Oracle Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

NCA のための一般的なシステムチューニング

NCA パラメータの設定以外にも、一般的なシステムのチューニングにより、NCA の性能を向上させることができます。GigabitEthernet (ge ドライバ) を使用する場合は、インタフェースを割り込みモードにすると性能が向上します。

たとえば、64 ビットカーネルでブートする 4G バイトのメモリーのあるシステムの場合、/etc/system ファイル内に次のパラメータを設定するとよいでしょう。システムのページサイズを判定するには、 pagesize を使用します。


set sq_max_size=0
set ge:ge_intr_mode=1
set nca:nca_conn_hash_size=82500
set nca:nca_conn_req_max_q=100000
set nca:nca_conn_req_max_q0=100000
set nca:nca_ppmax=393216
set nca:nca_vpmax=393216

sq_max_size

備考欄

宛先 STREAMS キューが QFULL メッセージを生成する前に、syncq の深度 (メッセージ数) を設定します。

デフォルト

10000 メッセージ

範囲

0 (無制限) から MAXINT

動的か

いいえ

どのような場合に変更するか

メモリーの大きなシステム上で NCA を動作させている場合、このパラメータの値を増やしてドライバがキューに入れることのできるパケット数を増やします。サーバーの負荷が大きい場合、このパラメータの値を増やして、パケットがドロップされたりパケット処理が後回しにされることなくモジュールやドライバのデータ処理能力を向上させることができます。

Solaris 8 以降のリリース – 実稼動システムではこのパラメータを 0 に設定しないでください。このパラメータの変更が必要な場合は、この値を徐々に増やしてシステムを監視します。

Solaris 7 以前のリリース – 実稼動システムではこのパラメータを 0 に設定しないでください。このパラメータの変更が必要な場合は、この値を最大 100 まで徐々に増やしてシステムを監視します。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

sq_max_size (Solaris 9 12/02 リリース)」を参照してください。

ge:ge_intr_mode

備考欄

ge ドライバが、パケットをキューに入れず、上位通信層に直接送信できるようにします。

デフォルト

0 (パケットを上位層のキューに入れる)

範囲

0 (有効) または 1 (無効)

動的か

いいえ

どのような場合に変更するか

NCA を有効にしている場合は、このパラメータを 1 に設定し、パケットを割り込みモードで NCA へ配信し、よりすばやく処理できるようにします。

コミットレベル

変更の可能性あり