ミラーを作成する前に、そのミラーを構成する RAID-0 (ストライプ方式または連結方式) ボリュームを作成する必要があります。
ミラーを作成するときは、最初に 1 面ミラーを作成し、その後で 2 番目のサブミラーを接続します。この手順によって、再同期動作が開始されます。また、データが損傷しないという保証も得られます。1 面のミラーを作成しておけば、後でそれを 2 面または多面のミラーとして使用することもできます。
1 つのコマンドで、1 面ミラーから 2 面ミラー、3 面ミラー、または4 面ミラーを作成できます。1 つのコマンドですべてのサブミラーを作成することによって、作成プロセスを短時間で完了することもできます。この手順を使用するのは、既存データをミラー化しない場合で、なおかつすべてのサブミラー上のデータが壊れても問題がない場合に限られます。
スライス上に構築された既存のファイルシステムから RAID-1 ボリュームを作成できます。基本 RAID-0 ボリューム (サブミラー) に含めることのできるスライスは 1 つだけです。ルートなど、システムにとって重要なファイルシステムをミラー化する場合は、すべてのサブミラーが単一のスライスで構成されていなければなりません。
swap -l コマンドを使ってすべての swap デバイスを確認します。swap として指定されたスライスは、他のスライスとは別個にミラー化しなければなりません。
Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」は、ルート ( /)、/opt、/usr、または swapのミラー化解除をサポートしません。このツールは事実上、システムの稼働中にマウント解除できないあらゆるファイルシステムについて、ミラー化解除をサポートしません。これらのファイルシステムに対しては、コマンド行ユーティリティーを使用してください。
同じサイズのサブミラーを使用します。サイズが異なるサブミラーを使用すると、ディスク領域がむだになります。
ミラーには、構成が同じサブミラーだけを使用します。たとえば、ディスクラベルのないサブミラーでミラーを作成すると、ラベルがあるサブミラーをミラーに追加できなくなります。
最初に追加したサブミラーがシリンダ 0 から始まらない形式でも、ファイルシステムをミラー化できます。この場合、それ以後追加するすべてのサブミラーについても、シリンダ 0 から始まらないようにしなければなりません。シリンダ 0 から始まるサブミラーを追加しようとすると、次のようなエラーメッセージが表示されます。
can't attach labeled submirror to an unlabeled mirror |
特定のミラーの中で使用するすべてのサブミラーがシリンダ 0 から始まるようにするか、すべてのサブミラーがシリンダ 0 から始まらないようにするか、どちらかでなければなりません。
開始シリンダをすべてのサブミラーで一致させる必要はありません。しかし、すべてのサブミラーにシリンダ 0 を含めるか、すべてのサブミラーにシリンダ 0 を含めないか、どちらかにしなければなりません。
ミラーを作成する前に状態データベースの複製を追加すると、ミラーの性能を向上させることができます。一般的な指針として、ミラーを追加するたびに 2 つの状態データベースの複製をシステムに追加する必要があります。Solaris ボリュームマネージャは、追加されたこれらの複製に、最適化された再同期を実行する際に使用するダーティリージョンログ (DRL) を格納します。十分な数の複製を用意することによって、RAID-1 ボリュームの性能に対する入出力の影響を最小限に抑えられます。複製がログを記録するミラーと同じディスクまたはコントローラに 2 つ以上の複製を使用すると、全体の性能も向上します。
直接マウントできるのはミラーデバイスだけです。オフライン状態のサブミラーを読み取り専用でマウントする場合を除き、サブミラーを直接マウントしてはなりません。また、サブミラーの一部であるスライスをマウントしてはなりません。データが壊され、システムが異常を起こすおそれがあります。