UFS ファイルシステムをマウント解除すると、ファイルシステムがそのマウントポイントから削除され、そのエントリが /etc/mnttab ファイルから削除されます。マウントされているファイルシステム上では、一部のファイルシステム管理作業を実行できません。次の場合には、UFS ファイルシステムをマウント解除する必要があります。
ファイルシステムが不要になった場合、または新しいソフトウェアが入ったファイルシステムに交換された場合。
fsck コマンドを使用してファイルシステムを検査し、修復する必要がある場合。fsck コマンドの詳細は、第 21 章UFS ファイルシステムの整合性検査 (手順)を参照してください。
完全バックアップの実行前に、ファイルシステムをマウント解除する必要があります。バックアップの実行の詳細は、第 24 章UFS ファイルとファイルシステムのバックアップ (手順)を参照してください。
各ファイルシステムは、ファイルシステムのシャットダウン手順の一部として自動的にマウント解除されます。
緊急時は、umount -f コマンドで、使用中のファイルシステムを強制的にマウント解除できます。ファイルを開いた状態でファイルシステムをマウント解除すると、データが失われる可能性があるため、非常時以外はこの操作を行わないようにしてください。このオプションは、UFS と NFS のファイルシステムでのみ使用できます。
ファイルシステムをマウント解除する場合の前提条件は次のとおりです。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
ファイルシステムは、マウント解除が可能な状態でなければなりません。使用中のファイルシステムはマウント解除できません。ユーザーがそのファイルシステム内のディレクトリにアクセスしているとき、プログラムがそのファイルシステム上のファイルを開いているとき、またはファイルシステムが共有されているときには、ファイルシステムは使用中とみなされます。次の方法でファイルシステムをマウント解除が可能な状態にできます。
別のファイルシステム内のディレクトリにカレントディレクトリを変更する。
システムからログアウトする。
fuser コマンドを使用して、そのファイルシステムを使用中のすべてのプロセスを表示し、必要に応じて終了させる。詳細は、「ファイルシステムを使用中のすべてのプロセスを終了させる方法」を参照してください。
ほかのユーザーが使用しているファイルシステムをマウント解除する必要があるときは、各ユーザーに通知します。
ファイルシステムの共有を解除する。ファイルシステムの共有を解除する方法については、unshare(1M) のマニュアルページを参照してください。
ファイルシステムをマウント解除したことを確認するには、mount コマンドからの出力を調べます。
$ mount | grep unmounted-file-system |
どのプロセスを終了させるかがわかるように、ファイルシステムを使用中のすべてのプロセスを表示します。
# fuser -c [ -u ] /mount-point |
ファイルシステムのマウントポイントとなっているファイルと、マウントされているファイルシステム内のファイルがすべて表示されます。
プロセス ID ごとにユーザーのログイン名が表示されます。
プロセスを終了させるファイルシステムの名前を指定します。
ファイルシステムを使用しているすべてのプロセスを終了させます。
# fuser -c -k /mount-point |
ファイルシステムを使用している各プロセスに SIGKILL が送信されます。
ユーザーのプロセスを終了させるときには、必ず事前に警告してください。
ファイルシステムを使用しているプロセスがないことを確認します。
# fuser -c /mount-point |
次の例は、/export/home ファイルシステムを使用中のプロセス 4006c を終了させる方法を示しています。
# fuser -c /export/home /export/home: 4006c # fuser -c -k /export/home /export/home: 4006c # fuser -c /export/home /export/home: |
次の手順に従って、ファイルシステム (ルート (/)、/usr、/var を除く) をマウント解除します。
ルート (/)、/usr、および /var ファイルシステムは、シャットダウン中にのみマウント解除可能です。これらのファイルシステムは、システムの機能上必須です。
「ファイルシステムをマウント解除する場合の前提条件」の前提条件を満たしているかどうかを確認します。
ファイルシステムをマウント解除します。
# umount /mount-point |
/mount-point は、マウント解除するファイルシステムの名前を示します。次のいずれかを指定できます。
ファイルシステムがマウントされているディレクトリ名
ファイルシステムのデバイス名パス
NFS ファイルシステムのリソース
LOFS ファイルシステムのループバックディレクトリ
次の例は、ローカルのホームディレクトリから UFS ファイルシステムをマウント解除する方法を示しています。
# umount /export/home |
次の例は、ローカルディスクの 7 番目のスライス上の UFS ファイルシステムをマウント解除する方法を示しています。
# umount /dev/dsk/c0t0d0s7 |
次の例は、UFS の /export ファイルシステムを強制的にマウント解除する方法を示しています。
# umount -f /export # |
次の例は、/etc/vfstab ファイル内のすべての UFS ファイルシステム (ルート (/)、 /proc、/var、/usr を除く) をマウント解除する方法を示しています。
# umountall |
次の例は、すべての ZFS ファイルシステムをマウント解除する方法を示しています。
# zfs umount -a |
使用中のファイルシステムを除く、すべてのファイルシステムがマウント解除されます。