この章では、lx ブランドゾーンのインストールおよび起動方法について説明します。次に示すその他のタスクについても説明します。
複製を使用した、同一システムへのゾーンのインストール
ゾーンの停止、再起動、およびアンインストール
システムからのゾーンの削除
タスク |
説明 |
説明 |
---|---|---|
Linux アーカイブを入手します。 |
lx ブランドゾーンをインストールするには、まず Linux アーカイブを入手する必要があります。 | |
構成済みの lx ブランドゾーンをインストールします。 |
構成済みの状態にあるゾーンをインストールします。 | |
(省略可能) 使用可能なパッケージの一部をインストールします。 |
CD または ISO イメージからインストールする場合は、インストールメディア上にあるパッケージの一部をインストールすることができます。 | |
(省略可能) ゾーンでネットワークを使用可能にします。 |
ネットワークはデフォルトでは使用不可になっているので、この機能が必要な場合は、ネットワークを使用可能にする必要があります。 | |
ゾーンの汎用一意識別子 (UUID) を取得します。 |
ゾーンのインストール時に割り当てられるこの個別の識別子は、ゾーンを識別するための代替手段になります。 | |
(任意) インストール済みのゾーンを準備完了状態に移行します。 |
ゾーンをすぐに起動して使用する場合、この手順は省略できます。 | |
lx ブランドゾーンを起動します。 |
ゾーンを起動すると、ゾーンが稼働状態になります。ゾーンは、準備完了状態またはインストール済み状態から起動できます。 | |
ゾーンをシングルユーザーモードで起動します。 |
マイルストン svc:/milestone/single-user:default に対してのみ起動します。このマイルストンは、init のレベル s と同等です。init(1M) および svc.startd(1M) のマニュアルページを参照してください。 |
zoneadm(1M) のマニュアルページの記述に従って zoneadm コマンドを使用し、非大域ゾーンのインストール作業を実行します。
lx ブランドゾーンをインストールするには、まず Linux アーカイブを入手する必要があります。アーカイブは次の形式で配布されます。
圧縮された tar アーカイブ (tarball)
CD-ROM または DVD のディスクセット
一連の ISO イメージ
次のいずれかの方法で Linux ディストリビューションを入手します。
tarball をダウンロードするには、http://hub.opensolaris.org/bin/view/Community+Group+brandz/applications にアクセスします。ダウンロードサイトの指示に従ってください。
CD-ROM または DVD のディスクセットを入手するには、CentOS のサイト http://www.centos.org または Red Hat のサイト http://www.redhat.com にアクセスします。
ISO イメージを入手するには、CentOS のサイト http://www.centos.org または Red Hat のサイト http://www.redhat.com にアクセスします。
構成済みの lx ブランドゾーンをインストールする場合に、ここで説明する手順を使用します。ゾーンのインストール後は、ソフトウェアの構成と管理はすべて、ゾーン管理者がゾーン内から Linux ツールを使用して行う必要があります。
異なるディストリビューションパスを使用してゾーンをインストールするコマンド行の例については、例 35–1、例 35–2、および例 35–3 を参照してください。ディスクまたは ISO イメージからインストールする場合は、Sun パッケージクラスタのカテゴリを指定する必要があります。パッケージクラスタのカテゴリについては、「lx ブランドゾーンのインストール方法」を参照してください。
ゾーンをインストールする前に検証できます。この手順を省略した場合、ゾーンのインストール時に検証が自動的に実行されます。手順については、「(省略可能) インストール前に構成済みのゾーンを検証する方法」を参照してください。
この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。
手順 3 の zoneadm install コマンドでは、zonepath が ZFS 上にある場合、ゾーンのインストール時に zonepath の ZFS ファイルシステム (データセット)が自動的に作成されます。-x nodataset パラメータを指定することで、この処理をブロックできます。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。
(省略可能) DVD または CD からインストールする場合は、システムで volfs を使用可能にし、稼働していることを確認します。
global# svcadm enable svc:/system/filesystem/volfs:default |
global# svcs | grep volfs |
次のような情報が表示されます。
online 17:30 svc:/system/filesystem/volfs:default |
zoneadm コマンドに install オプションとアーカイブのパスを指定して、構成済みゾーン lx-zone をインストールします。
ゾーンをインストールします。zonepath が ZFS 上にある場合は、ZFS ファイルシステムを自動的に作成します。
global# zoneadm -z lx-zone install -d archive_path |
システムには次のように表示されます。
A ZFS file system has been created for this zone. |
zonepath が ZFS 上にあるゾーンをインストールします。ただし、ZFS ファイルシステムの自動作成は行いません。
global# zoneadm -z lx-zone install -x nodataset -d archive_path |
ゾーンのルートファイルシステムに必要なファイルおよびディレクトリがパッケージファイルとともにゾーンのルートパスにインストールされる際、さまざまなメッセージが表示されます。
archive_path を指定しない場合、デフォルトは CD です。
(省略可能) エラーメッセージが表示され、ゾーンのインストールに失敗した場合は、次のように入力してゾーンの状態を取得します。
global# zoneadm -z lx-zone list -iv |
状態が構成済みであると表示された場合は、メッセージに示された修正を行い、zoneadm install コマンドを再度実行します。
状態が不完全であると表示された場合は、最初に次のコマンドを実行します。
global# zoneadm -z lx-zone uninstall |
次にメッセージに示された修正を行い、zoneadm install コマンドを再度実行します。
インストールが完了したら、list サブコマンドに -i オプションおよび -v オプションを指定してインストール済みのゾーンを一覧表示し、状態を確認します。
global# zoneadm list -iv |
次のような情報が表示されます。
ID NAME STATUS PATH BRAND IP 0 global running / native shared - lx-zone installed /export/home/lx-zone lx shared |
global# zoneadm -z lx-zone install -d /export/centos_fs_image.tar.bz2 |
CD または DVD からインストールする場合は、システムで volfs が使用可能になっている必要があります。ソフトウェアクラスタパッケージを指定する必要があります。たとえば、development を使用して完全な環境をインストールするか、特定のクラスタの名前を指定します。クラスタパッケージを指定しないと、デフォルトで desktop がインストールされます。CD デバイスは /cdrom/cdrom0 です。
global# zoneadm -z lx-zone install -d /cdrom/cdrom0 development |
ソフトウェアクラスタパッケージを指定する必要があります。development を使用して完全な環境をインストールするか、特定のクラスタを指定します。クラスタパッケージを指定しないと、デフォルトで desktop がインストールされます。CentOS の ISO イメージは /export/centos_3.7 にあります。
global# zoneadm -z lx-zone install -d /export/centos_3.7 development |
データセットの詳細については、『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』を参照してください。
ゾーンのインストールが中断または失敗した場合は、ゾーンの状態は不完全なままになります。uninstall -F を使用して、ゾーンを構成済みの状態にリセットします。
CD または ISO イメージからインストールする場合は、インストールメディア上にあるパッケージの一部をインストールすることができます。使用可能なサブセットは、core、server、desktop、developer、および all です。
この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。
server パッケージだけをインストールします。
global# zoneadm -z lx-zone install -d archive_path server |
lx ブランドゾーンをインストールしたとき、ネットワークは使用不可になっています。ネットワークを使用可能にするには、ここで説明する手順などを使用します。
この手順を実行するには、ゾーン管理者になる必要があります。
ゾーンの /etc/sysconfig/network ファイルを編集します。
NETWORKING=yes HOSTNAME=your.hostname |
NIS ドメインを設定するには、次のような行を追加します。
NISDOMAIN=domain.Sun.COM |
ネットワークサービスやネームサービスの構成方法については、使用している Linux ディストリビューションのマニュアルを参照してください。
ゾーンのインストール時に、汎用一意識別子 (UUID) がゾーンに割り当てられます。UUID は、zoneadm に list サブコマンドと -p オプションを使うことで取得できます。UUID は、5 番目に表示されるフィールドです。
インストールされたゾーンの UUID を表示します。
global# zoneadm list -p |
次のような情報が表示されます。
0:global:running:/::native 1:centos38:running:/zones/centos38:27fabdc8-d8ce-e8aa-9921-ad1ea23ab063:lx |
global# zoneadm -z lx-zone -u 61901255-35cf-40d6-d501-f37dc84eb504 list -v |
-u uuid-match と - z zonename の両方が存在する場合、最初に UUID に基づいてマッチングが行われます。指定した UUID のゾーンが見つかった場合はそのゾーンが使用され、-z パラメータは無視されます。指定した UUID のゾーンが見つからなかった場合、システムはゾーン名で検索を実行します。
ゾーンをアンインストールすることも、同名のゾーンを内容を変えて再インストールすることもできます。ゾーンの内容を変更せずにゾーンの名前を変更することも可能です。こうした理由から、UUID はゾーン名よりも信頼性の高いハンドルです。
詳細は、zoneadm(1M) および libuuid(3LIB) を参照してください。
システムに加えられた管理上の変更のためにゾーンが使用不可になるか、矛盾が生じた場合、インストールしたゾーンの状態を不完全に変更できます。
この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。
ゾーン testzone に不完全のマークを付けます。
global# zoneadm -z testzone mark incomplete |
list サブコマンドに -i オプションと - v オプションを使って、状態を確認します。
global# zoneadm list -iv |
次のような情報が表示されます。
ID NAME STATUS PATH BRAND IP 0 global running / native shared - testzone incomplete /export/home/testzone lx shared |
ゾーンへの不完全のマーク付けは、取り消すことができません。不完全のマークが付けられたゾーンに実行可能なのは、ゾーンをアンインストールして、構成済みの状態に戻す操作だけです。「ブランドゾーンをアンインストールする方法」を参照してください。
準備完了状態に移行すると、仮想プラットフォームでユーザープロセスを開始する準備が整います。準備完了状態のゾーンには、内部で実行中のユーザープロセスは存在しません。
ゾーンをすぐに起動して使用する場合、この手順は省略できます。ゾーンの起動時に、準備完了状態への移行が自動的に行われます。
「(省略可能) インストール済みのゾーンを準備完了状態に移行する方法」を参照してください。
ゾーンを起動すると、ゾーンが稼働状態になります。ゾーンは、準備完了状態またはインストール済み状態から起動できます。起動したインストール済み状態のゾーンは、準備完了状態から稼働状態に透過的に移行します。稼働状態のゾーンに対してはゾーンへのログインが可能です。
この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。
ラベルが有効になっている Trusted Solaris システムでは、ブランドゾーンを起動できないことに注意してください。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。
zoneadm コマンドを -z オプション、ゾーン名 (lx-zone)、および boot サブコマンドとともに使用することで、ゾーンを起動します。
global# zoneadm -z lx-zone boot |
起動が完了したら、list サブコマンドに -v オプションを指定して状態を確認します。
global# zoneadm list -v |
次のような情報が表示されます。
ID NAME STATUS PATH BRAND IP 0 global running / native shared 1 lx-zone running /export/home/lx-zone lx shared |
-i altinit オプションを使用してゾーンを起動します。
global# zoneadm -z lx-zone boot -- -i /path/to/process |
ゾーン構成で指定された IP アドレス用のネットマスクをシステムが検出できなかったことを示すメッセージが表示された場合は、「ゾーン起動時に netmasks の警告が表示される」を参照してください。このメッセージは単なる警告であり、コマンドは成功しています。
この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。
ゾーンをシングルユーザーモードで起動します。
global# zoneadm -z lx-zone boot -- -s |
ゾーンにログインして構成を確認する方法については、「lx ブランドゾーンへのログイン」を参照してください。
タスク |
説明 |
説明 |
---|---|---|
ゾーンを停止します。 |
停止手順を実行して、ゾーンのアプリケーション環境と仮想プラットフォームの両方を削除します。この手順により、ゾーンが準備完了状態からインストール済み状態に戻されます。ゾーンの完全な停止処理を行う方法については、「zlogin を使用して lx ブランドゾーンを停止処理する方法」を参照してください。 | |
ゾーンを再起動します。 |
再起動の手順を実行すると、ゾーンが停止してから再び起動します。 | |
ゾーンをアンインストールします。 |
この手順は、ゾーンのルートファイルシステム内のすべてのファイルを削除します。この手順は、十分注意して実行する必要があります。実行した操作を元に戻すことはできません。 | |
同一システムの既存ゾーンの構成に基づいて、新しい非大域ゾーンをプロビジョニングします。 |
ゾーンの複製は、ゾーンのインストールより高速な代替手段です。ただし、インストールの前にはやはり新規ゾーンを構成してください。 | |
システムから非大域ゾーンを削除します。 |
この手順を実行すると、システムからゾーンが完全に削除されます。 |
lx ブランドゾーンのアプリケーション環境と仮想プラットフォームの両方を削除する場合に、この停止手順を使用します。ゾーンの完全な停止処理を行う方法については、「zlogin を使用して lx ブランドゾーンを停止処理する方法」を参照してください。
この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。
システムで稼働中のゾーンの一覧を表示します。
global# zoneadm list -v |
次のような情報が表示されます。
ID NAME STATUS PATH BRAND IP 0 global running / native shared 1 lx-zone running /export/home/lx-zone lx shared |
zoneadm コマンドを -z オプション、ゾーン名 (lx-zone など)、および halt サブコマンドとともに使用することで、指定されたゾーンを停止します。
global# zoneadm -z lx-zone halt |
システム内のゾーンの一覧を再度表示して、lx-zone が停止していることを確認します。
global# zoneadm list -iv |
次のような情報が表示されます。
ID NAME STATUS PATH BRAND IP 0 global running / native shared - lx-zone installed /export/home/lx-zone lx shared |
ゾーンを再び起動する場合は、次のコマンドを実行します。
global# zoneadm -z lx-zone boot |
ゾーンが正しく停止しない場合は、「ゾーンが停止しない」でトラブルシューティングのヒントを参照してください。
この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。
システムで稼働中のゾーンの一覧を表示します。
global# zoneadm list -v |
次のような情報が表示されます。
ID NAME STATUS PATH BRAND IP 0 global running / native shared 1 lx-zone running /export/home/lx-zone lx shared |
zoneadm コマンドを -z reboot オプションとともに使用することで、ゾーン lx-zone を再起動します。
global# zoneadm -z lx-zone reboot |
システム内のゾーンの一覧を再度表示して、lx-zone が再起動したことを確認します。
global# zoneadm list -v |
次のような情報が表示されます。
ID NAME STATUS PATH BRAND IP 0 global running / native shared 2 lx-zone running /export/home/lx-zone lx shared |
lx-zone のゾーン ID が変更されていることに注目してください。通常、再起動するとゾーン ID は変更されます。
この手順は、ゾーンのルートファイルシステム内のすべてのファイルを削除します。実行した操作を元に戻すことはできません。
ゾーンは稼働状態であっていけません。uninstall 操作は、稼働中のゾーンに対しては無効です。
この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。
システム内のゾーンの一覧を表示します。
global# zoneadm list -v |
次のような情報が表示されます。
ID NAME STATUS PATH BRAND IP 0 global running / native shared - lx-zone installed /export/home/lx-zone lx shared |
zoneadm コマンドを -z uninstall オプションとともに使用することで、ゾーン lx-zone を削除します。
-F オプションを使用すると、処理を強制的に実行できます。このオプションが指定されていない場合、システムにより確認を求めるメッセージが表示されます。
global# zoneadm -z lx-zone uninstall -F |
zonepath として独自の ZFS ファイルシステムを保持しているゾーンをアンインストールすると、その ZFS ファイルシステムは破棄されます。
システム内のゾーンの一覧を再度表示して、lx-zone が一覧に含まれていないことを確認します。
global# zoneadm list -v |
次のような情報が表示されます。
ID NAME STATUS PATH BRAND IP 0 global running / native shared |
ゾーンのアンインストールが中断した場合、ゾーンの状態は不完全なままになります。zoneadm uninstall コマンドを使用して、ゾーンを構成済みの状態にリセットしてください。
実行した操作を元に戻すことはできないため、uninstall コマンドは慎重に使用してください。
複製操作は、複製元の zonepath から複製先の zonepath にデータをコピーすることにより、システム上に新しいゾーンをプロビジョニングするのに使用されます。
新規ゾーンをインストールする前に、そのゾーンを構成する必要があります。zoneadm create サブコマンドに渡されるパラメータは、複製するゾーンの名前です。この複製元のゾーンを停止する必要があります。
この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。
複製元のゾーン (この手順では lx-zone) を停止します。
global# zoneadm -z lx-zone halt |
複製元ゾーン lx-zone の構成をファイル (たとえば、master) にエクスポートすることにより、新規ゾーンの構成を開始します。
global# zonecfg -z lx-zone export -f /export/zones/master |
既存の構成を変更する代わりに、「ゾーンの構成方法」で説明されている手順を使って、新規ゾーン構成を作成することもできます。この方法を使用する場合は、ゾーンを作成したあとで手順 6 に進みます。
master ファイルを編集します。少なくとも、新規ゾーンに別の zonepath と IP アドレスを設定する必要があります。
master ファイル内のコマンドを使って、新規ゾーン zone1 を作成します。
global# zonecfg -z zone1 -f /export/zones/master |
lx-zone を複製して、新規ゾーン zone1 をインストールします。
global# zoneadm -z zone1 clone lx-zone |
システムには次のように表示されます。
Cloning zonepath /export/home/lx-zone... |
システム内のゾーンの一覧を表示します。
global# zoneadm list -iv ID NAME STATUS PATH BRAND IP 0 global running / native shared - lx-zone installed /export/home/lx-zone lx shared - zone1 installed /export/home/zone1 lx shared |
最初にゾーンを複製したときに作成された既存のスナップショットから、元のゾーンを何度も複製することができます。
この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。
ゾーン zone2 を構成します。
既存のスナップショットを使用して new-zone2 を作成することを指定します。
global# zoneadm -z zone2 clone -s zeepool/zones/lx-zone@SUNWzone1 lx-zone |
システムには次のように表示されます。
Cloning snapshot zeepool/zones/lx-zone@SUNWzone1 |
zoneadm コマンドは、スナップショット SUNWzone1 のソフトウェアを検証し、スナップショットを複製します。
システム内のゾーンの一覧を表示します。
global# zoneadm list -iv ID NAME STATUS PATH BRAND IP 0 global running / native shared - lx-zone installed /zeepool/zones/lx-zone lx shared - zone1 installed /zeepool/zones/zone1 lx shared - zone2 installed /zeepool/zones/zone1 lx shared |
ZFS ファイルシステム上のゾーンの自動複製を防止し、代わりに zonepath をコピーするように指定する場合は、ここで説明する手順を使用します。
この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。
ZFS クローンは行わず、ZFS 上の zonepath をコピーするように指定します。
global# zoneadm -z zone1 clone -m copy lx-zone |
この節では、システムからゾーンを完全に削除する手順を説明します。
ゾーン lx-zone を停止処理します。
global# zlogin lx-zone shutdown -y -g0 -i0 |
lx-zone のルートファイルシステムを削除します。
global# zoneadm -z lx-zone uninstall -F |
lx-zone の構成を削除します。
global# zonecfg -z lx-zone delete -F |
システム内のゾーンの一覧を表示し、lx-zone が一覧に含まれていないことを確認します。
global# zoneadm list -iv |
次のような情報が表示されます。
ID NAME STATUS PATH BRAND IP 0 global running / native shared |