Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

/etc/uucp/Devices ファイルの Dialer-Token-Pairs フィールドの構造

DTP フィールドの構造は、エントリに対応するデバイスに応じて 4 通りに設定できます。

次に 1 つ目の方法を示します。

直接接続モデム – コンピュータのポートにモデムが直接接続されている場合は、対応する Devices ファイルエントリの DTP フィールドに入るペアは 1 つだけです。このペアは、通常はモデムの名前です。この名前は、Devices ファイルの特定のエントリと、Dialers ファイル内のエントリとを対応付けるために使用されます。したがって、Dialer フィールドは、Dialers ファイルエントリの最初のフィールドに一致している必要があります。


例 26–7 直接接続モデム用 Dialers フィールド


Dialers   hayes =,-,  ""          \\dA\pTE1V1X1Q0S2=255S12=255\r\c 
                                  \EATDT\T\r\c CONNECT

Devices ファイルエントリの DTP フィールドには、dialer 部 (hayes) だけが示されている点に注意してください。これは、ダイアラに渡す token (この例では電話番号) が、Systems ファイルエントリの Phone フィールドから取得されることを意味します (例 26–9 で説明するように、\T が暗黙で指定されます)。

次に、DTP フィールドの構造化に利用できる 2 つ目と 3 つ目の方法を示します。


例 26–8 同一ポートセレクタ上のコンピュータ用 UUCP Dialer フィールド


Dialers    develcon ,""   ""            \pr\ps\c est:\007 \E\D\e \007

token 部が空である点に注意してください。このように指定されている場合は、この部分が Systems ファイルから取得されることを示しています。このコンピュータ用の Systems ファイルエントリには、Phone フィールドにトークンが含まれています。このフィールドは、通常、コンピュータの電話番号用として確保されています。詳細は、「UUCP /etc/uucp/Systems ファイル」を参照してください。この種類の DTP にはエスケープ文字 (\D) が含まれています。これは、Phone フィールドの内容が、Dialcodes ファイル内の有効エントリとして解釈されないことを保証します。

次に、DTP フィールドの構造化に利用できる 4 つ目の方法を示します。

ポートセレクタに接続しているモデム – ポートセレクタに高速モデムが接続されている場合は、ローカルコンピュータはまずポートセレクタスイッチにアクセスする必要があります。そして、そのスイッチがモデムとの接続を確立します。この種類のエントリには、ダイアラとトークンのペアが 2 つ必要です。各ペアの dialer 部 (エントリの 5 番目と 7 番目のフィールド) が、Dialers ファイル内のエントリと突き合わされます。


例 26–9 ポートセレクタに接続されたモデム用 UUCP Dialer フィールド


develcon ""     ""    \pr\ps\c  est:\007    \E\D\e      \007
ventel   =&-%   t""   \r\p\r\c  $           <K\T%\r>\c  ONLINE!

最初のペアでは、develcon がダイアラで、vent が Develcon スイッチに渡されるトークンです。トークンは、コンピュータに接続するデバイス (たとえば Ventel モデム) をダイアラに指示しています。各スイッチごとに設定が異なることがあるので、このトークンは各ポートセレクタに固有のものにします。Ventel モデムが接続されたあと、第 2 のペアがアクセスされます。このペアでは、Ventel がダイアラで、トークンは Systems ファイルから取得されます。

DTP フィールドで使用できるエスケープ文字が 2 つあります。