Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

NFS 用 share オプション

NFS ファイルシステムで指定できるオプションは、次のとおりです。

aclok

このオプションを指定すると、NFS version 2 プロトコルをサポートしている NFS サーバーが NFS version 2 クライアントのアクセス制御を行うように設定できます。このオプションを指定しないと、すべてのクライアントは最小限のアクセスしかできません。指定すると、最大限のアクセスができるようになります。たとえば -aclok オプションを指定して共有したファイルシステムでは、1 人のユーザーが読み取り権を持っていれば全員が読み取りを許可されます。このオプションを指定しないと、アクセス権を持つべきクライアントからのアクセスが拒否される可能性があります。ユーザーに与えるアクセス権は、既存のセキュリティーシステムによって決定します。アクセス制御リスト (ACL) の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「アクセス制御リストによる UFS ファイルの保護」を参照してください。


注 –

アクセス制御リスト (ACL) を使用するには、クライアントとサーバーが、NFS version 3 プロトコルおよび NFS_ACL プロトコルをサポートしているソフトウェアを実行している必要があります。NFS version 3 プロトコルしかサポートしていないソフトウェアの場合、クライアントは正しいアクセス権を取得できますが、ACL を操作することはできません。NFS_ACL プロトコルをサポートしていれば、正しいアクセス権を取得した上で ACL の操作も可能です。この両方をサポートしているのは、Solaris 2.5 およびその互換バージョンです。


anon=uid

uid は、認証されていないユーザーのユーザー ID を選択するために使用します。uid-1 に設定すると、認証されていないユーザーからのアクセスは拒否されます。anon=0 とするとルートアクセス権を与えることができますが、これのオプションを指定すると、認証されていないユーザーにルートアクセス権を与えることになるため、代わりに root オプションを使用してください。

index=filename

-index= filename オプションを使用すると、ユーザーが NFS URL にアクセスすると、ディレクトリのリストが表示されるのではなく、HTML (HyperText Markup Language) ファイルが強制的に読み込まれます。これは、HTTP URL がアクセスしているディレクトリに index.html ファイルが見つかるとブラウザのような動作をするというものです。このオプションを設定することは、httpd に対して DirectoryIndex オプションを指定するのと同じ意味です。たとえば、dfstab ファイルに、次のようなエントリがあるとします。


share -F nfs -o ro,public,index=index.html /export/web

このとき、次の URL によって表示される情報はすべて同じです。


nfs://<server>/<dir>
nfs://<server>/<dir>/index.html
nfs://<server>//export/web/<dir>
nfs://<server>//export/web/<dir>/index.html
http://<server>/<dir>
http://<server>/<dir>/index.html
log=tag

このオプションは、ファイルシステム用の NFS サーバーログ構成情報の入った /etc/nfs/nfslog.conf 内のタグを指定します。NFS サーバーログ機能を使用可能にするにはこのオプションを選択する必要があります。

nosuid

このオプションを使用すると、setuid モードまたは setgid モードを有効にしようとしても無視されます。NFS クライアントは、setuidsetgid のビットがオンの状態ではファイルを作成できません。

public

-public オプションは、WebNFS ブラウズのために追加されました。このオプションで共有できるのは、1 台のサーバーにつき 1 つのファイルシステムだけです。

root=accesslist

サーバーが、リスト上のホストに対してルートアクセス権を与えます。デフォルトでは、サーバーはどのリモートホストにもルートアクセス権は与えません。選択されているセキュリティーモードが -sec=sys 以外だと、accesslist に指定できるのはクライアントホスト名だけです。accesslist に定義されたクライアントのリストは、Solaris 2.6 で拡張されました。詳細については、share コマンドを使ってアクセスリストを設定する」を参照してください。


注意 – 注意 –

ほかのホストにルートアクセス権を与えるには、広い範囲でセキュリティーが保証されていることが前提です。-root= オプションは十分慎重に使用してください。


root=client-name

client-name の値は、AUTH_SYS 認証で、exportfs(1B) で取得されたアドレスのリストにクライアントの IP アドレスが含まれているかどうかを検査するために使用します。リストに一致する IP アドレスが見つかった場合、クライアントに共有ファイルシステムへのルートアクセス権が与えられます。

root=host-name

AUTH_SYS または RPCSEC_GSS などのセキュリティー保護された NFS モードの場合、サーバーは、アクセスリストから派生したホストベースの主体名のリストに、クライアントの主体名が含まれているかどうかを検査します。クライアント主体名の汎用構文は root@hostname です。Kerberos V の場合、構文は root/hostname.fully.qualified@REALM です。host-name の値を使用する場合、アクセスリスト上のクライアントには主体名の資格が必要になります。Kerberos V の場合、クライアントには root/hostname.fully.qualified@REALM の主体名の有効な keytab エントリが必要です。詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「Kerberos クライアントの構成」を参照してください。

sec=mode[:mode]

mode は、ファイルシステムへのアクセス権を取得するために必要なセキュリティーモードです。デフォルトのセキュリティーモードは、UNIX の認証です。モードは複数指定できますが、コマンド行に指定するときは 1 行につき 1 つのセキュリティーモードだけにしてください。各 -mode オプションはほかの -mode が検出されるまで、後続のすべての -rw-ro-rw=- ro=-root=、および -window= オプションに適用されます。-sec=none とすると、すべてのユーザーがユーザー nobody にマップされます。

window=value

value は、NFS サーバーで資格が有効な時間の上限です。デフォルトは 30000 秒 (8.3 時間) です。