Solaris のシステム管理 (IP サービス)

Procedure6to4 リレールーターとの間の 6to4 トンネルを設定する方法


注意 – 注意 –

セキュリティー上の大きな問題のため、Oracle Solaris では、6to4 リレールーターのサポートはデフォルトでは無効になっています。「6to4 リレールーターへのトンネルを作成するときのセキュリティー問題」を参照してください。


始める前に

6to4 リレールーターとの間のトンネルを有効にする前に、次の作業を完了しておく必要があります。

  1. 6to4 ルーターに Primary Administrator またはスーパーユーザーとしてログインします。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. 次のどちらか一方を使用し、6to4 リレールーターとの間のトンネルを有効にします。

    • エニーキャスト 6to4 リレールーターとの間のトンネルを有効にします。


      # /usr/sbin/6to4relay -e
      

      -e オプションは、6to4 ルーターとエニーキャスト 6to4 リレールーターの間にトンネルを設定します。エニーキャスト 6to4 リレールーターは既知の IPv4 アドレス 192.88.99.1 を持っています。サイトに物理的にもっとも近いエニーキャストリレールーターが、6to4 トンネルのエンドポイントになります。このリレールーターは、6to4 サイトとネイティブ IPv6 サイト間のパケット転送を処理します。

      エニーキャスト 6to4 リレールーターの詳細については、RFC 3068, "An Anycast Prefix for 6to4 Relay Routers" を参照してください。

    • 特定の 6to4 リレールーターとの間のトンネルを有効にします。


      # /usr/sbin/6to4relay -e -a relay-router-address
      

      -a オプションは、特定のルーターアドレスが続くことを示します。relay-router-address には、トンネルを有効にするために使用する特定の 6to4 リレールーターの IPv4 アドレスを指定してください。

    6to4 リレールーターとの間のトンネルは、6to4 トンネル擬似インタフェースが削除されるまでアクティブな状態を維持します。

  3. 6to4 リレールーターとの間のトンネルが必要なくなったときには、このトンネルを削除します。


    # /usr/sbin/6to4relay -d
    
  4. (省略可能) リブートを行なっても 6to4 リレールーターとの間のトンネルが持続するように設定します。

    サイトによっては、6to4 ルーターがリブートするたびに 6to4 リレールーターとの間のトンネルを元に戻さざるをえない場合があるでしょう。このような状況に対応するためには、次の作業を行う必要があります。

    1. /etc/default/inetinit ファイルを編集します。

      変更が必要な行は、ファイルの最後にあります。

    2. ACCEPT6TO4RELAY=NO という行の値 “NO” を “YES” に変更します。

    3. (省略可能) 特定の 6to4 リレールーターとの間で、リブートを行なっても持続するトンネルを構築します。

      パラメータ RELAY6TO4ADDR のために、アドレス 192.88.99.1 を、使用したい 6to4 リレールーターの IPv4 アドレスに変更してください。


例 7–14 6to4 リレールーターサポートの状態情報の取得

/usr/bin/6to4relay コマンドを使用し、6to4 リレールーターのサポートが有効になっているかどうかを確認できます。次の例は、6to4 リレールーターのサポートを無効にした場合 (これが Oracle Solaris のデフォルト) の出力です。


# /usr/sbin/6to4relay
6to4relay: 6to4 Relay Router communication support is disabled.

6to4 リレールーターのサポートを有効にすると、次のメッセージが表示されます。


# /usr/sbin/6to4relay
6to4relay: 6to4 Relay Router communication support is enabled.
IPv4 remote address of Relay Router=192.88.99.1