Solaris ボリュームマネージャの管理

Procedure未使用のスライスから RAID-1 ボリュームを作成するには

を作成する手順を示します。3 面ミラーまたは 4 面ミラーを作成する場合も、手順は同じです。

始める前に

「Solaris ボリュームマネージャコンポーネントを作成するための前提条件」「RAID-1 ボリュームの作成と保守」を確認します。

  1. ストライプまたは連結を 2 つ作成します。これらのコンポーネントがサブミラーになります。

    「RAID-0 (ストライプ方式) ボリュームを作成するには」または「RAID-0 (連結方式) ボリュームを作成するには」を参照してください。

  2. 次のどちらかの方法でミラーを作成します。

    • Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ボリューム (Volumes)」ノードを開き、「アクション (Action)」、「ボリュームを作成 (Create Volume)」の順に選択し、画面の指示に従います。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。

    • 次の形式の metainit コマンドを使って 1 面ミラーを作成します。


      # metainit volume-name -m  submirror-name
      
      volume-name

      作成するボリュームの名前を指定します。

      -m

      ミラーを作成することを指定します。

      submirror-name

      ミラーの最初のサブミラーとして使用するコンポーネントの名前を指定します。

      詳細については、次の例と metainit(1M) のマニュアルページを参照してください。

  3. 次のどちらかの方法で 2 つめのサブミラーを追加します。

    • Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ボリューム (Volumes)」ノードを開き、変更するミラーを選択します。「アクション (Action)」、「プロパティ (Properties)」、「サブミラー (Submirrors)」の順に選択します。画面の指示に従って、サブミラーを追加します。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。

    • 次の形式の metattach コマンドを実行します。


      # metattach volume-name submirror-name
      
      volume-name

      サブミラーを追加する RAID-1 ボリュームの名前を指定します。

      submirror-name

      次にミラーに追加するサブミラーとなるコンポーネントの名前を指定します。

      詳細は、次の例と metattach(1M) のマニュアルページを参照してください。


例 11–1 2 面ミラーを作成する


# metainit d51 1 1 c0t0d0s2
d51: Concat/Stripe is setup
# metainit d52 1 1 c1t0d0s2
d52: Concat/Stripe is setup
# metainit d50 -m d51
d50: Mirror is setup
# metattach d50 d52
d50: Submirror d52 is attached

この例では、2 面ミラー d50 を作成します。metainit コマンドは、 RAID-0 ボリュームである、2 つのサブミラー (d51d52) を作成します。metainit -m コマンドは、RAID-0 ボリューム d51 から 1 面ミラーを作成します。metattach コマンドは、 d52 を接続して 2 面ミラーを作成し、同期を取り直します。接続されたサブミラー上のデータは、再同期の際に他のサブミラーによって上書きされます。



例 11–2 2 面ミラーを作成する (再同期なし)


# metainit d51 1 1 c0t0d0s2
d51: Concat/Stripe is setup
# metainit d52 1 1 c1t0d0s2
d52: Concat/Stripe is setup
# metainit d50 -m d51 d52
metainit: d50: WARNING: This form of metainit is not recommended.
The submirrors may not have the same data.
Please see ERRORS in metainit(1M) for additional information.
d50: Mirror is setup

この例では、2 面ミラー d50 を作成します。metainit コマンドは、 RAID-0 ボリュームである、2 つのサブミラー (d51d52) を作成します。metainit -m コマンドは、2 つのサブミラーからミラーを作成します。metattach コマンドではなく、metainit コマンドを使ってミラーを作成した場合は、再同期操作が行われません。この場合、Solaris ボリュームマネージャはミラーの両側が同一であるとみなし、両方を区別なく使用するため、データが破壊されるおそれがあります。


参照

新たに作成したミラーにファイルシステムを作成する方法については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の第 18 章「UFS、TMPFS、LOFS ファイルシステムの作成 (手順)」を参照してください。データベースなど、アプリケーションによってはファイルシステムを使用しません。これらのアプリケーションでは、代わりに raw デバイスを使用します。アプリケーションは独自の方法で raw デバイスにアクセスできなければなりません。