Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

NFS のエラーメッセージ

この節では、エラーメッセージとそのエラーを発生させる原因となった状態について説明し、1 つ以上の解決策を提供しています。


Bad argument specified with index option - must be a file

対処方法:

index オプションにはファイル名を指定する必要があります。ディレクトリ名は使用できません。


Cannot establish NFS service over /dev/ tcp: transport setup problem

説明:

このメッセージは、名前空間の中のサービス情報が更新されなかったときによく出力されます。またこのメッセージは、UDP の状態を示すことがあります。

対処方法:

この問題を解決するには、名前空間の中のサービスデータを更新します。

NIS+ の場合、エントリは次のとおりです。


nfsd nfsd tcp 2049 NFS server daemon
nfsd nfsd udp 2049 NFS server daemon

NIS と /etc/services の場合、エントリは次のとおりです。


nfsd    2049/tcp    nfs    # NFS server daemon
nfsd    2049/udp    nfs    # NFS server daemon

Cannot use index option without public option

対処方法:

share コマンドの index オプションに public オプションを指定してください。index オプションを使用するには、公開ファイルハンドルを定義する必要があります。


注 –

Solaris 2.5.1 では、share コマンドを使って公開ファイルハンドルを設定する必要があります。Solaris 2.6 リリースにおいて、公開ファイルハンドルはデフォルトでルート (/) に設定されるように変更されました。このエラーメッセージは出力されません。



Could not start daemon : error

説明:

このメッセージは、デーモンが異常終了するか、システムコールにエラーが発生した場合に表示されます。error の文字列によって、問題が特定されます。

対処方法:

サポートが必要な場合は、ご購入先に連絡してください。このエラーメッセージが出力されることはほとんどなく、直接的な解決策はありません。


Could not use public filehandle in request to server

説明:

このメッセージは、public オプションが指定されているにもかかわらず NFS サーバーが公開ファイルハンドルをサポートしていない場合に表示されます。この場合、マウントが失敗します。

対処方法:

この問題を解決するには、公開ファイルハンドルを使用しないでマウント要求を行うか、NFS サーバーが公開ファイルハンドルをサポートするように設定し直します。


daemon running already with pid pid

説明:

デーモンがすでに実行されています。

対処方法:

新たにデーモンを実行する場合は、現在のデーモンを終了し、新しいデーモンを開始します。


error locking lock file

説明:

このメッセージは、デーモンに関連付けられている lock file を正しくロックできなかった場合に表示されます。

対処方法:

サポートが必要な場合は、ご購入先に連絡してください。このエラーメッセージが出力されることはほとんどなく、直接的な解決策はありません。


error checking lock file : error

説明:

このメッセージは、デーモンに関連付けられている lock file を正しく開くことができなかった場合に表示されます。

対処方法:

サポートが必要な場合は、ご購入先に連絡してください。このエラーメッセージが出力されることはほとんどなく、直接的な解決策はありません。


NOTICE: NFS3: failing over from host1 to host2

説明:

このメッセージは、フェイルオーバーが発生するとコンソールに表示されます。報告のためだけのメッセージです。

対処方法:

何もする必要はありません。


filename: File too large

説明:

NFS version 2 のクライアントが、2G バイトを超えるサイズのファイルにアクセスしようとしています。

対処方法:

NFS version 2 を使用しないでください。 version 3 または version 4 を使用してファイルシステムをマウントします。nolargefiles オプションについては、「NFS ファイルシステム用の mount オプション」を参照してください。


mount: ... server not responding:RPC_PMAP_FAILURE - RPC_TIMED_OUT

説明:

実行レベルの誤りか、rpcbind の停止かハングアップのため、マウント先のファイルシステムを共有しているサーバーがダウンしているかまたはそこに到達できません。

対処方法:

サーバーがリブートするまで待機します。サーバーがハングアップしている場合は、サーバーをリブートします。


mount: ... server not responding: RPC_PROG_NOT_REGISTERED

説明:

マウント要求が rpcbind によって登録されているにもかかわらず、NFS マウントデーモン (mountd) が登録されていません。

対処方法:

サーバーがリブートするまで待機します。サーバーがハングアップしている場合は、サーバーをリブートします。


mount: ... No such file or directory

説明:

リモートディレクトリもローカルディレクトリも存在しません。

対処方法:

ディレクトリ名のスペルをチェックします。両方のディレクトリで ls コマンドを実行します。


mount: ...: Permission denied

説明:

コンピュータ名が、クライアントのリストに載っていないか、マウントするファイルシステムにアクセスできるネットグループに含まれていません。

対処方法:

showmount -e を実行し、アクセスリストを確認してください。


NFS file temporarily unavailable on the server, retrying ...

説明:

NFS version 4 サーバーでは、ファイルの管理をクライアントに委託できます。このメッセージは、クライアントからの要求と重複するほかのクライアントへの委託を、サーバーが再発信していることを示します。

対処方法:

サーバーがクライアントの要求を処理する前に、再発信が行われる必要があります。委託の詳細は、「NFS version 4 における委託」を参照してください。


NFS fsstat failed for server hostname: RPC: Authentication error

説明:

さまざまな状況で発生するエラーです。もっともデバッグが困難なのは、ユーザーの属しているグループが多すぎる場合です。現在、ユーザーは最大 16 個のグループに属すことができますが、NFS マウントでファイルにアクセスしている場合は、それよりも少なくなります。

対処方法:

ただし、ユーザーが 17 個以上のグループに所属する必要がある場合の方法もあります。NFS サーバーおよび NFS クライアントで Solaris 2.5 リリース以降が動作している場合は、アクセス制御リストを使用して、必要なアクセス特権を与えることができます。


nfs mount: ignoring invalid option “ -option

説明:

-option フラグが無効です。

対処方法:

必要な構文を確認するには、mount_nfs(1M) のマニュアルページを参照してください。


注 –

このエラーメッセージは、Solaris 2.6 以降、または Solaris 2.6 より前のバージョンにパッチを適用した状態で mount コマンドを実行したときには表示されません。



nfs mount: NFS can't support “nolargefiles”

説明:

NFS クライアントが、-nolargefiles オプションを使用して NFS サーバーからファイルシステムをマウントしようとしました。

対処方法:

このオプションは、NFS ファイルシステムタイプに対してはサポートされていません。


nfs mount: NFS V2 can't support “largefiles”

説明:

NFS version 2 プロトコルでは、大規模ファイルを処理できません。

対処方法:

大規模ファイルを扱う必要がある場合は、version 3 または version 4 を使用してください。


NFS server hostname not responding still trying

説明:

ファイル関連の作業中にプログラムがハングアップすると、NFS サーバーに障害が発生する可能性があります。このメッセージは、NFS サーバー (hostname) がダウンしているか、サーバーかネットワークに問題があることを示すものです。

対処方法:

フェイルオーバー機能を使用している場合、hostname はサーバー名のリストになります。「NFS クライアントの接続性を確認する方法」を参照してください。


NFS server recovering

説明:

NFS version 4 サーバーのリブート中に、一部の操作が許可されませんでした。このメッセージは、サーバーがこの操作の続行を許可するまで、クライアントが待機していることを示します。

対処方法:

何もする必要はありません。サーバーが操作を許可するまで待機します。


Permission denied

説明:

このメッセージは、次の理由により、ls -lgetfacl、および setfacl コマンドによって表示されます。

  • NFS version 4 サーバー上のアクセス制御リスト (ACL) エントリ内に存在するユーザーまたはグループを、NFS version 4 クライアント上の有効なユーザーまたはグループにマッピングできない場合、ユーザーはクライアント上の ACL を読み取ることができない。

  • NFS version 4 クライアント上で設定されている ACL エントリ内に存在するユーザーまたはグループを、NFS version 4 サーバー上の有効なユーザーまたはグループにマッピングできない場合、ユーザーはクライアント上の ACL に書き込みや変更を行うことができない。

  • NFS version 4 のクライアントとサーバーで NFSMAPID_DOMAIN の値が一致しない場合、ID マッピングが失敗する。

詳細は、「NFS version 4 での ACL と nfsmapidを参照してください。

対処方法:

次の手順を実行してください。

  • ACL エントリ内のすべてのユーザーおよびグループ ID がクライアントとサーバーの両方に存在することを確認します。

  • NFSMAPID_DOMAIN の値が /etc/default/nfs ファイル内で正しく設定されていることを確認します。詳細は、/etc/default/nfs ファイルのキーワード」を参照してください。

ユーザーまたはグループをサーバーまたはクライアント上でマッピングできるかどうかを判断するには、「ACL エントリ内のすべてのユーザーおよびグループ ID が NFS version 4 のクライアントとサーバーの両方に存在することを確認します。」にあるスクリプトを使用します。


port number in nfs URL not the same as port number in port option

説明:

NFS URL のポート番号は、マウントの -port オプションのポート番号と一致していなければなりません。一致していないと、マウントは失敗します。

対処方法:

同じポート番号にしてコマンドを再実行するか、ポート番号の指定を省略してください。通常は、NFS URL と -port オプションの両方にポート番号を指定する必要はありません。


replicas must have the same version

説明:

NFS フェイルオーバー機能が正しく機能するためには、複製の NFS サーバーが同じバージョンの NFS プロトコルをサポートしていなければなりません。

対処方法:

複数のバージョンが混在することは許されません。


replicated mounts must be read-only

説明:

NFS フェイルオーバー機能は、読み書き可能としてマウントされたファイルシステムでは動作しません。ファイルシステムを読み書き可能としてマウントすると、ファイルが変更される可能性が高くなるためです。

対処方法:

NFS のフェイルオーバー機能は、ファイルシステムがまったく同じであることが前提です。


replicated mounts must not be soft

説明:

複製されるマウントの場合、フェイルオーバーが発生するまでタイムアウトを待つ必要があります。

対処方法:

soft オプションを指定すると、タイムアウトが開始してすぐにマウントが失敗するため、複製されるマウントには -soft オプションは指定できません。


share_nfs: Cannot share more than one filesystem with 'public' option

対処方法:

/etc/dfs/dfstab ファイルを調べて、-public オプションによって共有するファイルシステムを複数選択していないか確認してください。公開ファイルハンドルは、サーバーあたり 1 つしか設定できません。したがって、public オプションで共有できるファイルシステムは 1 つだけです。


WARNING: No network locking on hostname: path: contact admin to install server change

説明:

NFS クライアントが、NFS サーバー上のネットワークロックマネージャーと接続を確立できませんでした。この警告は、マウントできなかったことを知らせるためではなく、ロックが機能しないことを警告するために出力されます。

対処方法:

サーバーを、ロックマネージャーを完全にサポートする新しいバージョンの OS にアップグレードします。