Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

autofs のトラブルシューティング

autofs の使用時に、問題の発生することがあります。この節では、問題解決プロセスについてわかりやすく説明します。この節は、2 つのパートに分かれています。

この節では、autofs が生成するエラーメッセージのリストを示します。このリストは、2 つのパートに分かれています。

各エラーメッセージの後には、そのメッセージの説明と考えられる原因が続きます。

トラブルシューティング時には、詳細形式 (-v) オプションで autofs プログラムを開始します。そうしないと、原因がわからないまま問題に遭遇することになります。

次の節は、autofs のエラー時に表示されがちなエラーメッセージと、生じうる問題についての説明です。

automount -v により生成されるエラーメッセージ


bad key key in direct map mapname

説明:

直接マップのスキャン中、autofs が接頭辞 / のないエントリキーを発見しました。

対処方法:

直接マップ内のキーは、フルパス名でなくてはなりません。


bad key key in indirect map mapname

説明:

間接マップのスキャン中、autofs が / を含むエントリキーを発見しました。

対処方法:

間接マップのキーは、パス名ではなく、単なる名称でなくてはなりません。


can't mount server: pathname: reason

説明:

サーバー上のマウントデーモンが、server:pathname のファイルハンドルの提供を 拒否しました。

対処方法:

サーバー上のエクスポートテーブルを確認してください。


couldn't create mount point mountpoint: reason

説明:

autofs は、マウントに必要なマウントポイントを作成することができませんでした。この問題は、すべてのサーバーのエクスポートされたファイルシステムを階層的にマウントしようとする場合に頻繁に生じます。

対処方法:

必要なマウントポイントは、マウントできないファイルシステム内にだけ存在するため、ファイルシステムはエクスポートできません。エクスポートされる親ファイルシステムは、読み取り専用でエクスポートされるため、マウントポイントを作成できません。


leading space in map entry entry text in mapname

説明:

autofs は自動マウントマップ内に先頭にスペースを含むエントリを発見しました。この問題は、通常、マップエントリが不当である場合に発生します。次に例を示します。


fake
/blat   		frobz:/usr/frotz 
対処方法:

この例では、autofs が 2 つめの行を検出した場合に警告が生成されます。これは、最初の行がバックスラッシュ (\) で終端されていないためです。


mapname: Not found

説明:

必要とされるマップが配置されていません。このメッセージは、-v オプションが使用されている場合にだけ生成されます。

対処方法:

マップ名のスペルとパス名を確認してください。


remount server: pathname on mountpoint : server not responding

説明:

autofs が、アンマウントしたファイルシステムの再マウントに失敗しました。

対処方法:

サポートが必要な場合は、ご購入先に連絡してください。このエラーメッセージが出力されることはほとんどなく、直接的な解決策はありません。


WARNING: mountpoint already mounted on

説明:

autofs が、既存のマウントポイント上にマウントしようとしました。このメッセージは、autofs 内で内部エラー (異常) が生じたことを意味しています。

対処方法:

サポートが必要な場合は、ご購入先に連絡してください。このエラーメッセージが出力されることはほとんどなく、直接的な解決策はありません。

その他のエラーメッセージ


dir mountpoint must start with '/'

対処方法:

オートマウンタのマウントポイントは、フルパス名で指定しなくてはなりません。マウントポイントのスペルとパス名を確認してください。


hierarchical mountpoints: pathname1 and pathname2

対処方法:

autofs は、マウントポイントが階層的な関係を持つことを許可しません。autofs マウントポイントは、他の自動マウントされたファイルシステムに含まれていてはなりません。


host server not responding

説明:

autofs が、server で示されるサーバーにコンタクトしようとしましたが、応答がありません。

対処方法:

NFS サーバーの状態を確認してください。


hostname: exports: rpc-err

説明:

このエラーは、hostname からエクスポートリストを取得する場合に発生します。このメッセージは、サーバーまたはネットワークに問題があることを示します。

対処方法:

NFS サーバーの状態を確認してください。


map mapname, key key: bad

説明:

マップエントリが不適切な形式であり、autofs が処理できません。

対処方法:

そのエントリを再確認してください。そのエントリに、エスケープする必要のある文字が含まれている可能性があります。


mapname: nis-err

説明:

このエラーは、NIS マップのエントリを参照する場合に発生します。このメッセージは、NIS に問題がある可能性があることを示しています。

対処方法:

NIS サーバーの状態を確認してください。


mount of server: pathname on mountpoint:reason

説明:

autofs がマウントに失敗しました。サーバーまたはネットワークに問題のある可能性があります。reason の文字列によって、問題が特定されます。

対処方法:

サポートが必要な場合は、ご購入先に連絡してください。このエラーメッセージが出力されることはほとんどなく、直接的な解決策はありません。


mountpoint: Not a directory

説明:

autofs は、ディレクトリではない mountpoint に示される場所に自分自身をマウントすることができません。

対処方法:

マウントポイントのスペルとパス名を確認してください。


nfscast: cannot send packet: reason

説明:

autofs が、複製されたファイルシステムの場所を示すリスト内にあるサーバーへの照会パケットを送信できません。reason の文字列によって、問題が特定されます。

対処方法:

サポートが必要な場合は、ご購入先に連絡してください。このエラーメッセージが出力されることはほとんどなく、直接的な解決策はありません。


nfscast: cannot receive reply: reason

説明:

autofs が、複製されたファイルシステムの場所を示すリスト内にあるいずれのサーバーからも応答を受けられません。reason の文字列によって、問題が特定されます。

対処方法:

サポートが必要な場合は、ご購入先に連絡してください。このエラーメッセージが出力されることはほとんどなく、直接的な解決策はありません。


nfscast: select: reason

説明:

このようなエラーメッセージはすべて、複製されたファイルシステムのサーバーに対して確認を実行した際に問題が発生したことを示します。このメッセージは、ネットワークに問題がある可能性があることを示しています。reason の文字列によって、問題が特定されます。

対処方法:

サポートが必要な場合は、ご購入先に連絡してください。このエラーメッセージが出力されることはほとんどなく、直接的な解決策はありません。


pathconf: no info for server:pathname

説明:

autofs が、パス名に関する pathconf 情報の取得に失敗しました。

対処方法:

fpathconf(2) のマニュアルページを参照してください。


pathconf: server : server not responding

説明:

autofs が、pathconf() に情報を提供する server に示されるサーバー上のマウントデーモンにコンタクトできませんでした。

対処方法:

このサーバーで POSIX マウントオプションを使用しないでください。

autofs のその他のエラー

/etc/auto* ファイルが実行ビットセットを持っている場合、オートマウンタは次のようなメッセージを生成するマップの実行を試みます。

/etc/auto_home: +auto_home: not found

この場合、auto_home ファイルは不適切な権限をもつことになります。このファイル内の各エントリは、よく似たエラーメッセージを生成します。ファイルへのこのような権限は、次のコマンドを入力することにより取り消す必要があります。


# chmod 644 /etc/auto_home