Solaris のシステム管理 (IP サービス)

第 28 章 モバイル IP の管理 (手順)

この章では、モバイル IP 構成ファイルのパラメータの変更、追加、削除、および表示の方法について説明します。また、モビリティーエージェント状態の表示方法についても説明します。

この章では、次の内容について説明します。

モバイル IP の概要については、第 27 章モバイル IP (概要)を参照してください。モバイル IP の詳細については、第 29 章モバイル IP のファイルおよびコマンド (リファレンス)を参照してください。


注 –

モバイル IP 機能は、Solaris 10 8/07 よりあとの Solaris 10 Update から削除されました。


モバイル IP 構成ファイルの作成 (作業マップ)

作業 

説明 

説明 

モバイル IP 構成ファイルの作成 

/etc/inet/mipagent.conf ファイルの作成またはサンプルファイルの 1 つのコピーを含む。

「モバイル IP 構成ファイルを作成する方法」

General セクションの構成

バージョン番号のモバイル IP 構成ファイルの General セクションへの挿入を含む。

General セクションを構成する方法」

Advertisements セクションの構成

ラベルおよび設定値の追加、またはモバイル IP 構成ファイルの Advertisements セクション内のラベルおよび設定値の変更を含む。

Advertisements セクションを構成する方法」

GlobalSecurityParameters セクションの構成

ラベルおよび設定値の追加、またはモバイル IP 構成ファイルの GlobalSecurityParameters セクション内のラベルおよび設定値の変更を含む。

GlobalSecurityParameters セクションを構成する方法」

Pool セクションの構成

ラベルおよび設定値の追加、またはモバイル IP 構成ファイルの Pool セクション内のラベルおよび設定値の変更を含む。

Pool セクションを構成する方法」

SPI セクションの構成

ラベルおよび設定値の追加、またはモバイル IP 構成ファイルの SPI セクションのラベルおよび設定値の変更を含む。

SPI セクションを構成する方法」

Address セクションの構成

ラベルおよび設定値の追加、またはモバイル IP 構成ファイルの Address セクションのラベルおよび設定値の変更を含む。

Address セクションを構成する方法」

モバイル IP 構成ファイルの作成

この項では、モバイル IP の準備と /etc/inet/mipagent.conf ファイルの作成を行います。

Procedureモバイル IP に対する準備方法

mipagent.conf ファイルを初めて構成する場合は、次の作業を行う必要があります。

  1. ホストに対する組織の要件に従って、モバイル IP エージェントで提供する機能を決めます。

    • 外来エージェント機能のみ

    • ホームエージェント機能のみ

    • 外来エージェントとホームエージェント機能の両方

  2. /etc/inet/mipagent.conf ファイルを作成し、この節で説明する手順に従って必要な設定を入力します。次に示すファイルの 1 つを /etc/inet/mipagent.conf にコピーし、要求条件に応じて変更することもできます。

    • 外来エージェント機能用には、/etc/inet/mipagent.conf.fa-sample をコピーします。

    • ホームエージェント機能用には、/etc/inet/mipagent.conf.ha-sample をコピーします。

    • 外来エージェントとホームエージェントの両機能用には、/etc/inet/mipagent.conf-sample をコピーします。

  3. システムをリブートすることによって、mipagent デーモンを起動するブートスクリプトを起動できます。あるいは、次のコマンドを使って mipagent を起動することもできます。


    # /etc/inet.d/mipagent start

Procedureモバイル IP 構成ファイルを作成する方法

  1. モバイル IP を使用可能にしたいシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. 次のオプションの 1 つを使って /etc/inet/mipagent.conf ファイルを作成します。

    • /etc/inet ディレクトリで mipagent.conf という空ファイルを作成します。

    • 次のリストから、必要な /etc/inet/mipagent.conf ファイルの機能を提供するサンプルファイルをコピーします。

      • /etc/inet/mipagent.conf.fa-sample

      • /etc/inet/mipagent.conf.ha-sample

      • /etc/inet/mipagent.conf-sample

  3. 構成条件に応じて /etc/inet/mipagent.conf ファイル内に構成パラメータを追加または変更します。

    次の各手順では、/etc/inet/mipagent.conf 内のセクションをどのようにして変更するかについて説明します。

ProcedureGeneral セクションを構成する方法

前の手順で /etc/inet ディレクトリにあるサンプルファイルをコピーしたのであれば、この手順を行う必要はありません。サンプルファイルには、この項目がすでに含まれているからです。このセクションで使用するラベルや値の説明については、General セクション」を参照してください。

  1. /etc/inet/mipagent.conf ファイルを編集して次の行を追加します。


    [General]
         Version = 1.0

    注 –

    /etc/inet/mipagent.conf ファイルには、この項目が含まれていなければなりません。


ProcedureAdvertisements セクションを構成する方法

このセクションで使用するラベルや値の説明については、Advertisements セクション」を参照してください。

  1. /etc/inet/mipagent.conf ファイルを編集し、構成に必要な設定値を使用して次の行を追加または変更します。


    [Advertisements interface]
         HomeAgent = <yes/no>
         ForeignAgent = <yes/no>
         PrefixFlags = <yes/no>
         AdvertiseOnBcast = <yes/no>
         RegLifetime = n
         AdvLifetime = n
         AdvFrequency = n
         ReverseTunnel = <yes/no/FA/HA/both>
         ReverseTunnelRequired = <yes/no/FA/HA>

    注 –

    モバイルIP サービスを提供するローカルホストの各インタフェースには、それぞ れ異なる Advertisements セクションを指定しなければなりません。


ProcedureGlobalSecurityParameters セクションを構成する方法

このセクションで使用されるラベルと値の説明については、GlobalSecurityParameters セクション」を参照してください。

  1. /etc/inet/mipagent.conf ファイルを編集し、構成に必要な設定値を使用して次の行を追加または変更します。


    [GlobalSecurityParameters]
         MaxClockSkew = n
         HA-FAauth = <yes/no>
         MN-FAauth = <yes/no>
         Challenge = <yes/no>
         KeyDistribution = files

ProcedurePool セクションを構成する方法

このセクションで使用されるラベルと値の説明については、Pool セクション」を参照してください。

  1. /etc/inet/mipagent.conf ファイルを編集します。

  2. 次の行を追加または変更して、構成に必要な値を指定します。


    [Pool pool-identifier]
         BaseAddress = IP-address
         Size = size
    

ProcedureSPI セクションを構成する方法

このセクションで使用するラベルや値の説明については、SPI セクション」を参照してください。

  1. /etc/inet/mipagent.conf ファイルを編集します。

  2. 次の行を追加または変更して、構成に必要な値を指定します。


    [SPI SPI-identifier]
         ReplayMethod = <none/timestamps>
         Key = key
    

    注 –

    配置した各セキュリティーコンテキストに対して異なる SPI セクションを指定しなければなりません。


ProcedureAddress セクションを構成する方法

このセクションで使用するラベルや値の説明については、Address セクション」を参照してください。

  1. /etc/inet/mipagent.conf ファイルを編集します。

  2. 次の行を追加または変更して、構成に必要な値を指定します。

    • モバイルモードの場合は、次のようにします。


      [Address address]
           Type = node
           SPI = SPI-identifier
    • エージェントの場合は、次のようにします。


      [Address address]
           Type = agent
           SPI = SPI-identifier
           
      
    • 自身の NAI によって識別されるモバイルノードの場合は、次のようにします。


      [Address NAI]
           Type = Node
           SPI = SPI-identifier
           Pool = pool-identifier
      
    • デフォルトモバイルノードの場合は、次のようにします。


      [Address Node-Default]
           Type = Node
           SPI = SPI-identifier
           Pool = pool-identifier
      

モバイル IP 構成ファイルの変更 (作業マップ)

作業 

説明 

説明 

General セクションの変更

mipagentconfig change コマンドを使用してモバイル IP 構成ファイルの General セクション内のラベル値を変更します。

General セクションを変更する方法」

Advertisements セクションの変更

mipagentconfig change コマンドを使用してモバイル IP 構成ファイルの Advertisements セクション内のラベル値を変更します。

Advertisements セクションを変更する方法」

GlobalSecurityParameters セクションの変更

mipagentconfig change コマンドを使用してモバイル IP 構成ファイルの GlobalSecurityParameters セクション内のラベル値を変更します。

GlobalSecurityParameters セクションを変更する方法」

Pool セクションの変更

mipagentconfig change コマンドを使用してモバイル IP 構成ファイルの Pool セクション内のラベル値を変更します。

Pool セクションを変更する方法」

SPI セクションの変更

mipagentconfig change コマンドを使用してモバイル IP 構成ファイルの SPI セクション内のラベル値を変更します。

SPI セクションを変更する方法」

Address セクションの変更

mipagentconfig change コマンドを使用してモバイル IP 構成ファイルの Address セクション内のラベル値を変更します。

Address セクションを変更する方法」

パラメータの追加または削除 

mipagentconfig add または delete コマンドを使用して新しいパラメータ、ラベル、または設定値を追加、あるいはモバイル IP 構成ファイルの任意のセクション内の既存の項目を変更します。

「構成ファイルのパラメータを追加または削除する方法」

パラメータ宛先の現在の設定値の表示 

mipagentconfig get コマンドを使用してモバイル IP 構成ファイルの任意のセクション内の現在の設定値を表示します。

「構成ファイルの現在のパラメータ値を表示する方法」

モバイル IP 構成ファイルの変更

この節では、mipagentconfig コマンドを使用してモバイル IP 構成ファイルを変更する方法を説明します。さらに、パラメータの宛先の現在の設定値を表示する方法についても説明します。

「モビリティー IP エージェントの構成」 コマンドの使用に関する概念的な説明については、Configuring the Mobility IP Agentを参照してください。さらに、mipagentconfig(1M) のマニュアルページもご覧ください。

ProcedureGeneral セクションを変更する方法

  1. モバイル IP を使用可能にしたいシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. コマンド行で、General セクション内の変更したい各ラベルに対して次のコマンドを入力します。


    # mipagentconfig change <label> <value>

例 28–1 General セクションのパラメータの変更

次の例では、構成ファイルの General セクション内のバージョン番号を変更する方法を示しています。


# mipagentconfig change version 2

ProcedureAdvertisements セクションを変更する方法

  1. モバイル IP を使用可能にしたいシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. Advertisements セクション内の変更したい各ラベルに対して次のコマンドを入力します。


    # mipagentconfig change adv device-name <label> <value>

    たとえば、エージェントの通知された有効期間をデバイス hme0 に対して 300 秒に変更したい場合は、次のコマンドを使用します。


    # mipagentconfig change adv hme0 AdvLifetime 300

例 28–2 Advertisements セクションの変更

次の例は、構成ファイルの Advertisements セクション内のその他のパラメータを変更する方法を示しています。


# mipagentconfig change adv hme0 HomeAgent yes
# mipagentconfig change adv hme0 ForeignAgent no
# mipagentconfig change adv hme0 PrefixFlags no
# mipagentconfig change adv hme0 RegLifetime 300
# mipagentconfig change adv hme0 AdvFrequency 4
# mipagentconfig change adv hme0 ReverseTunnel yes

ProcedureGlobalSecurityParameters セクションを変更する方法

  1. モバイル IP を使用可能にしたいシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. GlobalSecurityParameters セクション内の変更したい各ラベルに対して次のコマンドを入力します。


    # mipagentconfig change <label> <value>

    たとえば、ホームエージェントおよび外来エージェント認証を有効にしたい場合は、次のコマンドを使用します。


    # mipagentconfig change HA-FAauth yes

例 28–3 GlobalSecurityParameters セクションの変更

次の例では、構成ファイルの GlobalSecurityParameters セクション内のその他のパラメータを変更する方法を示しています。


# mipagentconfig change MaxClockSkew 200
# mipagentconfig change MN-FAauth yes
# mipagentconfig change Challenge yes
# mipagentconfig change KeyDistribution files

ProcedurePool セクションを変更する方法

  1. モバイル IP を使用可能にしたいシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. Pool セクション内の変更したい各ラベルに対して次のコマンドを入力します。


    # mipagentconfig change Pool pool-identifier <label> <value>

例 28–4 Pool セクションの変更

次の例では、基底アドレスを 192.168.1.1 に、Pool のサイズを 10 から 100 にそれぞれ変更します。


# mipagentconfig change Pool 10 BaseAddress 192.168.1.1
# mipagentconfig change Pool 10 Size 100

ProcedureSPI セクションを変更する方法

  1. モバイル IP を使用可能にしたいシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. SPI セクション内の変更したい各ラベルに対して次のコマンドを入力します。


    # mipagentconfig change SPI SPI-identifier <label> <value>

    たとえば、SPI 257 のキーを 5af2aee39ff0b332 に変更する場合は、次のコマンドを使用します。


    # mipagentconfig change SPI 257 Key 5af2aee39ff0b332

例 28–5 SPI セクションの変更

次の例では、構成ファイルの SPI セクション内の ReplayMethod ラベルを変更する方法を示しています。


# mipagentconfig change SPI 257 ReplayMethod timestamps

ProcedureAddress セクションを変更する方法

  1. モバイル IP を使用可能にしたいシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. Address セクション内の変更したい各ラベルに対して次のコマンドを入力します。


    # mipagentconfig change addr [NAI | IPaddr | node-default] <label> <value>

    3 つの構成方式 (NAI、IP アドレス、ノードデフォルト) の説明については、Address セクション」を参照してください。

    たとえば、IP アドレス 10.1.1.1 の SPI を 258 に変更する場合は、次のコマンドを使用します。


    # mipagentconfig change addr 10.1.1.1 SPI 258

例 28–6 Address セクションの変更

次の例では、サンプル構成ファイルの Address セクションに指定されたその他のパラメータを変更する方法を示しています。


# mipagentconfig change addr 10.1.1.1 Type agent
# mipagentconfig change addr 10.1.1.1 SPI 259
# mipagentconfig change addr mobilenode@abc.com Type node
# mipagentconfig change addr mobilenode@abc.com SPI 258
# mipagentconfig change addr mobilenode@abc.com Pool 2
# mipagentconfig change addr node-default SPI 259
# mipagentconfig change addr node-default Pool 3
# mipagentconfig change addr 10.68.30.36 Type agent
# mipagentconfig change addr 10.68.30.36 SPI 260

Procedure構成ファイルのパラメータを追加または削除する方法

  1. モバイル IP を使用可能にしたいシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. 指定したセクションに対して追加または削除したい各ラベルについてコマンドを入力します。

    • General セクション


      # mipagentconfig [add | delete] <label> <value>
    • Advertisements セクション


      # mipagentconfig [add | delete] adv device-name <label> <value>

      注 –

      次のコマンドを入力してインタフェースを追加できます。


      # mipagentconfig add adv device-name
      

      この場合、デフォルト値は (外来エージェントおよびホームエージェントに対する) インタフェースに割り当てられます。


    • GlobalSecurityParameters セクション


      # mipagentconfig [add | delete] <label> <value>
    • Pool セクション


      # mipagentconfig [add | delete] Pool pool-identifier <label> <value>
    • SPI セクション


      # mipagentconfig [add | delete] SPI SPI-identifier <label> <value>
    • Address セクション


      # mipagentconfig [add | delete] addr [NAI | IP-address | node-default] \
      <label> <value>

    注 –

    同じ内容の AdvertisementsPool SPI、および Address セクションは作成できないので注意してください。



例 28–7 ファイルパラメータの変更

たとえば、基底アドレスが 192.167.1.1 でサイズが 100 の新しいアドレスプール Pool 11 を作成したい場合、次のコマンドを使用します。


# mipagentconfig add Pool 11 BaseAddress 192.167.1.1 
# mipagentconfig add Pool 11 size 100


例 28–8 SPI の削除

次の例では、SPI セキュリティーパラメータ SPI 257 を削除します。


# mipagentconfig delete SPI 257

Procedure構成ファイルの現在のパラメータ値を表示する方法

mipagentconfig get コマンドを使用して、パラメータ宛先に関連付けられている現在の設定を表示できます。

  1. モバイル IP を使用可能にするシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. 設定値を表示したい各パラメータについて次のコマンドを入力します。


    # mipagentconfig get [<parameter> | <label>] 

    たとえば、hme0 デバイスに対する通知設定を表示する場合、次のコマンドを使用します。


    # mipagentconfig get adv hme0

    その結果、次のような出力が表示されます。


    [Advertisements hme0]
       HomeAgent = yes
       ForeignAgent = yes

例 28–9 mipagentconfig get コマンドでパラメータ値を表示する

次の例は、その他のパラメータ宛先に mipagentconfig get コマンドを使用した結果です。


# mipagentconfig get MaxClockSkew
      [GlobalSecurityParameters]
         MaxClockSkew=300

# mipagentconfig get HA-FAauth
      [GlobalSecurityParameters]
         HA-FAauth=no

# mipagentconfig get MN-FAauth
      [GlobalSecurityParameters]
         MN-FAauth=no

# mipagentconfig get Challenge
      [GlobalSecurityParameters]
         Challenge=no

# mipagentconfig get Pool 10
      [Pool 10]
         BaseAddress=192.168.1.1
         Size=100

# mipagentconfig get SPI 257
      [SPI 257]
         Key=11111111111111111111111111111111
         ReplayMethod=none

# mipagentconfig get SPI 258
      [SPI 258]
         Key=15111111111111111111111111111111
         ReplayMethod=none

# mipagentconfig get addr 10.1.1.1
      [Address 10.1.1.1]
         SPI=258
         Type=agent

# mipagentconfig get addr 192.168.1.200
      [Address 192.168.1.200]
         SPI=257
         Type=node

モビリティーエージェント状態の表示

mipagentstat コマンドを使用して、外来エージェントのビジターリストおよびホームエージェントの結合テーブルを表示できます。「モバイル IP モビリティーエージェントの状態」 コマンドの概念的な説明については、Mobile IP Mobility Agent Statusを参照してください。詳細は、mipagentstat(1M) のマニュアルページでも説明しています。

Procedureモビリティーエージェント状態を表示する方法

  1. モバイル IP を使用可能にするシステムでスーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. モビリティーエージェント状態の表示


    # mipagentstat options 
    
    -f

    外来エージェントのビジターリストに稼動中のモバイルノードの一覧を表示する

    -h

    ホームエージェントの結合テーブルに稼動中のモバイルノードの一覧を表示する

    -p

    エージェントのモビリティーエージェントピアとセキュリティーアソシエーションの一覧を表示する


例 28–10 モビリティーエージェント状態の表示

たとえば、外来エージェントに登録された全モバイルノードのビジターリストを表示するには、次のコマンドを使用します。


# mipagentstat -f

その結果、次のような出力が表示されます。


Mobile Node     Home Agent     Time (s)     Time (s)  Flags
                               Granted      Remaining
--------------- -------------- ------------ --------- -----
foobar.xyz.com  ha1.xyz.com    600          125       .....T.
10.1.5.23       10.1.5.1       1000         10        .....T.

その結果、次のような出力が表示されます。


Foreign                  ..... Security Association(s).....
Agent                    Requests Replies  FTunnel  RTunnel
----------------------   -------- -------- -------- --------
forn-agent.eng.sun.com   AH       AH       ESP      ESP

次の例では、ホームエージェントのセキュリティーアソシエーションを表示します。


# mipagentstat -fp

その結果、次のような出力が表示されます。


Home                     ..... Security Association(s) .....
Agent                    Requests Replies  FTunnel  RTunnel
----------------------   -------- -------- -------- --------
home-agent.eng.sun.com   AH       AH       ESP      ESP
ha1.xyz.com              AH,ESP   AH       AH,ESP   AH,ESP

外来エージェントでのモビリティー経路制御の表示

netstat コマンドを使用して、順方向および逆方向トンネルによって作成される発信元固有の経路制御に関する追加情報を表示できます。このコマンドの詳細については、netstat(1M) のマニュアルページを参照してください。

Procedure外来エージェントでモビリティー経路制御を表示する方法

  1. モバイル IP を使用可能にするシステムでスーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. モビリティールートを表示します。


    # netstat -rn 

例 28–11 外来エージェントでのモビリティー経路制御の表示

次の例は、逆方向トンネルを使用する外来エージェントの経路制御を示します。


Routing Table:   IPv4 Source-Specific     
Destination      In If     Source      Gateway Flags  Use  Out If
--------------  ------- ------------ --------- -----  ---- -------
10.6.32.11      ip.tun1      --      10.6.32.97  UH      0 hme1
    --          hme1    10.6.32.11       --      U       0 ip.tun1

最初の行は、宛先 IP アドレス 10.6.32.11 と着信インタフェース ip.tun1 がパケットを転送するインタフェースとして hme1 を選択していることを表します。次の行は、インタフェース hme1 から発信する任意のパケットと発信元アドレス 10.6.32.11ip.tun1 に転送されることを表しています。