固定型の専用回線の PPP 構成には、リンクで接続された 2 つのピアが含まれます。リンクは、プロバイダからリースされたスイッチ型または非スイッチ型のデジタルサービスで構成されています。Solaris PPP 4.0 は、全二重でポイントツーポイントの専用回線媒体を介して動作します。通常、会社では、ネットワークプロバイダから専用リンクをレンタルして、ISP またはほかのリモートサイトに接続します。
ダイアルアップと専用回線のリンクはともに、通信媒体で接続されている 2 つのピアから成っています。次の表は、2 つのリンクタイプの相違をまとめています。
専用回線 |
ダイアルアップ回線 |
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システム管理者による電源切断または電源障害による電源切断がないかぎり常時接続されています。 |
ユーザーがリモートピアを呼び出そうとするとき開始されます。 |
同期通信と非同期通信を使用します。非同期通信では、多くの場合長距離モデムを使用します。 |
非同期通信を使用します。 |
プロバイダからレンタルします。 |
既存の電話回線を使用します。 |
同期装置を必要とします。 |
低コストのモデムを使用します。 |
ほとんどの SPARC システムで一般的に使用されている同期ポートを必要とします。ただし、同期ポートは、 x86 システムおよび最新の SPARC システムでは通常使用されません。 |
通常のコンピュータに組み込まれている標準のシリアルインタフェースを使用します。 |
次の図を参照してください。
専用回線リンクの構成要素は次のとおりです。
2 つのピア。リンクの両端に 1 つずつ存在します。各ピアは、ワークステーションかサーバーです。通常ピアは、ネットワークまたはインターネットともう一方の側のピアとの間のルーターとして機能します。
各ピア上の同期インタフェース。Solaris ソフトウェアが実行されている一部のマシンは、専用回線に接続するために、HSI/S などの同期インタフェースカードを購入する必要があります。UltraSPARC ワークステーションなどのマシンには同期インタフェースが内蔵されています。
各ピア上の CSU/DSU 同期デジタル装置。同期ポートを専用回線に接続します。
現場の事情によって、CSU は DSU に組み込まれていたり、個人で所有していたり、プロバイダからリースしていたりします。DSU はマシンに標準の同期シリアルインタフェースを提供します。フレームリレーを使用する場合、フレームリレーアクセスデバイス (FRAD) が、シリアルインタフェースに適合するように調整します。
専用回線。スイッチ型または非スイッチ型のデジタルサービスを提供します。専用回線のデジタルサービスには、SONET/SDH、Frame Relay PVC、T1 などがあります。
ほとんどのタイプの専用回線では、ピアは互いにダイアルすることはありません。会社では専用回線サービスを購入して、2 つの定められた場所の間を明示的に接続します。場合によって、専用回線の各端にある 2 つのピアは同じ会社でも物理的に離れた場所に存在することもあります。別の事例では、会社が、ISP に接続されている専用回線上にルーターを設定している場合があります。
専用回線の固定型のリンクは設定が簡単ですが、ダイアルアップリンクほどは普及していません。固定型のリンクは chat スクリプトを必要としません。専用回線の場合、両方のピアは互いを知っているので、認証を使用しないのが普通です。2 つのピアがリンクを介して PPP を開始すると、リンクはアクティブな状態を続けます。専用回線に障害が発生したり、どちらかのピアが明示的にリンクを終了したりしないかぎり、専用回線の固定型のリンクはアクティブな状態を続けます。
Solaris PPP 4.0 が実行されている専用回線上のピアは、ダイアルアップリンクを定義する構成ファイルとほぼ同じものを使用します。