Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

NFS システムを使用するネットワーク操作

通常、ネットワークの一部となっているシステム上でも、ASET はスタンドアロンモードで使用されます。スタンドアロンシステムのシステム管理者は、システムのセキュリティーを守る必要があるため、ASET の稼働と管理を通してシステム保護に当たります。

また、ASET は NFS 分散環境でも使用できます。ネットワーク管理者は、すべてのクライアントの各種管理タスクのインストール、実行、管理を担当します。複数のクライアントシステムにわたって ASET を管理しやすくするため、すべてのクライアントに一括して適用されるような構成変更を行えます。変更を一括して適用すると、各システムにログインして構成変更を繰り返す必要がなくなります。

ネットワークシステム上で ASET の設定方法を決めるときには、セキュリティー制御を誰に行わせるかを考える必要があります。たとえば、ユーザーに各自のシステムにおけるセキュリティーの一部を制御させることができます。また、セキュリティー制御の責任を 1 つにまとめることもできます。

各セキュリティーレベルの一括構成の提供

複数のネットワーク構成を設定する場合があります。たとえば、低セキュリティーレベルに設定したクライアント用に 1 つ、中レベルのクライアント用に 1 つ、さらに高レベルのクライアント用に 1 つのネットワーク構成を設定できます。

セキュリティーレベルごとに個別の ASET ネットワーク構成を作成する場合は、サーバー上に 3 つの ASET 構成を作成できます。この場合、レベルごとに 1 つずつ構成を作成することになります。各構成を該当するセキュリティーレベルのクライアントにエクスポートします。3 つの構成すべてに共通の ASET 構成要素は、リンクを使用して共有できます。

ASET レポートの収集

管理者は、サーバー上に ASET 構成要素を集中できるだけでなく、サーバー上に集中ディレクトリを設定してすべてのレポートを収集できます。クライアントは、スーパーユーザー特権のあるなしにかかわらずサーバーにアクセスできます。収集メカニズムを設定する方法については、「サーバー上で ASET レポートを収集する方法」を参照してください。

サーバー上でレポートを収集するように設定すると、すべてのクライアントに関するレポートを 1 箇所で検討できます。この方法は、クライアントがスーパーユーザー特権を持っているかどうかに関係なく使用できます。また、ユーザーに各自の ASET レポートを監視させたい場合は、ローカルシステム上にレポートディレクトリを残しておくこともできます。