Solaris Live Upgrade を使用して Solaris 8 リリースから Solaris 10 リリースへのアップグレードを行うと、エラーが発生することがあります。Solstice DiskSuite TM 4.2.1 の構成が Solaris ボリュームマネージャーの構成に変換されない場合があります。RAID-0、RAID-1 のほか、ミラー、ストライプ、サブミラーなどのボリュームがすべて失われることがあります。
アップグレードを行う前に Solaris 8 システムに特定の順序でパッチを適用した場合に、この問題が発生します。システムでこの問題が発生するかどうかを調べるには、Solaris 8 システムの SUNWmdr パッケージのバージョン情報を確認します。次のコマンドを入力します。
# grep VERSION /var/sadm/pkg/SUNWmdr/pkginfo |
このコマンドで次のような出力が生成される場合、システムはこの問題の影響を受ける可能性があります。
PKG_CLIENT_VERSION=8 VERSION=4.2.1,REV=1999.12.03.10.00 |
回避方法: 次の手順を実行します。
Solaris Live Upgrade を使用して代替ブート環境をアップグレードします。
詳細は、『Solaris 10 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』を参照してください。
アップグレードされたブート環境のディスクをマウントします。ただし、アップグレードされたブート環境をアクティブにしないでください。
# mnt -F ufs /mnt/c0t0d0slice_number /mnt |
上記の例で、slice_number は、アップグレードされたブート環境が含まれているスライスを表します。
/etc/system ファイルで MDD データベース情報のエントリを確認します。たとえば、次のようなテキストです。
* Begin MDD database info (do not edit) set md:mddb_bootlist1="sd:7:16 sd:7:1050 sd:7:2084" * End MDD database info (do not edit) |
アップグレードされたブート環境の /kernel/drv/md.conf ファイルをテキストエディタで開きます。
# cd /kernel/drv # vi md.conf |
md.conf を次のように変更します。
手順 3 で確認した /etc/system ファイルの mddb_bootlist 情報を追加します。この情報の前と後ろに置かれている「Begin」および「End」コメント行も必ず追加してください。
mddb_bootlist 行にある各 sd ディスクエントリの末尾に、テキスト文字列 :id0 を追加します。
mddb_bootlist エントリの下に、次の新しい行を挿入します。
md_devid_destroy=1; |
md.conf ファイルの変更例を次に示します。
# Begin MDD database info (do not edit) mddb_bootlist1="sd:7:16:id0 sd:7:1050:id0 sd:7:2084:id0"; md_devid_destroy=1; # End MDD database info (do not edit) |
md.conf ファイルを保存します。
/etc/system ファイルから mddb_bootlist エントリを削除します。
アップグレードされたブート環境のディスクのマウントを解除します。
アップグレードされたブート環境をアクティブにします。