Solaris のシステム管理 (IP サービス)

IPv6 アドレス指定計画の準備

IPv4 から IPv6 への移行の大部分は、アドレス指定計画の立案です。この作業には、次の前準備が必要です。

サイト接頭辞の取得

IPv6 を構成する前に、サイト接頭辞を取得する必要があります。サイト接頭辞は、自分の IPv6 実装におけるすべてのノードの IPv6 アドレスを抽出するときに使用します。サイト接頭辞の概要については、「IPv6 の接頭辞」を参照してください。

IPv6 をサポートする ISP は、48 ビットの IPv6 サイト接頭辞を提供できます。現在の ISP が IPv4 しかサポートしない場合、現在の ISP を IPv4 サポート用に残したまま、別の ISP を IPv6 サポート用に使用できます。このような場合の回避方法は複数あります。詳細については、「現在の ISP が IPv6 をサポートしない」を参照してください。

企業自身が ISP である場合、顧客のサイト接頭辞は適切なインターネットレジストリから取得します。詳細については、Internet Assigned Numbers Authority (IANA) を参照してください。

IPv6 番号付けスキームの作成

IPv6 ネットワークがまったく新しいものでない限り、既存の IPv4 トポロジを IPv6 番号付けスキームとして使用します。

サブネット用の番号付けスキームの作成

番号付けスキームを開始するには、まず、既存の IPv4 サブネットを等価な IPv6 サブネットにマッピングします。たとえば、図 4–1 で示したサブネットを考えてください。サブネット 1 からサブネット 4 までは、RFC 1918 の IPv4 専用アドレス指定を使用して、アドレスの最初の 16 ビットを指定し、さらに、1 から 4 までの数字を使用して、サブネットを指定しています。この例では、IPv6 接頭辞 2001:db8:3c4d/48 がサイトに割り当てられていると仮定します。

次の表に、専用アドレスの IPv4 接頭辞から IPv6 接頭辞にマッピングする方法を示します。

IPv4 サブネット接頭辞 

等価な IPv6 サブネット接頭辞  

192.168.1.0/24

2001:db8:3c4d:1::/64

192.168.2.0/24

2001:db8:3c4d:2::/64

192.168.3.0/24

2001:db8:3c4d:3::/64

192.168.4.0/24

2001:db8:3c4d:4::/64

ノードの IPv6 アドレス指定計画の立案

ほとんどのホストにおいて、インタフェースに IPv6 アドレスを構成するのに適切で時間がかからない戦略は、ステートレス自動構成です。ホストが最も近いルーターからサイト接頭辞を受信したとき、近傍検索プロトコルは自動的に、ホストの各インタフェースに IPv6 アドレスを生成します。

サーバーは安定した IPv6 アドレスを持つ必要があります。サーバーの IPv6 アドレスを手動で構成しない場合、サーバーの NIC カードを交換したときには、新しい IPv6 アドレスが自動構成されます。サーバーのアドレスを作成するときには、次のことを覚えておいてください。

IPv4 アドレスの数には制限があるため、ネットワーク設計者は、既に登録済みのグローバルアドレスや RFC 1918 専用アドレスをどのように使用するかを考える必要がありました。しかし、IPv4 のグローバルアドレスや専用アドレスの表記は IPv6 アドレスには適用されません。サイト接頭辞を含むグローバルユニキャストは、ネットワークのすべてのリンクで使用できます (公開 DMZ を含む)。