Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

資源プールを使用する場合

資源プールは、多くの管理作業に適用できる汎用機構を提供します。

バッチ処理サーバー

プールの機能を使用して、1 つのサーバーを 2 つのプールに分割します。一方のプールは、ログインセッションとタイムシェアリングユーザーによる対話型作業に使用されます。もう一方のプールは、バッチシステムを介して投入されるジョブに使用されます。

アプリケーションサーバーまたはデータベースサーバー

アプリケーションの要件に基づいて、対話型アプリケーション用の資源を区分します。

アプリケーションの段階的な調整

ユーザーが期待するサービスレベルを設定します。

最初は、目標とする最終的なサービスの一部だけを実行するマシンを導入することがあります。マシンをオンラインにしたときに、予約方式の資源管理機構が確立していなければ、ユーザーがサービスに不満を持つ可能性があります。

たとえば、公平配分スケジューラは CPU の使用率を最適化します。1 つしかアプリケーションを実行していないマシンの応答時間は速く感じられます。実際には、複数のアプリケーションがロードされると、このような応答時間は得られません。アプリケーションごとに個別のプールを用意することにより、各アプリケーションで使用可能な CPU 数の上限をあらかじめ設定してから、すべてのアプリケーションを運用することができます。

複雑なタイムシェアリングサーバー

多数のユーザーをサポートするサーバーを区分します。サーバーの区分によって、ユーザーごとの応答が時間をより確実に予測できる分離機構が提供されます。

ユーザーをグループに分割して個別のプールに結合し、公平配分スケジューラ (FSS) 機能を使用すれば、CPU 割り当てを調整して、優先順位を持つユーザーグループをサポートできます。このような割り当ては、ユーザーの役割や課金などに基づいて行えます。

定期的に変動する作業負荷

資源プールを使用して、変動する作業負荷に対応します。

サイトでの作業負荷の変動が月次、四半期、年次などの周期で予想できる場合があります。サイトでこのような変動が予想できる場合は、cron ジョブで pooladm を実行して、複数のプール構成を使い分けることができます。(「資源プールのフレームワーク」を参照)。

リアルタイムアプリケーション

RT スケジューラと専用のプロセッサ資源を使用して、リアルタイムプールを作成します。

システムの使用率

システムの目標を設定して適用します。

自動プールデーモンの機能を使用して、使用可能な資源を特定してから作業負荷を監視すると、指定した目標がいつ満たされなくなるかを検出できます。可能な場合はデーモンで修正操作を実行したり、状況をログに記録したりできます。