Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

CHAP 認証時の動作

CHAP 認証は、次の順序で発生します。

図 22–2 CHAP 認証手順

このフロー図に示されている処理については、次で詳しく説明します。

  1. 通信を開始しようとする 2 つのピアが、PPP リンクのネゴシエーション時に認証に使用するシークレットについて合意します。

  2. 両方のマシンの管理者が、シークレット、CHAP ユーザー名、その他の CHAP 資格をそれぞれのマシンの /etc/ppp/chap-secrets データベースに追加します。

  3. 呼び出し元 (認証される側) がリモートピア (認証する側) を呼び出します。

  4. 認証する側が乱数と ID を生成し、それらを認証される側にチャレンジとして送信します。

  5. 認証される側は、/etc/ppp/chap-secrets データベース内でピアの名前とシークレットを調べます。

  6. 認証される側は、シークレットとピアの乱数チャレンジに MD5 計算アルゴリズムを適用することにより、応答を計算します。次に、認証される側は、認証する側に結果を応答として送信します。

  7. 認証する側は、/etc/ppp/chap-secrets データベース内で認証される側の名前とシークレットを調べます。

  8. 認証する側は、チャレンジとして生成された数値と /etc/ppp/chap-secrets 内の認証される側のシークレットに MD5 を適用することにより、自身の数値を計算します。

  9. 認証する側は、呼び出し元からの応答と結果を比較します。2 つの数字が同じ場合、ピアは、呼び出し元の認証に成功し、接続ネゴシエーションが続けられます。認証されない場合は、接続が切られます。