Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)

format のメニューとコマンドの説明

次のような format のメインメニューが表示されます。


FORMAT MENU:
        disk       - select a disk
        type       - select (define) a disk type
        partition  - select (define) a partition table
        current    - describe the current disk
        format     - format and analyze the disk
        fdisk      - run the fdisk program (x86 only)
        repair     - repair a defective sector
        label      - write label to the disk
        analyze    - surface analysis
        defect     - defect list management
        backup     - search for backup labels
        verify     - read and display labels
        save       - save new disk/partition definitions
        inquiry    - show vendor, product and revision
        volname    - set 8-character volume name
        !<cmd>     - execute <cmd>, then return
        quit
format> 

次の表に、format ユーティリティーのメインメニューの項目を示します。

表 15–1 format ユーティリティーのメインメニュー項目の説明

メニュー項目 

コマンド / メニュー 

説明 

disk

コマンド 

システムのドライブをすべて表示します。あとの操作で使用するディスクを選択することもできます。このディスクは、「現在のディスク」と呼ばれます。 

type

コマンド 

現在のディスクの製造元とモデルを表示します。認識されているドライブタイプのリストも表示します。SCSI-2 対応ディスクドライブの場合は必ず Auto configure オプションを選択します。

partition

メニュー 

スライスの作成および変更を行います。詳細は、partition メニュー」を参照してください。

current

コマンド 

現在のディスクに関する次の情報を表示します。 

  • デバイス名とデバイスタイプ

  • シリンダ数、代替シリンダ数、ヘッド数、セクター数

  • 物理デバイス名

format

コマンド 

次のいずれかの情報源をこの順番に使用して、現在のディスクをフォーマットします。 

  1. format.dat ファイル内の情報

  2. 自動構成プロセスからの情報

  3. format.dat エントリが存在しない場合に、プロンプトへの応答として入力する情報

このコマンドは、IDE ディスクには適用できません。IDE ディスクは、あらかじめ製造元でフォーマットされます。 

fdisk

メニュー 

x86 プラットフォームのみ: fdisk プログラムを実行し、Solaris fdisk パーティションを作成します。

fdisk コマンドは、1T バイトを超えるサイズの EFI ラベル付きディスクで使用することはできません。

repair

コマンド 

現在のディスク上で特定のブロックを修復します。 

label

コマンド 

現在のディスクに新しいラベルを書き込みます。 

analyze

メニュー 

読み取り、書き込み、および比較テストを実行します。詳細は、analyze メニュー」を参照してください。

defect

メニュー 

欠陥リストを検索して表示します。詳細は、defect メニュー」を参照してください。この機能は、IDE ディスクには適用できません。IDE ディスクは欠陥の検出を自動的に行います。

backup

コマンド 

VTOC – バックアップラベルを検索します。

EFI – サポートされません。

verify

コマンド 

現在のディスクに関する次の情報を表示します。 

  • デバイス名とデバイスタイプ

  • シリンダ数、代替シリンダ数、ヘッド数、セクター数

  • パーティションテーブル

save

コマンド 

VTOC – 新しいディスク情報およびパーティション情報を保存します。

EFI – 適用できません。

inquiry

コマンド 

SCSI ディスクのみ – 現在のドライブのベンダー、製品名、リビジョンレベルを表示します。

volname

コマンド 

8 文字のボリューム名を新規に指定して、ディスクラベルを作成します。 

quit

コマンド 

format メニューを終了します。

partition メニュー

partition メニューは次のようになっています。


format> partition
PARTITION MENU:
        0      - change `0' partition
        1      - change `1' partition
        2      - change `2' partition
        3      - change `3' partition
        4      - change `4' partition
        5      - change `5' partition
        6      - change `6' partition
        7      - change `7' partition
        select - select a predefined table
        modify - modify a predefined partition table
        name   - name the current table
        print  - display the current table
        label  - write partition map and label to the disk
        quit
partition> 

次の表に、partition メニューの項目を示します。

表 15–2 partition メニュー項目の説明

サブコマンド 

説明 

change `n' partition

新しいパーティションに次の情報を指定できます。 

  • 識別タグ

  • アクセス権フラグ

  • 開始シリンダ

  • サイズ

select

事前定義済みのパーティションテーブルを選択できます。 

modify

パーティションテーブル内のすべてのスライスを変更できます。個々のスライスに対して実行する change `x' partition コマンドよりも、このコマンドが多く使用されます。

name

現在のパーティションテーブルの名前を指定できます。 

print

現在のパーティションテーブルを表示します。 

label

パーティションマップとラベルを現在のディスクに書き込みます。 

quit

partition メニューを終了します。

x86: fdisk メニュー

x86 システム上でのみ、次のような fdisk メニューが表示されます。


format> fdisk
             Total disk size is 14169 cylinders
             Cylinder size is 2510 (512 byte) blocks

                                               Cylinders
      Partition   Status    Type          Start   End   Length    %
      =========   ======    ============  =====   ===   ======   ===
          1       Active    x86 Boot          1     9       9      0
          2                 Solaris2         10  14168    14159    100

SELECT ONE OF THE FOLLOWING:

  1. Create a partition
  2. Specify the active partition
  3. Delete a partition
  4. Change between Solaris and Solaris2 Partition IDs
  5. Exit (update disk configuration and exit)
  6. Cancel (exit without updating disk configuration)
  Enter Selection:

次の表に、fdisk メニューの項目を示します。

表 15–3 x86: fdisk メニュー項目の説明

メニュー項目 

説明 

Create a partition

fdisk パーティションを作成します。Solaris や DOS など、OS ごとに別々のパーティションを作成しなければなりません。1 台のディスクの最大パーティション数は 4 です。fdisk のパーティションのサイズをパーセンテージで入力するように促すプロンプトが表示されます。

Specify the active partition

ブートに使用するパーティションを指定できます。このメニュー項目により、第 1 段階のブートプログラムが第 2 段階のブートプログラムを検索する場所を指定します。 

Delete a partition

以前に作成したパーティションを削除します。このコマンドを実行すると、パーティション内のすべてのデータが失われます。 

Change between Solaris and Solaris2 Partition IDs

パーティション識別子を 130 (0x82) から 191 (0xbf) に、または 191 (0xbf) から 130 (0x82) に変更します。

Exit (update disk configuration and exit)

新しいパーティションテーブルを書き込んで fdisk メニューを終了します。

Cancel (exit without updating disk configuration)

パーティションテーブルを変更せずに fdisk メニューを終了します。

analyze メニュー

analyze メニューは次のようになっています。


format> analyze
 
ANALYZE MENU:
    read     - read only test   (doesn't harm SunOS)
    refresh  - read then write  (doesn't harm data)
    test     - pattern testing  (doesn't harm data)
    write    - write then read      (corrupts data)
    compare  - write, read, compare (corrupts data)
    purge    - write, read, write   (corrupts data)
    verify   - write entire disk, then verify (corrupts data)
    print    - display data buffer
    setup    - set analysis parameters
    config   - show analysis parameters
    quit
analyze> 

次の表に、analyze メニューの項目を示します。

表 15–4 analyze メニュー項目の説明

サブコマンド 

説明 

read

現在のディスクの各セクターを読み込みます。デフォルトで欠陥ブロックを修復します。 

refresh

データを損なわずに、現在のディスク上で読み取りおよび書き込みを実行します。デフォルトで欠陥ブロックを修復します。 

test

データを損なわずに一連のパターンをディスクに書き込みます。デフォルトで欠陥ブロックを修復します。 

write

一連のパターンをディスクに書き込んでから、そのデータをディスクから読み込みます。ディスク上の既存のデータは破壊されます。デフォルトで欠陥ブロックを修復します。 

compare

ディスクに一連のパターンを書き込み、そのデータを読み込み、書き込みバッファー内のデータと比較します。ディスク上の既存のデータは破壊されます。デフォルトで欠陥ブロックを修復します。 

purge

ディスク上のデータをすべて削除し、いかなる手段でも取り出せないようにします。ディスク全体 (またはディスクのセクション) に 3 種類のパターンを書き込むことにより、データを削除します。検査に合格すると16 進のビットパターンがディスク全体 (またはディスクのセクション) に上書きされます。 

デフォルトで欠陥ブロックを修復します。 

verify

最初の検査に合格すると、ディスク全体の各ブロックに固有のデータを書き込みます。次の検査に合格すると、データを読み取り、検証します。ディスク上の既存のデータは破壊されます。デフォルトで欠陥ブロックを修復します。 

print

読み取り / 書き込みバッファー内のデータを表示します。 

setup

次の解析パラメータを指定できます。 

Analyze entire disk? yes
Starting block number: depends on drive
Ending block number: depends on drive
Loop continuously? no
Number of passes: 2
	Repair defective blocks? yes
Stop after first error? no
Use random bit patterns? no
Number of blocks per transfer: 126 (0/n/nn)
Verify media after formatting? yes
Enable extended messages? no
Restore defect list? yes
Restore disk label? yes

config

現在の解析パラメータを表示します。 

quit

analyze メニューを終了します。

defect メニュー

defect メニューは次のようになっています。


format> defect
 
DEFECT MENU:
        primary  - extract manufacturer's defect list
        grown    - extract manufacturer's and repaired defects lists
        both     - extract both primary and grown defects lists
        print    - display working list
        dump     - dump working list to file
        quit
defect> 

次の表に、defect メニューの項目を示します。

表 15–5 defect メニュー項目の説明

サブコマンド 

説明 

主ノード

製造元の欠陥リストをディスクドライブから読み込み、メモリー内の欠陥リストを更新します。 

grown

増分の欠陥リストを読み取り、メモリー内の欠陥リストを更新します。「増分の欠陥」とは、解析中に検出された欠陥のことです。 

both

製造元の欠陥リストと増分の欠陥リストの両方を読み取ります。その後、メモリー内欠陥リストを更新します。 

print

メモリー内の欠陥リストを表示します。 

dump

メモリー内の欠陥リストをファイルに保存します。 

quit

defect メニューを終了します。