーを送信する場合も同様ですが、ファイルの絶対パス名を指定する必要があります。