Solaris のシステム管理 (IP サービス)

予約済み IP アドレスを DHCP クライアントに割り当てる

Oracle Solaris DHCP サービスは、以前に DHCP を使用してアドレスを取得したクライアントに同じ IP アドレスを与えようとします。ただし、ときには、アドレスがすでに別のクライアントに再割り当てられていることがあります。

ルーターや、NIS/NIS+ サーバー、DNS サーバーなど、ネットワークにとって致命的なホストは DHCP クライアントになるべきではありません。ネットワークにサービスを提供するホストは、自らの IP アドレスを取得する際にネットワークに依存することは避ける必要があります。同じように、印刷サーバーやファイルサーバーなどのクライアントは、固定 IP アドレスをもつ必要があります。このようなクライアントは、そのネットワーク構成を受け取り、DHCP サーバーから固定 IP アドレスの割り当てることができます。

クライアントがその構成を要求するたびに同じ IP アドレスをクライアントに割り当てるように DHCP サーバーを設定できます。そのクライアント用に IP アドレスを予約するには、クライアントに割り当てるアドレスにクライアントの ID を手動で割り当てる必要があります。予約済みアドレスでは、動的リースか常時リースを使用できます。クライアントのアドレスで動的リースを使用する場合には、アドレスの使用を追跡することは簡単です。動的リースで予約済みアドレスを使用すべきクライアントの例としては、ディスクレスクライアントがあります。クライアントのアドレスで常時リースを使用する場合には、アドレスの使用を追跡することはできません。クライアントは常時リースを取得してしまうと、クライアントはサーバーに再度アクセスしません。クライアントは、更新された構成情報を取得するためには、IP アドレスを解放し、 DHCP とリースのネゴシエーションを再開する必要があります。

リース属性の設定には、pntadm -M コマンドか DHCP マネージャの「アドレスの属性 (Address Properties)」ダイアログボックスが使用できます。

次に、リースを変更するために使用する「アドレスの属性 (Address Properties)」ダイアログボックスの「リース (Lease)」タブを示します。

図 15–13 DHCP マネージャの「リース (Lease)」タブ

「リース (Lease)」タブには、「クライアント ID (Client ID)」フィールド、「予約 (Reserved)」チェックボックス、および「リースポリシー (Lease Policy)」、「(BOOTP clients)」、「(Address is unusable)」の設定フィールドなどがあります。