Solaris 10 8/07 リリースでは、次の新しいドライバとドライバ機能拡張が追加されました。
このリリース以降、Reliable Datagram Sockets (RDS) が新しいプロトコルファミリとして追加され、ソケットが InfiniBand 相互接続を経由して複数の宛先に確実にメッセージを送信できるようになりました。
RDS は新しい SUNWrds パッケージで配布されます。SUNWrds パッケージは、それぞれソケットとトランスポートインタフェースに対応する rds と rdsib ドライバで構成されています。
機能が向上した USB EHCI ホストコントローラドライバは、USB 2.0 または高速のアイソクロナスデバイスでアイソクロナス転送を行えるようにします。
詳細は、usb_isoc_request(9S) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、uscsi コマンドによる論理ユニット番号 (LUN) のリセットを行えるようにします。ユーザーは、この機能により USCSI_RESET_LUN として設定される uscsi_flags とともに LUN リセットコマンドを使用できます。
このリリース以降、READ/WRITE FPDMA QUEUED コマンドがサポートされるようになりました。特定の作業負荷がかかる状況のもとで、Marvell ドライバを使って入出力操作を行なっているときに、性能が大幅に向上します。ほかの作業負荷でも、程度は小さくなりますが、多少の性能向上が得られます。Sun Branded Hitachi 250GB HDS7225SBSUN250G ドライブでこの機能を使用すると、より多くの書き込みができ、大幅に性能が向上します。
また、SATA 仕様のこのオプション部分をサポートするドライバに対する数多くの作業負荷においても、性能が著しく向上します。
Compact Flash (CF) サポートの機能によって、CF-ATA アダプタを通して CF カードを ATA ディスクとして使用できるようになります。この機能は、CF カードからのシステム起動、および CF カードへのデータ格納を簡単にするのに役立ちます。
Compact Flash サポートについての詳細は、ata(7D) のマニュアルページを参照してください。
このリリース以降、usbsacm ドライバは、USB CDC ACM (Universal Serial Bus Communication Device Class Abstract Control Model) 仕様に準拠している USB モデムをサポートするようになりました。ユーザーは、usbsacm ドライバを、使用している携帯電話、PCMCIA カード、またはモデムのようなデバイスに接続できます。usbsacm ドライバは、/dev/term/ の下に端末ノードを出力します。ユーザーはその後、pppd(1M) を使って、これらのシリアルポートを介してデータグラムを転送できます。
CardBus サポートの機能によって、Solaris における 32 ビット PC カードのサポートが追加されました。16 ビットと 32 ビットの PC カードは、いずれも Solaris によって認識されるようになりました。詳細は、pcic(7D) および cardbus(4) のマニュアルページを参照してください。
このリリース以降、Solaris OS では IBM LTO-4 テープドライブをサポートするようになりました。
このリリース以降、Solaris OS では HP LTO-4 テープドライブをサポートするようになりました。
このリリース以降、Xorg 用の高速グラフィックスドライバと、NVIDIA Quadro および GeForce カード用の OpenGL が組み込まれるようになりました。これらのドライバ向けの構成ツール nvidia-settings および nvidia-xconfig も用意されています。
このリリース以降、下位互換性をサポートする sun4v プラットフォームにプログラム可能なウォッチドッグタイマーが追加されました。ユーザーは、下位互換性のある ntwdt 擬似ドライバによって提供される IOCTL を使ってアプリケーションウォッチドッグタイマーを操作できます。
最小の Solaris OS 用 ACPI サーマルゾーン・モニター擬似ドライバは、ACPI からサーマルゾーンイベントを処理します。サーマルゾーンイベントは、主に重大な温度イベントです。あるシステムの BIOS に特定の ACPI 方式が実装されている場合、この擬似ドライバはサーマルゾーンイベントを処理します。
更新された aac ドライバは、新世代のロケットチップベースの Adaptec ハードウェア RAID アダプタをサポートします。aac ドライバは、コントローラや接続されたハードドライブの構成や監視を行う ASM (Adaptec Storage Management Utility) もサポートしています。
詳細は、Adaptec の Web サイト http://www.adaptec.com/en-US/products/adps/ を参照してください。
audioixp ドライバは、ATI 社製の ATI IXP400 Southbridge チップセット用の Solaris オーディオドライバです。ATI IXP400 チップセットには、AC97 オーディオコントローラが組み込まれています。このチップセットは、Ferrari4000 モデルなど、多くのマザーボードメーカーによって広く採用されています。audioixp ドライバは、SADA (Solaris Audio Driver Architecture) フレームに準拠しています。
高精細度オーディオドライバ audiohd(7d) が拡張され、より多くのオーディオコーデックをサポートし、基本的なオーディオのプレイバックと記録機能を備えるようになりました。サポートされている高精細度オーディオコーデックには、次のものが含まれます。
Realtek ALC260/262/880/882/883/885/888
IDT/Sigmatel STAC9200(D)
アナログデバイス AD1986/1988
AHCI は、AHCI 仕様と互換性がある SATA コントローラ用の SATA HBA ホットプラグ対応ドライバです。AHCI ドライバは INTEL ICH6 と VIA vt8251 コントローラをサポートしていますが、ほかの AHCI 準拠のコントローラも動作する可能性があります。
詳細は、ahci(7D) のマニュアルページを参照してください。