Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)

NIS+ 名前空間のディレクトリ

ディレクトリオブジェクトは、名前空間の骨格を形成します。ツリー構造に配置した場合、名前空間を別々に分けます。ディレクトリ階層を理解するには、木の根を一番上に置き、逆さまの木として見るとよく分かります。名前空間の一番上のディレクトリが「ルート」ディレクトリです。名前空間が 1 つの層だけの場合、ディレクトリは 1 つしかありませんが、そのディレクトリはルートディレクトリです。ルートディレクトリの下にあるディレクトリオブジェクトは、単に「ディレクトリ」と呼ばれます。

この図では、ルートディレクトリの下位にある、複数のディレクトリレベルを示します。

1 つの名前空間には、複数の階層のディレクトリを割り当てることができます。

この図では、NIS+ を使用したディレクトリ構造を示します。

ディレクトリ間の関係を識別する場合には、下位ディレクトリは「子」ディレクトリと呼ばれ、上位ディレクトリは「親」ディレクトリと呼ばれます。

UNIX のディレクトリは UNIX のファイルを格納するように設計されていますが、NIS+ のディレクトリは NIS+ オブジェクト (ほかのディレクトリ、テーブル、およびグループ) を格納するように設計されています。 各 NIS+ のドメインレベルのディレクトリには、以下のサブディレクトリが含まれています。

技術的には、ユーザーはディレクトリ、テーブル、およびグループをどんな構造にでも配置することができます。しかし、名前空間内の NIS+ のディレクトリ、テーブル、およびグループは、「ドメイン」と呼ばれる構成に配置されるのが普通です。ドメインは、名前空間の別々の部分をサポートするよう設計されています。たとえば、あるドメインが会社の営業部門 (Sales Division) をサポートし、別のドメインが製造部門 (Manufacturing Division) をサポートできます。