Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)

ダンプレベルを使用して増分バックアップを作成する

ufsdump コマンドで指定するダンプレベル (0 - 9) により、バックアップするファイルを決定できます。ダンプレベル 0 を指定すると、完全バックアップが作成されます。増分バックアップのスケジュール設定にレベル 1 から 9 までの番号が使用されますが、特に意味が定義されているわけではありません。レベル 1 から 9 は、累積バックアップまたは個別バックアップのスケジュール設定に使用する番号の範囲にすぎません。レベル 1 から 9 までが意味するのは、大小による相互関係だけです。下位ダンプレベル番号を使用した場合は、常に完全バックアップまたは累積バックアップが再開されます。次の例で、1 から 9 までのレベルを使用する増分ダンプの手順を示します。

例—日単位累積バックアップのダンプレベル

日単位の累積増分バックアップを実行するのが、もっとも一般に使用されるバックアップスケジュールで、ほとんどの場合に推奨できます。次の例で、月曜日から木曜日までレベル 9 のダンプを使用し、金曜日にはレベル 5 のダンプを使用してプロセスを再開するスケジュールを示します。

図 23–1 増分バックアップ: 日単位累積

この図は、月曜日から金曜日までの日単位累積バックアップで、必要なテープの量が増加していくことを示す

前の例では、1 から 9 までの範囲内で他の番号を使用しても同じ結果が得られます。ポイントは、月曜日から木曜日まで同じ番号を使用し、金曜日にはそれより「小さい」番号を使用することです。たとえば、レベル 4、4、4、4、2 や 7、7、7、7、5 を指定してもかまいません。

例—日単位増分バックアップのダンプレベル

次の例で、1 日分の作業内容のみを別々のテープ上で保存するスケジュールを示します。このようなバックアップは、日単位増分バックアップと呼ばれます。この場合、月曜日から木曜日までは連続するダンプレベル番号(3、4、5、6) を使用し、金曜日にはそれより小さい番号(2) を使用します。金曜日はレベル番号が小さいので、プロセスが再開されます。

図 23–2 増分バックアップ: 日単位増分

この図は、月曜日から金曜日までの日単位個別バックアップで、必要なテープ量はほぼ均一であることを示す

前の例では、連番 6、7、8、9 の次に 2 を使用したり、5、6、7、8 の次に 3 を使用したりすることもできます。番号自体は特定の意味を持たないことに注意してください。この例が示しているように、連続した番号を並べることによって、それらの番号に意味が生まれます。