サブミラーのスライスは、異なるディスクとコントローラに配置します。同じミラーの 2 つまたはそれ以上のサブミラーのスライスを同じディスクに置くと、データの保護機能が大幅に低下します。同じように、サブミラーは、別個のコントローラに配置します。これは、コントローラやそのケーブルでは、ディスクよりも障害が発生する確率が高いためです。これにより、ミラーの性能も向上します。
1 つのミラーでは、同じタイプのディスクとコントローラを使用します。特に、古いタイプの SCSI 記憶装置では、ディスクやコントローラの性能がモデルやブランドによって大幅に異なることがあります。1 つのミラーで性能レベルの異なるディスクやコントローラを使用すると、性能が大幅に低下する可能性があります。
ミラー化によって読み取り性能が向上することはありますが、書き込み性能は常に低下します。ミラー化によって読み取り性能が向上するのは、スレッド化された入出力や非同期の入出力の場合だけです。ボリュームからの単一スレッド読み取りによって、性能が向上することはありません。
ミラーの読み取りオプションの設定を変えてみると、性能が向上することがあります。たとえば、デフォルトの読み取りモードでは、各ディスクが巡回的に 1 つずつ読み取られます。ラウンドロビンは UFS マルチユーザー、マルチプロセッサ動作に最適なことが多いので、このポリシーがデフォルトです。
場合によっては、geometric 読み取りオプションを使用すると、ヘッドの移動とアクセス時間が最小になり、性能が向上することがあります。このオプションは、次の場合にもっとも有効です。
1 つのディスクでスライスを 1 つだけ使用する
1 時点で 1 つのプロセスだけがスライスまたはファイルシステムを使用する
きわめて順次性の強い入出力パターンであるか、またはすべて読み取りアクセスである
サービスの中断を伴わずにサブミラーをミラーに接続できます。サブミラーを接続することによって、2 面、3 面、4 面のミラーを作成できます。
サブミラーをオフラインにすると、ミラーはそのサブミラーに対して読み書きできなくなります。しかし、サブミラーとミラー間の論理的な結びつきは維持されます。サブミラーがオフライン状態の間、Solaris ボリュームマネージャはミラーに対するすべての書き込みを追跡管理します。書き込みは、サブミラーがオンラインに戻ったときに、サブミラーに書き込まれます。Solaris ボリュームマネージャは、最適化された再同期を行うことによって、サブミラー全体ではなく、変更されたデータの再同期だけを行います。一方、サブミラーを切断すると、サブミラーとミラーの論理的な関連付けも断ち切られます。一般には、保守を行うときはサブミラーをオフラインにし、取り外すときはサブミラーを切断します。