電源障害やシステム障害が原因で、ディスクが認識されなくなることがあります。ただし、ディスクラベルが破損しても、スライス情報やディスクのデータを作り直したり、復元したりする必要がない場合もあります。
破損したディスクラベルを復元する作業の最初の手順は、正しいジオメトリとディスクタイプ情報を使用してディスクにラベルを付けることです。この作業は、通常のディスクラベル作成方法 (自動構成またはディスクタイプの手動指定) で実行できます。
format ユーティリティーでディスクタイプが認識されたら、次の手順はバックアップラベルを検索 してディスクにラベルを付けることです。バックアップラベルを使用してディスクにラベルを付けると、ディスクタイプとジオメトリだけでなく、正しいパーティション情報を使用してディスクラベルが作成されます。
システムをシングルユーザーモードにします。
必要であれば、シングルユーザーモードでローカルの Solaris DVD またはネットワークからシステムをブートして、ディスクにアクセスします。
システムのブートについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 12 章「Oracle Solaris システムのブート (手順)」または 『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「GRUB を使用して x86 システムをブートする (作業マップ)」を参照してください。
# format |
format ユーティリティーは、ラベルが付いていない SCSI ディスクを自動構成しようとします。破損し、ラベルが付いていないディスクを自動構成できる場合は、次のメッセージが表示されます。
cwtxdy: configured with capacity of abcMB |
次に、システム上のディスクの番号付きリストが表示されます。
復元するディスクの番号を入力します。
Specify disk (enter its number): 1 |
次のいずれかを選択して、ディスクラベルの作成方法を決定します。
ディスクが正常に構成された場合は、手順 5 と 6 を実行します。次に、手順 12 に進みます。
ディスクが正常に構成されなかった場合は、手順 7 - 11 を実行します。次に、手順 12 に進みます。
バックアップラベルを検索します。
format> verify Warning: Could not read primary label. Warning: Check the current partitioning and 'label' the disk or use the 'backup' command. Backup label contents: Volume name = < > ascii name = <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> pcyl = 2038 ncyl = 2036 acyl = 2 nhead = 14 nsect = 72 Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 0 - 300 148.15MB (301/0/0) 303408 1 swap wu 301 - 524 110.25MB (224/0/0) 225792 2 backup wm 0 - 2035 1002.09MB (2036/0/0) 2052288 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 6 usr wm 525 - 2035 743.70MB (1511/0/0) 1523088 7 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 |
format ユーティリティーがバックアップラベルを検出することができ、その内容が適切な場合は、backup コマンドを実行して、ディスクにバックアップラベルを付けます。
format> backup Disk has a primary label, still continue? y Searching for backup labels...found. Restoring primary label |
これで、ディスクラベルが復元されました。手順 12 へ進みます。
format ユーティリティーでディスクを自動構成できなかった場合は、type コマンドを使用してディスクタイプを指定します。
format> type |
Available Drives Type メニューが表示されます。
ディスクを自動構成するには、0 を選択します。または、ディスクタイプの候補のリストからディスクタイプを選択します。
Specify disk type (enter its number)[12]: 12 |
ディスクが正常に自動構成された場合は、ディスクラベルを作成するかどうか尋ねるプロンプトが表示されたときに no と応答します。
Disk not labeled. Label it now? no |
verify コマンドを使用してバックアップラベルを検索します。
format> verify Warning: Could not read primary label. Warning: Check the current partitioning and 'label' the disk or use the 'backup' command. . . . |
format ユーティリティーがバックアップラベルを検出することができ、その内容が適切な場合は、backup コマンドを実行して、ディスクにバックアップラベルを付けます。
format> backup Disk has a primary label, still continue? y Searching for backup labels...found. Restoring primary label |
これで、ディスクラベルが復元されました。
format ユーティリティーを終了します。
format> q |
fsck コマンドを使用して、復元されたディスク上のファイルシステムを確認します。
fsck コマンドの使用方法については、第 21 章UFS ファイルシステムの整合性検査 (手順)を参照してください。