Solaris のシステム管理 (上級編)

システム情報の表示 (作業マップ)

作業 

説明 

参照先 

システムで 32 ビットまたは 64 ビットの機能が有効になっているかどうかを調べます。 

isainfo コマンドを使用し、システムで 32 ビットまたは 64 ビット機能が有効になっているかどうかを確認します。x86 システムについては、isalist コマンドを使用してこの情報を表示できます。

「システムで 32 ビットまたは 64 ビット機能が有効になっているか調べる方法」

Oracle Solaris リリース情報を表示します。 

Oracle Solaris リリースバージョンを特定するには、/etc/release ファイルの内容を表示します。

「Oracle Solaris リリース情報を表示する方法」

一般的なシステム情報を表示します。 

showrev コマンドを使用し、一般的なシステム情報を表示します。

「一般的なシステム情報を表示する方法」

システムのホスト ID 番号を表示します。 

hostid コマンドを使用し、システムのホスト ID を表示します。

「システムのホスト ID を表示する方法」

システムの製品名を表示します。 

Solaris 10 1/06 リリースから、prtconf -b コマンドを使用して、システムの製品名を表示できます。

「システムの製品名を表示する方法」

システムにインストールされているメモリーを表示します。 

prtconf コマンドを使用し、システムにインストールされたメモリーに関する情報を表示します。

「システムにインストールされているメモリーを表示する方法」

システムの日付と時刻を表示します。 

date コマンドを使用し、システムの日付と時刻を表示します。

「日付と時刻を表示する方法」

システムの物理プロセッサタイプを表示します。 

psrinfo -p コマンドを使用し、システム上の物理プロセッサの合計数を表示します。

psrinfo -pv コマンドを使用すると、システム内の全物理プロセッサのほか、各物理プロセッサに関連した仮想プロセッサも表示されます。

「システムの物理プロセッサタイプを表示する方法」

システムの論理プロセッサタイプを表示します。 

psrinfo -v コマンドを使用し、システムの論理プロセッサタイプを表示します。

「システムの論理プロセッサタイプを表示する方法」

システムにインストールされているロケールを表示します。 

localeadm コマンドを使用し、システムにインストールされているロケールを表示します。

「システムにインストールされているロケールを表示する方法」

ロケールがシステムにインストールされているかどうかを調べます。 

localeadm コマンドの -q オプションとロケール名を使用して、そのロケールがシステムにインストールされているかどうかを調べます。

「ロケールがシステムにインストールされているかどうかを調べる方法」

システム情報の表示

次の表に、一般的なシステム情報を表示するためのコマンドを示します。

表 5–1 システム情報を表示するためのコマンド

コマンド 

表示されるシステム情報 

マニュアルページ 

date

日付と時刻 

date(1)

hostid

ホスト ID 

hostid(1)

isainfo

動作しているシステムのネイティブアプリケーションによってサポートされるビット数。ビット数は、トークンとしてスクリプトに渡すことができます。

isainfo(1)

isalist

x86 ベースのシステムのプロセッサタイプ 

psrinfo(1M)

localeadm

システムにインストールされているロケール 

localeadm(1M)

prtconf

システム構成情報、インストールされたメモリー、および製品名 

prtconf(1M)

psrinfo

プロセッサタイプ 

psrinfo(1M)

showrev

ホスト名、ホスト ID、リリース、カーネルアーキテクチャー、アプリケーションアーキテクチャー、ハードウェアプロバイダ、ドメイン、およびカーネルのバージョン 

showrev(1M)

uname

オペレーティングシステム名、リリース、バージョン、ノード名、ハードウェア名、およびプロセッサタイプ 

uname(1)

Procedureシステムで 32 ビットまたは 64 ビット機能が有効になっているか調べる方法

  1. isainfo コマンドを使用し、システムで 32 ビットまたは 64 ビット機能が有効になっているかどうかを確認します。


    # isainfo options
    

    isainfo コマンドをオプションなしで実行すると、現在の OS バージョンでサポートされるアプリケーションのネイティブ命令セットの名前が表示されます。

    -v

    ほかのオプションに関する詳細情報を表示します。

    -b

    ネイティブ命令セットのアドレス空間のビット数を表示します。

    -n

    OS の現在のバージョンでサポートされる、移植性のあるアプリケーションで使用されるネイティブ命令セットを表示します。

    -k

    デバイスドライバや STREAMS モジュールなどの OS カーネルコンポーネントで使用される命令セットの名前を表示します。


    注 –

    x86 ベースのシステムでは、isalist コマンドを使用してこの情報を表示することも可能です。

    詳細は、isalist(1) のマニュアルページを参照してください。



例 5–1 SPARC: システムで 32 ビットまたは 64 ビット機能が有効になっているか調べる

旧リリースの Oracle Solaris OS を 32 ビットカーネルで実行する UltraSPARC システムの isainfo コマンド出力は、次のように表示されます。


$ isainfo -v
32-bit sparc applications

この出力は、システムが 32 ビットアプリケーションだけをサポートすることを示します。

現在のリリースの Oracle Solaris OS で SPARC ベースのシステム用に出荷されるのは、64 ビットカーネルだけです。64 ビットカーネルを実行する UltraSPARC システムの isainfo コマンド出力は、次のように表示されます。


$ isainfo -v
64-bit sparcv9 applications 
32-bit sparc applications

この出力は、システムが 32 ビットと 64 ビットのアプリケーションを両方サポートすることを示しています。

動作しているシステムのネイティブアプリケーションによってサポートされるビット数を表示するには、isainfo -b コマンドを使用します。

32 ビット Oracle Solaris OS を実行する SPARC ベース、x86 ベース、UltraSPARC システムの出力は、次のように表示されます。


$ isainfo -b
32

64 ビット Oracle Solaris OS を実行する 64 ビット UltraSPARC システムの isainfo コマンド出力は、次のように表示されます。


$ isainfo -b
64

コマンドは 64 だけを返します。64 ビット UltraSPARC システムでは 32 ビットと 64 ビットのアプリケーションが両方動作しますが、64 ビットシステムで実行するには 64 ビットアプリケーションが最適です。



例 5–2 x86: システムで 32 ビットまたは 64 ビット機能が有効になっているか調べる

64 ビットカーネルを実行する x86 システムの isainfo コマンド出力は、次のように表示されます。


$ isainfo
amd64 i386

この出力は、システムが 64 ビットアプリケーションをサポートすることを示します。

x86 システムが 32 ビットカーネルを実行できるかどうか調べるには、isainfo -v コマンドを使用します。


$ isainfo -v
64-bit amd64 applications
        fpu tsc cx8 cmov mmx ammx a3dnow a3dnowx fxsr sse sse2 
32-bit i386 applications
        fpu tsc cx8 cmov mmx ammx a3dnow a3dnowx fxsr sse sse2 

この出力は、システムが 32 ビットと 64 ビットのアプリケーションを両方サポートすることを示しています。

動作しているシステムのネイティブアプリケーションによってサポートされるビット数を表示するには、isainfo -b コマンドを使用します。

32 ビット Oracle Solaris OS を実行する x86 システムの出力は、次のように表示されます。


$ isainfo -b
32

64 ビット Oracle Solaris OS を実行する x86 システムの isainfo コマンド出力は、次のように表示されます。


$ isainfo -b
64

また、x86 システムが 32 ビットモードと 64 ビットモードのどちらで動作しているかを判別するには、isalist コマンドも使用できます。


$ isalist
amd64 pentium_pro+mmx pentium_pro pentium+mmx pentium i486 i386 i86

上の例の amd64 は、システムで 64 ビットの 機能が有効になっていることを示します。


ProcedureOracle Solaris リリース情報を表示する方法

  1. リリースバージョンを特定するには、/etc/release ファイルの内容を表示します。


    $ cat /etc/release
                            Solaris 10 s10_51 SPARC
               Copyright 2004 Sun Microsystems, Inc.  All Rights Reserved.
                            Use is subject to license terms.
                                Assembled 21 January 2004

Procedure一般的なシステム情報を表示する方法

  1. 一般的なシステム情報を表示するには、 showrev コマンドを使用します。


    $ showrev options
    
    -a

    利用できるすべてのシステムリビジョン情報を表示します。

    -c (command)

    コマンドに関するリビジョン情報を表示します。

    -p

    パッチに関するリビジョン情報のみを表示します。

    -R (root_path)

    root_path として使用するディレクトリのフルパス名を定義します。

    -s (host name)

    この操作を実行するホスト名を指定します。

    -w

    OpenWindows のリビジョン情報のみを表示します。

    システム情報の表示には、uname コマンドも使用できます。次の例は、uname コマンドの出力を示します。-a オプションを使用すると、オペレーティングシステム名とともに、システムノード名、オペレーティングシステムのリリース、オペレーティングシステムのバージョン、ハードウェア名、およびプロセッサタイプが表示されます。


    $ uname
    SunOS
    $ uname -a
    SunOS starbug 5.10 Generic sun4u sparc SUNW,Ultra-5_10
    $

例 5–3 一般的なシステム情報を表示する

次の例は、showrev コマンドの出力を示します。-a オプションは、提供可能なあらゆるシステム情報を表示します。


$ showrev -a
Hostname: stonetouch
Hostid: 8099dfb9
Release: 5.10
Kernel architecture: sun4u
Application architecture: sparc
Hardware provider: Sun_Microsystems
Domain: boulder.Central.Sun.COM
Kernel version: SunOS 5.10 s10_46

OpenWindows version: 
Solaris X11 Version 6.6.2 20 October 2003

No patches are installed

Procedureシステムのホスト ID を表示する方法

  1. ホスト ID を 16 進形式で表示するには、hostid コマンドを使用します。


例 5–4 システムのホスト ID を表示する

次の例は、hostid コマンドの出力を示します。


$ hostid
80a5d34c

Procedureシステムの製品名を表示する方法

Solaris 10 1/06: prtconf コマンドの -b オプションを使用すると、システムの製品名を表示できます。この機能の詳細については、prtconf(1M) のマニュアルページを参照してください。

  1. システムの製品名を表示するには、-b オプションを付けて prtconf コマンドを使用します。


    % prtconf -b
    

例 5–5 システムの製品名を表示する

次に、prtconf -b コマンドの出力例を示します。


$ prtconf -b
name:  SUNW,Ultra-5_10
model:  SUNW,375-0066
banner-name:  Sun Ultra 5/10 UPA/PCI (UltraSPARC-IIi 333MHz)

次に、prtconf -vb コマンドの出力例を示します。


$ prtconf -vb
name:  SUNW,Ultra-5_10
model:  SUNW,375-0066
banner-name:  Sun Ultra 5/10 UPA/PCI (UltraSPARC-IIi 333MHz)
idprom: 01800800.20a6c363.00000000.a6c363a9.00000000.00000000.405555aa.aa555500
openprom model:  SUNW,3.15
openprom version: 'OBP 3.15.2 1998/11/10 10:35'

Procedureシステムにインストールされているメモリーを表示する方法

  1. システムにインストールされているメモリー容量を表示するには、prtconf コマンドを使用します。


例 5–6 システムにインストールされているメモリーを表示する

次の例は、prtconf コマンドの出力を示します。grep Memory コマンドは prtconf コマンドの出力内容を選別して、メモリー情報だけを表示します。


$ prtconf | grep Memory
Memory size: 128 Megabytes

Procedure日付と時刻を表示する方法

  1. システムクロックに従った現在の日付と時刻を表示するには、date コマンドを使用します。


例 5–7 日付と時刻を表示する

次の例は、date コマンドの出力を示します。


$ date
Wed Jan 21 17:32:59 MST 2004
$

Procedureシステムの物理プロセッサタイプを表示する方法

  1. psrinfo -p コマンドを使用し、システム上の物理プロセッサの合計数を表示します。


    $ psrinfo -p
    1

    psrinfo -pv コマンドを使用すると、システム上の各物理プロセッサのほか、各物理プロセッサに関連した仮想プロセッサの情報も表示されます。


    $ psrinfo -pv
    The UltraSPARC-IV physical processor has 2 virtual processors (8, 520)
    The UltraSPARC-IV physical processor has 2 virtual processors (9, 521)
    The UltraSPARC-IV physical processor has 2 virtual processors (10, 522)
    The UltraSPARC-IV physical processor has 2 virtual processors (11, 523)
    The UltraSPARC-III+ physical processor has 1 virtual processor (16)
    The UltraSPARC-III+ physical processor has 1 virtual processor (17)
    The UltraSPARC-III+ physical processor has 1 virtual processor (18)
    The UltraSPARC-III+ physical processor has 1 virtual processor (19)

    psrinfo -pv コマンドを x86 ベースのシステムで使用すると、以下の出力が表示されます。


    $ psrinfo -pv
    The i386 physical processor has 2 virtual processors (0, 2)
    The i386 physical processor has 2 virtual processors (1, 3)

Procedureシステムの論理プロセッサタイプを表示する方法

  1. psrinfo -v コマンドを使用して、システムのプロセッサタイプに関する情報を表示します。


    $ psrinfo -v
    

    x86 ベースのシステムでは、isalist コマンドを使用し、仮想プロセッサタイプを表示します。


    $ isalist
    

例 5–8 SPARC: システムのプロセッサタイプを表示する

この例では、SPARC システムのプロセッサタイプに関する情報を表示する方法を示します。


$ psrinfo -v
Status of virtual processor 0 as of: 04/16/2004 10:32:13
  on-line since 03/22/2004 19:18:27.
  The sparcv9 processor operates at 650 MHz,
  and has a sparcv9 floating point processor.


例 5–9 x86: システムのプロセッサタイプを表示する

この例では、x86 システムのプロセッサタイプに関する情報を表示する方法を示します。


$ isalist
pentium_pro+mmx pentium_pro pentium+mmx pentium i486 i386 i86

Procedureシステムにインストールされているロケールを表示する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. localeadm コマンドを使用し、システムに現在インストールされているロケールを表示します。-l オプションを使用すると、システムにインストールされているロケールを表示できます。次に例を示します。


    # localeadm -l
    Checking for installed pkgs. This could take a while.
    
    Checking for Australasia region (aua)
    (1of2 pkgs)
    |......|
    .
    .
    .
    The following regions are installed on concordance on Wed Dec 17 15:13:00 MST 2003
    
    
    POSIX (C)
    
    Central Europe (ceu)
    [ Austria, Czech Republic, Germany, Hungary, Poland, Slovakia, 
    Switzerland (German), Switzerland (French) ]
    
    Done.

Procedureロケールがシステムにインストールされているかどうかを調べる方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. システムにロケールがインストールされているかどうかは、 localeadm コマンドを使用して調べます。-q オプションとロケール名を使用して、そのロケールがインストールされているかどうかをシステムに照会します。たとえば、中央ヨーロッパ地域 (ceu) がシステムにインストールされているかどうかを調べるには、次のように実行します。


    # localeadm -q ceu
    locale/region name is ceu
    Checking for Central Europe region (ceu)
    .
    .
    .
    The Central Europe region (ceu) is installed on this system