Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

Procedureゾーン内の監査の計画方法

システムでゾーンが実装されている場合、監査を構成する方法が 2 つあります。

トレードオフについては、「ゾーンを含むシステムでの監査」を参照してください。

  1. 次のいずれかの方法を選択します。

    • オプション 1 - すべてのゾーンに対して単一の監査サービスを構成します。

      すべてのゾーンを同様に監査する場合、単一イメージの監査トレールが作成される可能性があります。単一イメージの監査トレールが作成されるのは、システム上のすべてのゾーンが 1 つの管理ドメインの一部になっている場合です。その場合、すべてのゾーン内のレコードが同一の設定に基づいて事前選択されるため、監査レコードの比較が容易に行えます。

      この構成では、すべてのゾーンが 1 つのシステムの一部として扱われます。大域ゾーンがシステム上で唯一の監査デーモンを実行して、すべてのゾーンに対して監査ログを収集します。監査構成ファイルのカスタマイズを大域ゾーン内でのみ行ったあと、それらの監査構成ファイルをすべての非大域ゾーンにコピーします。

      1. audit_control ファイルを大域ゾーンからすべての非大域ゾーンにコピーします。

      2. すべてのゾーンで同じ audit_user データベースを使用します。

        audit_user データベースは、ローカルファイルでも、共有されたネームサービスから取得してもかまいません。

      3. ゾーンに基づいて監査レコードを選択できるようにします。

        ゾーン名を監査レコードの一部として含めるには、大域ゾーンで zonename ポリシーを設定します。次に、auditreduce コマンドで、監査証跡からゾーンに基づいて監査イベントを選択できます。例については、auditreduce(1M) のマニュアルページを参照してください。

      単一イメージ監査証跡を計画するには、「監査対象者と監査対象イベントの計画方法」を参照してください。最初の手順から始めます。また、大域ゾーン管理者は、「監査レコード用の記憶領域を計画する方法」の説明に従って記憶領域を確保する必要もあります。

    • オプション 2 - ゾーンごとに監査サービスを 1 つずつ構成できます。

      ゾーンごとにネームサービスファイルが異なる場合や、ゾーン管理者が自身のゾーン内の監査を制御しようとする場合には、ゾーンごとの監査の構成を選択します。

      • ゾーンごとの監査を構成する場合は、大域ゾーンに監査を構成する必要があります。大域ゾーンで perzone 監査ポリシーを設定します。監査ポリシーを設定するには、「ゾーンごとの監査を構成する方法」を参照してください。


        注 –

        ネームサービスファイルが非大域ゾーンでカスタマイズされ、perzone ポリシーが設定されていない場合は、使用可能なレコードの選択に監査ツールを注意して使用する必要があります。あるゾーン内のユーザー ID は、異なるゾーン内の同じ ID とは異なるユーザーを指している可能性があります。


      • 発生元のゾーンを追跡できるレコードを生成するには、大域ゾーンで zonename 監査ポリシーを設定します。大域ゾーン内で、zonename を使用して auditreduce コマンドを実行します。次に、zonename ゾーン内で、auditreduce の出力に対して praudit コマンドを実行します。

      • 各ゾーン管理者がゾーンの監査ファイルを構成します。

        非大域ゾーン管理者は、perzoneahlt 以外のすべてのポリシーオプションを設定できます。

      • 各ゾーン管理者はゾーン内で監査を有効化または無効化できます。

      すべてのゾーン内の監査構成ファイルをカスタマイズするには、「監査対象者と監査対象イベントの計画方法」を参照して、すべてのゾーン用に計画します。最初の手順は省略できます。また、各ゾーン管理者は、「監査レコード用の記憶領域を計画する方法」の説明に従って各ゾーンの記憶領域を確保する必要もあります。