Solaris 共通デスクトップ環境 上級ユーザ及びシステム管理者ガイド

データ型のデータ基準の定義

DATA_CRITERIA 定義は、オブジェクト型をファイルまたはディレクトリに割り当てるのに使用する基準を定義します。

使用できるオブジェクト型の基準は、表 13–3 のとおりです。

表 13–3 DATA_CRITERIA の基準と説明

基準 

説明 

ファイル名 

ファイル名は指定したパターンに一致しなければなりません。NAME_PATTERN フィールドを使用します。

ファイル位置 

パスは指定したパターンに一致しなければなりません。PATH_PATTERN フィールドを使用します。

ファイル内容 

ファイル内容の指定した部分が指定したデータに一致しなければなりません。CONTENT フィールドを使用します。

ファイル・モード 

ファイルは指定したアクセス権 (読み取り、書き込み、実行、ディレクトリ) を所有しなければなりません。MODE フィールドを使用します。

シンボリック・リンク

リンク名はオブジェクトがリンクするファイルに基づきます。 

1 つのデータ型に 2 つ以上の基準を使用できます。ただし、NAME_PATTERNPATH_PATTERN を同じデータ型で使用しないでください。

名前に基づいたデータ型

NAME_PATTERN フィールドを使用して、命名要件を指定します。フィールド値には、次のワイルドカードを指定できます。

? — 任意の 1 つの文字を示します。

* — 任意の文字列 (空文字列を含む) を示します。

[cc] — 角括弧で囲まれた任意の文字 (c) を示します。

[cc]c から c までの範囲の任意の文字を示します。

位置に基づいたデータ型

PATH_PATTERN フィールドを使用してパスを指定します。NAME_PATTERN と同じワイルドカードを使用できます。

たとえば、次のデータ型はパスに基づいた基準を使用します。

DATA_ATTRIBUTES Project_Graphics
 {
 	DESCRIPTION       Graphics file for the QS project. Double-click the \
 	                  icon to see the graphic.
 	ICON              QSgraphics
 }

DATA_CRITERIA Project_Graphics_Criteria
 {
 	DATA_ATTRIBUTES_NAME          Project_Graphics
 	PATH_PATTERN                  */projects/QS/graphics/*
 }

名前と位置に基づいたデータ型

ファイル名と位置の両方に基づいたデータ型を作成するには、PATH_PATTERN の値に名前を取り込みます。NAME_PATTERNPATH_PATTERN の両方を同じ基準定義で使用できません。

データ型作成基準としてのファイル・モードの使用

MODE フィールドを使用して、必須アクセス権を指定します。

通常、モード基準は名前、位置、内容に基づいたデータ型作成の組み合わせで使用します。これらの基準によって、データ型をファイルまたはディレクトリに制限したり、必須の読み取り権、書き込み権、実行権を指定したりできます。

MODE フィールドには、論理演算子 (表 13–4) と文字 (表 13–5) を指定できます。

表 13–4 MODE フィールドの論理演算子と説明

演算子 

説明 

!

論理演算子 NOT

&

論理演算子 AND

|

論理 OR

表 13–5 MODE フィールドの文字と説明

文字 

説明 

f

ファイルだけに適用されるデータ型 

d

ディレクトリだけに適用されるデータ型 

r

任意のユーザが読み取れるファイル 

w

任意のユーザが書き込めるファイル 

x

任意のユーザが実行できるファイル 

l

リンクであるファイル 

特定モードのデフォルトは、モードには関係ありません。

内容に基づいたデータ型

CONTENT フィールドを使用して、ファイル内容に基づいたデータ型を作成します。内容に基づいたデータ型の作成には、名前または位置に基づいたデータ型を組み合わせて使用できます。

データ型作成は、ファイルの文字または数字内容に基づいて行われます。ファイルの最初のバイトの番号は 0 です。

たとえば、次のデータ型 Writable_Wingz は、ファイルの最初に WNGZ 文字列が入っていて、書き込み権を持つすべてのファイルに適用されます。

DATA_ATTRIBUTES Writable_Wingz
 {	
 	…
 }

DATA_CRITERIA Writable_Wingz_Criteria
 {
 	CONTENT						0 string WNGZ
 	MODE							w&!d
 	DATA_ATTRIBUTES_NAME	Writable_Wingz
 }

独自の基準を持つデータ型を作成するには

いくつかの独自の基準を持つデータ型を作成できます。つまり、基準のいずれか (または両方) に一致した場合、ファイルはデータ型に割り当てられます。

  1. データ型の DATA_ATTRIBUTES 定義を作成します。

  2. 基準ごとに DATA_CRITERIA 定義を作成します。

    DATA_ATTRIBUTES_NAME フィールドを使用して、各基準を同じ DATA_ATTRIBUTES 定義に接続します。

たとえば、次の定義は Mif データ型を作成します。データ型は名前または内容に基づき作成します。

DATA_ATTRIBUTES Mif
{
 	ICON								Frame
 	ACTION_LIST						Open,Print
 }

DATA_CRITERIA Mif_Name_Criteria
 {
 	DATA_ATTRIBUTES_NAME				Mif
 	NAME_PATTERN							*.mif
 }

DATA_CRITERIA Mif_Content_Criteria
 {
 	DATA_ATTRIBUTES_NAME		Mif
 	CONTENT							1 string MIFFile
 }