Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

Procedurelx ブランドゾーンをインストールする方法

構成済みの lx ブランドゾーンをインストールする場合に、ここで説明する手順を使用します。ゾーンのインストール後は、ソフトウェアの構成と管理はすべて、ゾーン管理者がゾーン内から Linux ツールを使用して行う必要があります。

異なるディストリビューションパスを使用してゾーンをインストールするコマンド行の例については、例 35–1例 35–2、および例 35–3 を参照してください。ディスクまたは ISO イメージからインストールする場合は、Sun パッケージクラスタのカテゴリを指定する必要があります。パッケージクラスタのカテゴリについては、lx ブランドゾーンのインストール方法」を参照してください。

ゾーンをインストールする前に検証できます。この手順を省略した場合、ゾーンのインストール時に検証が自動的に実行されます。手順については、「(省略可能) インストール前に構成済みのゾーンを検証する方法」を参照してください。

この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。


注 –

手順 3 の zoneadm install コマンドでは、zonepath が ZFS 上にある場合、ゾーンのインストール時に zonepath の ZFS ファイルシステム (データセット)が自動的に作成されます。-x nodataset パラメータを指定することで、この処理をブロックできます。


  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

    役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。

  2. (省略可能) DVD または CD からインストールする場合は、システムで volfs を使用可能にし、稼働していることを確認します。


    global# svcadm enable svc:/system/filesystem/volfs:default
    

    global# svcs | grep volfs
    

    次のような情報が表示されます。


    online  17:30 svc:/system/filesystem/volfs:default
  3. zoneadm コマンドに install オプションとアーカイブのパスを指定して、構成済みゾーン lx-zone をインストールします。

    • ゾーンをインストールします。zonepath が ZFS 上にある場合は、ZFS ファイルシステムを自動的に作成します。


      global# zoneadm -z lx-zone install -d archive_path
      

      システムには次のように表示されます。


      A ZFS file system has been created for this zone.
    • zonepath が ZFS 上にあるゾーンをインストールします。ただし、ZFS ファイルシステムの自動作成は行いません。


      global# zoneadm -z lx-zone install -x nodataset -d archive_path
      

    ゾーンのルートファイルシステムに必要なファイルおよびディレクトリがパッケージファイルとともにゾーンのルートパスにインストールされる際、さまざまなメッセージが表示されます。


    注 –

    archive_path を指定しない場合、デフォルトは CD です。


  4. (省略可能) エラーメッセージが表示され、ゾーンのインストールに失敗した場合は、次のように入力してゾーンの状態を取得します。


    global# zoneadm -z lx-zone list -iv
    
    • 状態が構成済みであると表示された場合は、メッセージに示された修正を行い、zoneadm install コマンドを再度実行します。

    • 状態が不完全であると表示された場合は、最初に次のコマンドを実行します。


      global# zoneadm -z lx-zone uninstall
      

      次にメッセージに示された修正を行い、zoneadm install コマンドを再度実行します。

  5. インストールが完了したら、list サブコマンドに -i オプションおよび -v オプションを指定してインストール済みのゾーンを一覧表示し、状態を確認します。


    global# zoneadm list -iv
    

    次のような情報が表示されます。


    ID  NAME     STATUS       PATH                           BRAND      IP
     0  global   running      /                              native     shared
     -  lx-zone  installed    /export/home/lx-zone           lx         shared

例 35–1 CentOS の圧縮された tar アーカイブを使用するインストールコマンド


global# zoneadm -z lx-zone install -d /export/centos_fs_image.tar.bz2


例 35–2 CentOS の CD を使用するインストールコマンド

CD または DVD からインストールする場合は、システムで volfs が使用可能になっている必要があります。ソフトウェアクラスタパッケージを指定する必要があります。たとえば、development を使用して完全な環境をインストールするか、特定のクラスタの名前を指定します。クラスタパッケージを指定しないと、デフォルトで desktop がインストールされます。CD デバイスは /cdrom/cdrom0 です。


global# zoneadm -z lx-zone install -d /cdrom/cdrom0 development


例 35–3 CentOS の ISO イメージを使用するインストールコマンド

ソフトウェアクラスタパッケージを指定する必要があります。development を使用して完全な環境をインストールするか、特定のクラスタを指定します。クラスタパッケージを指定しないと、デフォルトで desktop がインストールされます。CentOS の ISO イメージは /export/centos_3.7 にあります。


global# zoneadm -z lx-zone install -d /export/centos_3.7 development

参照

データセットの詳細については、『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』を参照してください。

注意事項

ゾーンのインストールが中断または失敗した場合は、ゾーンの状態は不完全なままになります。uninstall -F を使用して、ゾーンを構成済みの状態にリセットします。