一般に、ディスクにラベルを付ける操作は、システムのインストール時、または新しいディスクスライスを作成するときに行います。ディスクラベルが破損したときは、新しくラベルを付け直す必要があります。ディスクラベルの破損は、電源障害が発生した場合などに起こります。
format ユーティリティーは、ラベルが付いていない SCSI ディスクを自動構成しようとします。format ユーティリティーがラベルの付いていないディスクを自動構成できる場合、次のようなメッセージが表示されます。
c0t0d1: configured with capacity of 4.00GB |
複数のディスクに同じディスクラベルを付ける方法については、「prtvtoc と fmthard コマンドを使用して複数のディスクにラベルを付ける」を参照してください。
次の処理を行う手順について説明します。
VTOC または EFI ラベルを使って、2T バイトのサイズのディスクにラベルを付ける。
EFI ラベルを使って、2T バイトを超えるサイズのディスクにラベルを付ける。
2T バイト未満のディスクに EFI ラベルを付ける方法については、例 11–6 を参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
format ユーティリティーを起動します。
# format |
番号付きのディスクのリストが表示されます。
ラベルを付けたいディスクの番号を入力します。
Specify disk (enter its number):1 |
format ユーティリティーでディスクタイプが認識されたら、次の手順はバックアップラベルを検索 してディスクにラベルを付けることです。バックアップラベルを使用してディスクにラベルを付けると、ディスクタイプとジオメトリだけでなく、正しいパーティション情報を使用してディスクラベルが作成されます。
次のいずれかの方法を選択して、ディスクにラベルを付けます。
ディスクが正常に構成されていて、ラベルが付いていない場合は、手順 5 に進みます。
format ユーティリティーにより、ディスクラベルを付けるかを尋ねるプロンプトが表示されます。
ラベル付きディスクのディスクタイプを変更する場合、またはこのディスクを format ユーティリティーで自動構成できなかった場合は、手順 6 に進んでディスクタイプを設定し、ラベルを付けます。
Label it now? プロンプトで y と入力して、ディスクにラベルを付けます。
Disk not labeled. Label it now? y |
これでディスクラベルが作成されました。手順 10 に進んで format ユーティリティーを終了します。
format> プロンプトで type と入力します。
format> type |
Available Drive Types メニューが表示されます。
ディスクタイプの候補のリストからディスクタイプを選択します。
Specify disk type (enter its number)[12]: 12 |
または、0 を選択して SCSI-2 ディスクを自動構成します。詳細は、「SCSI ドライブを自動構成する方法」を参照してください。
ディスクラベルの作成ディスクにラベルが付いていない場合は、次のメッセージが表示されます。
Disk not labeled. Label it now? y |
ディスクラベルが付いている場合は、次のメッセージが表示されます。
Ready to label disk, continue? y |
ディスクラベルを検査します。
format> verify |
format ユーティリティーを終了します。
format> q # |
次の例では、1.05G バイトのディスクを自動構成してラベルを付ける方法を示します。
# format
c1t0d0: configured with capacity of 1002.09MB
AVAILABLE DISK SELECTIONS:
0. c0t3d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72>
/iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@1,0
1. c1t0d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72>
/iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@1,0
Specify disk (enter its number): 1
Disk not labeled. Label it now? yes
format> verify
format> q
#
|
次に、format -e コマンドを使って、2T バイト以下のディスクに EFI ラベルを付ける例を示します。階層化されたソフトウェア製品が EFI ラベル付きディスクのシステムでも動作することを確認しておいてください。EFI ラベルの一般的な制限事項については、「EFI ディスクラベルの制限」を参照してください。
# format -e
Searching for disks...done
AVAILABLE DISK SELECTIONS:
1. c1t0d0 <SUNW18g cyl 7506 alt 2 hd 19 sec 248>
/sbus@2,0/QLGC,isp@2,10000/sd@0,0
2. c1t1d0 <SUNW18g cyl 7506 alt 2 hd 19 sec 248>
/sbus@2,0/QLGC,isp@2,10000/sd@1,0
3. c1t8d0 <SUNW18g cyl 7506 alt 2 hd 19 sec 248>
/sbus@2,0/QLGC,isp@2,10000/sd@8,0
4. c1t9d0 <SUNW18g cyl 7506 alt 2 hd 19 sec 248>
/sbus@2,0/QLGC,isp@2,10000/sd@9,0
Specify disk (enter its number): 4
selecting c1t9d0
[disk formatted]
format> label
[0] SMI Label
[1] EFI Label
Specify Label type[0]: 1
Ready to label disk, continue? yes
format> quit
|
ディスクラベル情報の検査には、prtvtoc コマンドを使用します。ディスクラベルと prtvtoc コマンドの出力結果の詳しい説明については、第 10 章ディスクの管理 (概要)を参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
ディスクラベル情報を表示します。
# prtvtoc /dev/rdsk/device-name |
device-name には、検査する raw ディスクデバイスを指定してください。
次に示すのは、VTOC ラベル付きディスクのディスクラベル情報を表示する例です。
# prtvtoc /dev/rdsk/c0t0d0s0
* /dev/rdsk/c0t0d0s0 partition map
*
* Dimensions:
* 512 bytes/sector
* 63 sectors/track
* 15 tracks/cylinder
* 945 sectors/cylinder
* 8894 cylinders
* 8892 accessible cylinders
*
* Flags:
* 1: unmountable
* 10: read-only
*
* First Sector Last
* Partition Tag Flags Sector Count Sector Mount Directory
0 2 00 1048950 3381210 4430159 /
1 3 01 0 1048950 1048949
2 5 00 0 8402940 8402939
7 8 00 4430160 3972780 8402939 /export/home
|
次に示すのは、EFI ラベル付きディスクのディスクラベル情報を表示する例です。
# prtvtoc /dev/rdsk/c3t1d0s0
* /dev/rdsk/c3t1d0s0 partition map
*
* Dimensions:
* 512 bytes/sector
* 2479267840 sectors
* 2479267773 accessible sectors
*
* Flags:
* 1: unmountable
* 10: read-only
*
* First Sector Last
* Partition Tag Flags Sector Count Sector Mount Directory
0 2 00 34 262144 262177
1 3 01 262178 262144 524321
6 4 00 524322 2478727100 2479251421
8 11 00 2479251422 16384 2479267805
|