Solaris ボリュームマネージャの管理

RAID-1 ボリュームのオプション

ミラーの性能を最適化するには、次のオプションを使用します。

ミラーオプションは、ミラーを最初に作成するときに定義できます。ミラーが設定されて稼働したあとで、ミラーオプションを変更することもできます。これらのオプションの変更に関連する作業については、「RAID-1 ボリュームオプションを変更するには」を参照してください。

RAID-1 ボリュームの読み取りおよび書き込みポリシー

Solaris ボリュームマネージャでは、RAID-1 ボリュームに対してさまざまな読み取りおよび書き込みポリシーを設定できます。構成に合わせて、読み取りおよび書き込みポリシーを適切に設定すると、性能が向上することがあります。

表 10–1 RAID-1 ボリュームの読み取りポリシー

読み取りポリシー 

説明 

ラウンドロビン (デフォルト) 

すべてのサブミラーの負荷を均一にします。ミラーに属するすべてのサブミラーの読み取りは、ラウンドロビン方式で (1 つずつ順次に) 行われます。 

ジオメトリック 

読み取りを論理的なディスクブロックアドレスに基づいて個々のサブミラーに分割します。たとえば、2 面サブミラーの場合は、ミラーのディスク領域が、論理アドレスに基づいて同じサイズの 2 つの領域に分割されます。一方のサブミラーからの読み取りは、論理的な領域の半分に限定されます。他方のサブミラーからの読み取りは、残りの半分に限定されます。ジオメトリック読み取りポリシーでは、読み取りに必要なシーク時間が減少します。この読み取りポリシーによって得られる性能の向上は、システムの入出力負荷やアプリケーションのアクセスパターンによって異なります。 

先頭のデバイスから読み取る 

すべての読み取りを最初のサブミラーに送る。このポリシーは、先頭のサブミラーを構成するデバイスが 2 番目のサブミラーのデバイスよりも高速な場合にのみ使用します。 

表 10–2 RAID-1 ボリュームの書き込みポリシー

書き込みポリシー 

説明 

並列 (デフォルト) 

ミラーへの書き込みは複製され、すべてのサブミラーに対して同時に実行される。 

順次 

サブミラーへの書き込みは順次実行される (つまり、最初のサブミラーへの書き込みが終わってから、次のサブミラーへの書き込みが始まる)。このポリシーでは、1 つのサブミラーへの書き込みが終わらないと、次のサブミラーへの書き込みは開始されない。このポリシーは、電源の障害などによってサブミラーが読み取り不能になるのを防止するために使用する。 

パス番号

パス番号 (0 から 9 の数字) は、システムのリブート時にミラーを再同期する順序を決定します。デフォルトのパス番号は 1 です。再同期は、パス番号の小さいミラーから行われます。ゼロを指定すると、ミラーの再同期はスキップされます。パス番号 0 は、読み取り専用としてマウントされているミラーに対してのみ設定します。同じパス番号をもつミラーの再同期は同時に実行されます。